そのガードナー記者、ニュース・クリップでは胸から上しか写らないから気づかない人も多いかもしれないが、車椅子利用者である。彼が下半身の自由を失ったのは、外傷が原因だ。それも取材中に、「テロリスト」に襲撃されたことが理由だ。
2005年6月の、ブログ「NewsでNonfixな日々」さんの記事より:
http://blog.livedoor.jp/soliton_xyz/archives/25640606.html
BBCのフランク・ガードナー(Frank Gardner)記者(43)は、学生時代にアラビア語を学び、カイロで1年間ホームスティをした後、投資銀行家として中東で働き、1995年にBBCに入局した。
そして、アラブの文化に理解と共感を持ったガードナー氏は、アルカイダに関する専門家と見なされるようになった。
昨年(※引用注: 2004年)6月、ガードナー氏は、情報局の許可を得て、サウジアラビアの首都リヤドの南部、アルスウェイディー(Al Suweidi)で取材を行っていた。
そこは半年前に銃撃戦があった場所で、カメラマンのサイモン・カンバーズ氏と、情報局が手配した2人の案内人が一緒だった。
取材をほぼ終えて片づけをしようとしたところに、車が近づいてきた。
車から笑顔を浮かべた若者2人が降りてきて、白いローブの内側に手を入れた。
「止めろ」と叫んで、ガードナー氏は走り出したが、銃声がして肩に痛みが走った。
さらに銃声が続いて、気が付くと地面に倒れていた。足も撃たれていた。
車2台を使った待ち伏せ攻撃だった。
ガードナー記者は脊髄の神経を切られた。カメラマンのサイモン・カンバーズさんは銃撃を受けてその場で死亡してしまった。36歳だった。
http://www.simoncumbersmediafund.ie/about-simon-cumbers/
10年前のこの事件で、銃撃犯に死刑判決が出されたというニュースがあった。そして、亡くなったカンバーズさんのお父さんは、その判決について、「私たちと同じ思いをすることになる親御さんがいるということです」と述べた。つまり、息子を自分たちより早くあの世に送らねばならない親が、また1組できてしまう、と。
BBC News - Simon Cumbers: BBC man's killer sentenced to death in Saudi Arabia http://t.co/sloCGo1qdj 2004年6月、リヤドでBBC取材班が銃撃された。カメラマンが死亡し…
— nofrills (@nofrills) November 18, 2014
…記者のフランク・ガードナーは下半身不随となる重傷を負った。その銃撃犯に死刑判決が言い渡された。殺されたカメラマン(アイルランド国籍)の父親は死刑判決を聞き「複雑な心境」だと述べ、死刑を言い渡された男の両親に同情すると、公開されたステートメントで語っている。
— nofrills (@nofrills) November 18, 2014
"won't bring Simon back but puts an end to the waiting", "sympathise w (his) parents, who must now suffer that tremendous loss that we feel"
— nofrills (@nofrills) November 18, 2014
Simon Cumbers was originally from Navan, County Meath, in the Republic of Ireland.
The 36-year-old cameraman was filming a report for the BBC about al-Qaeda near Riyadh in June 2004 when gunmen opened fire on the crew.
Cumbers, who had also previously worked for ITN and Channel 4, died at the scene of the shooting.
In a family statement issued to Irish broadcaster RTÉ on Monday, his father said: "I have mixed feelings about the sentencing.
"On the one hand, I am pleased that the murderer has had his fate decided and that the long wait is over.
"It won't bring Simon back, but it puts an end to the waiting."
"On the other hand, both Bronagh and I sympathise with Dubayti's [the sentenced man] parents, who must now suffer that tremendous loss that we feel."
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-30092029
18 November 2014 Last updated at 05:05
RTEの記事:
http://www.rte.ie/news/2014/1117/660278-simon-cumbers/
アイルランドでは、サイモン・カンバーズさんを記念するメディア基金が創設され、西洋のメディアがなかなか注目しようとしない地域にカメラとマイクを持っていき、伝えるべきものを伝えるということをしてきた故人(彼は元々は記者だった)の生前の活動を讃え、それを引き継いでいく若手の育成活動にあたり、毎年の優れたジャーナリズムを顕彰・表彰している。
http://www.simoncumbersmediafund.ie/
http://www.simoncumbersmediafund.ie/category/project-showcase/
今年9月、アイリッシュ・タイムズでリビアのことを伝えてきたマリー・フィッツジェラルド記者が、同じくアイリッシュ・タイムズの写真家、ブレンダ・フィッツシモンズさんと一緒にビルマを取材した連載記事が出たのだが、それがサイモン・カンバーズ・メディア基金の助成で行われたものだったそうだ(今知った)。
http://www.simoncumbersmediafund.ie/project-showcase/burma-a-new-dawn-by-mary-fitzgerald/
フランク・ガードナー記者は、2005年4月に職場復帰した。
http://www.bbc.com/2/hi/programmes/real_story/4455057.stm
2008年には下半身不随の人が使う「ボブスキー」という装備でイタリアで滑り:
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/other_sports/winter_sports/7238935.stm
2009年には、「手足を失った英軍人たちのスキー」というトピックでの報告もしている。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/7962172.stm
※この記事は
2014年11月19日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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