http://en.wikipedia.org/wiki/Teflon_character
語源薀蓄はどーでもいいのよ。とにかくブレアという人はテフロンで、不動産所得疑惑のときもつるんとはじいたし、イラク戦争では少なくとも2度、非常に大きな場でつるんとはじいた(あるいは、はじいたつもりになっていた)。ほかにもいろいろあったような気がするがよく覚えていない。イラク戦争のときのの一例。
それを「すごさ」とか「強み」と考えていたのが、労働党内のブレア派の誤算だったのだろう。その誤算の根底には、「強い男にはみなが憧れる/ついてくる」的なマッチョイズムがあったのだろうけれども。(別な言い方をすれば「強いリーダーシップ」ってやつだな。)
3日に投票が行なわれたスコットランド、ウェールズ、イングランドの各地方自治体議会(スコットランドとウェールズは自治議会も)の選挙の開票がかなり進んでいる。現時点では次の通りだ。
イングランドの各地方自治体の議会(スコットランド、ウェールズは後述)
※312議会のうち291が固まった段階。
CON 4829人(+837)<見ただけで笑っちゃうような数字が出た
LAB 1736人(−460)
LimDem 1965人(−247)
その他 1031人(−126)
これだけ見ても「労働党のボロ負け」だ。保守党の伸び具合は異常だし、LibDemもすごく減らしているがそれでも議席数はLabより多い。(途中経過だが。)むろん、議会は過半数を制するかどうかが分かれ目だから、単純に議席数だけではよくわかんないところがあるのだけれども、トーリーの「+837」に対しレイバーの「−460」はすごすぎる。
それでもブレアは「次の総選挙に向けて弾みがついた」とわけのわからんことを口走っている。
Blair defiant despite poll losses
Last Updated: Friday, 4 May 2007, 16:14 GMT 17:14 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/6620905.stm
※同じURLで記事が上書きされる可能性もなくはないので、魚拓っておきました。
Tony Blair has insisted Labour has a "good springboard" to win the next general election, despite suffering big losses in Scotland, England and Wales.
...
Mr Blair, who is due to announce a date for standing down next week, told the BBC: "People thought it was going to be a rout and it's not turned out like that.
"You always take a hit mid-term, but these results provide a perfectly good springboard to win in the general election."
いや、十分にroutになってますけど、イングランドの数字を見る限りは。「思ってたほどひどくなかった」というなら、どんだけひどい結果になると思ってたんざましょ。
でもまあ、いやぁ、そう言っておかないと労働党全体、特に次の党首ほぼ確定のゴードン・ブラウンの顔つぶしちゃうことになるし、てことだよね。あと少しでお役ごめんのブレアとしては、今できることは顔をつぶさないことだけだし、ならば調合金のような強気のテフロンで行くしかない。
しかしここまで来ると「ギャグ」を超えて、どんな駄作でも「傑作だ」とか「感動できる」とかいった賛辞を並べ立てている宣伝屋みたいだ。
自治議会のほうは下記の通り。
スコットランド自治議会
※129議席のうち122が決まった段階の数字
SNP 45 (+20) =スコットランド民族党
LAB 43 (-5)
LD 16 (-1)
CON 15 (-1)
Oth 3 (-13) =Greensが2議席
ウェールズ自治議会
※全60議席確定
LAB 26 (-3)
PC 15 (+3) =ウェールズ民族党
CON 12 (0)
LD 6 (0)
Oth 1 (0)
で、スコットランドは「アメリカの大統領選挙ですか」と言いたくなるような「投票用紙のトラブル」が発生して10万票ほど(前代未聞の規模)が無効となり、開票作業が中断という騒動が起きている。また期日前投票(郵便投票)でもトラブルが発生している。いずれも、「自治議会と地方自治体議会の2つの選挙を同時に行ない、自治議会は投票したい候補1人に印をつけ、自治体の議会は議員になってもらいたい順番に番号をふるという2種類の方法がとられたこと」が混乱の原因のひとつのようだ。あと読み取り機を初めて導入したことで混乱があったという事例もあるそうだ。
BBCの解説を見ると、確かにちょっとややこしい。日本で2つの選挙を同時にやるときは、投票用紙は別々に受け取って、それぞれの記入スペースも別々のところにあって、それぞれ目の前にインストラクションが貼ってあると思うのだけど、そういうふうになってなかったのかなあ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/629/629/6511445.stm
Review under way on voting chaos
Last Updated: Friday, 4 May 2007, 15:54 GMT 16:54 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/6623287.stm
The Electoral Commission said it had begun "with immediate effect" an investigation into the Holyrood election voting chaos.
The polls have been hit by major problems with seven counts suspended and up to 100,000 ballot papers spoilt.
Technical failures, confusion about how to fill in ballot papers and problems with postal votes have all been blamed.
タグ:ブレア
※この記事は
2007年05月05日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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http://nofrills.seesaa.net/article/42088061.html
一方でスコットランド自治議会ではSNPが、少数ではあるが「与党」となり、SNPのカリスマ、Alex Salmondが自治政府のファーストミニスターに就任した。
しかしスコットランド人のゴードン・ブラウンからは電話の1本もないそうだ。スコッツマン記事:
'Hello Alex, congratulations' ... the call that never came
GERRI PEEV
http://news.scotsman.com/politics.cfm?id=770802007
労働党は党内の左派つぶしが今回の党首選で完了したことを確認したわけだが、次はおそらくスコットランドで「地方選挙はSNP、国政選挙はLabour」とかいう層を完全に自陣に引き入れようとするんじゃなかろうか。LibDemもなんかへろへろだし、スコットランドでは保守党はまるでダメだし、ライバルはSNP、という感じで。と、ただそう思うだけ(特に根拠なし)。