「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2014年11月28日

不定冠詞のaに、複数形が続く用法(実例のメモ)



不定冠詞のaは、通例、可算名詞の単数形を伴う。
例: a miserable year 「みじめな1年」

ところが上記の例では、a miserable two years と、複数形(それもtwoという数詞つき)を伴っている。これは、おそらく最後に "time" だとか "period" といった「期間」を含意する語が省略されている(発話されていない)例だが、「みじめな2年間」がひとまとまりのものとして扱われ、a がついているのだと思う。

上記の例がタイポではない証として、検索結果より、ほかのニュース。(強調は引用者による)

Mitchell: This has been a miserable two years
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/law-and-order/11258830/Mitchell-This-has-been-a-miserable-two-years.html
記事にインタビューの映像・音声が入っている。はっきりと、"This has been a (brief pause) miserable two years" と言っている(40秒過ぎ)。

Andrew Mitchell: this has been a miserable two years - video
http://www.theguardian.com/politics/video/2014/nov/27/andrew-mitchell-miserable-two-years-video
上のテレグラフと同じ映像。テレグラフのビデオがうまく再生されないときはこちらで。

検索結果のキャプチャ:
a-two.png

で、本稿としては余談なのだが、何があったのかというと、2年前にgovernment chief whipだったアンドルー・ミッチェルがplebという語を使って暴言をはいたという事実があったかどうかが争われていた(くだらない)裁判で、その事実があったと認定されたということ。テレグラフの記事が笑えるので引用。

The MP, who resigned as whip a month after the altercation, had denied saying: "Best you learn your f****** place - you don't run this f****** government - you're f****** plebs."


He said he would never call a policeman a pleb "let alone a f****** pleb" - although he agreed he muttered audibly under his breath 'I thought you lot were supposed to f****** help us' - but not at the officer.

http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/law-and-order/11258830/Mitchell-This-has-been-a-miserable-two-years.html


これはplebgateと呼ばれている。plebは辞書引くと「庶民」などという《語義》が示されているが、語感としてはそれどころではなく「平民ども」的な感じらしい。日本語圏での最近の用語でいうと「B層」か。要するに、政治家が国民・有権者を見下した発言である、ということ。
http://ja.urbandictionary.com/define.php?term=pleb

しかもこれだけふんだんに惜しげもなくFワード使ってたら、何ら弁護の余地ないっすね。

ああ、ばかばかしい。

参考書籍(上の本の原書が下):
4903145077第二外国語として学ぶファッキン英語
スターリング ジョンソン 花くま ゆうさく Sterling Johnson
イプシロン出版企画 2005-11

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B00AIUFADEThe American Swear Book: English as a Second Fucking Language
Sterling Johnson
Gibson Square 2012-11-15

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……まちがえた。 (・_・)

4327451134英語の冠詞がわかる本―英語の冠詞の用法の「なぜ?」を考える
正保 富三
研究社出版 1996-10

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※この記事は

2014年11月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼