「シリアの少年の勇敢な行動」のビデオは、完全な創作(やらせ)。その経緯を振り返る。
http://matome.naver.jp/odai/2141635872769739301
「実際の映像」のように見え、そのように扱われてバイラルした映像が、実は完全な「作り物」…つい人に伝えたくなる「美談」には要注意。
「スナイパーの銃弾をかいくぐりながら、取り残されている無力な者を救出するヒーロー」という物語は、見る者すべてに感動を与える。「わあ、すごい」という気持ちは、ひどいニュースを見るだけしかできず、無力感にさいなまれている「私」に《癒し》を与えてくれる。その《癒し》を「みんなとシェア」したい。
こうしてその《物語》はネット上でバイラルする。
問題は、その《物語》が「実話」であるふりをしているとき、特に「今、リアルタイムで起きている国際ニュースの一部」であるふりをしているとき、そしてそれが元々からして「情報の信頼性」という点で難しい問題を内包しているトピックである場合。
そういうことを、上記「まとめ」に書いたので、ご一読いただければと思う。
なお、私自身は当該の映像がバイラルしてたときにはその映像の存在すら知らなかった。知ったのは、それが「嘘(フェイク)」だと暴くBBCの記事でだった。
流行りだしたのは11月10日ごろのことで、当方、8日のエニスキレン爆弾事件の記念日、9日(日)のリメンブランス・サンデーから11日の休戦記念日まで、レッド・ポピーのニュースにかかりきりの状態で、Twitterもろくに見てなかったせいもあるが、私が観測してる範囲では誰もほとんど話題にしていなかったと思う。
なお、ツッコミを食らった制作者は「明らかにフェイクの映像なのに真に受けるほうが悪い」などと開き直っている。非常に悪質だ。「釣られるほうがバカ」論。そういえば何年も前に、ウィキペディアに虚偽情報を書き込んで「メディアが釣られた、プギャー」ってやってたアホの大学生がいたなと思ったら、さほど昔じゃなかったね、2009年。
※この記事は
2014年11月19日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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