補欠選挙が行なわれたのは、Clackton(イングランド東部、エセックス州の海に面した町)とHaywood and Middleton(グレイター・マンチェスター)という2つの選挙区。それぞれ、下記エントリ(ウィキペディア)を参照。
http://en.wikipedia.org/wiki/Clacton_by-election,_2014
http://en.wikipedia.org/wiki/Heywood_and_Middleton_by-election,_2014
このうち、クラクトンは、「保守党所属の国会議員が保守党を離党しUKIPに移ることになったので、改めて民意を問う」ための補選、ヘイウッドは前任の国会議員(労働党)の死去にともなう補選で、前者は保守党の、後者は労働党の地盤だ(特に、後者は首相をつとめたジェイムズ・キャラハンの選挙区である)。
クラクトンでその「元保守党」の議員がダブルスコア以上(ほかの政党の候補者への投票数の合計)以上で再選されたことにより、UKIPは初めて、選挙で選ばれた国会議員を獲得することになった。そのニュースは下記に「まとめ」てあるが、現実には「現職の再選」という内容なのに「UKIPが初の議員」というトーンの報道ばかりで、うげっとなる。問題は、「有権者の多くは、国政選挙でUKIPでも投票をためらわない」ということがわかったこと、広く示されたことだ(MEP選挙のときは、「まあ、国政関係ないからな」という見方が、あそこまでやられてもまだ、あった)。しかも「保守党を出てった人物」ということは、有権者の間でのマイナス評価としては現れなかった。
UKIP初、「選挙で選ばれた国会議員」が誕生
http://matome.naver.jp/odai/2141290965606243501
ヘイウッドのほうは、労働党の新人候補が議席を獲得したが、2位のUKIPの候補との獲得票数差はわずか600票ほどにすぎない。投票率が36パーセントと極めて低調なこともあるが、そもそも「投票しよう」という気になるかどうか(8ヶ月で総選挙だ)という問題を差し引いても、これはどうなのか、という結果である。
そういった点、例によってガーディアンのライヴ・ブログが生々しく、一次資料たっぷりで、分厚くまとめている。英国政治に興味がおありの方はぜひ。
http://www.theguardian.com/politics/blog/live/2014/oct/09/clacton-and-heywood-byelection-results-tories-expect-defeat-in-clacton-politics-live-blog
I Never Promised You a Rose Garden: A Short Guide to Modern Politics, the Coalition and the General Election John Crace Corgi 2015-04-09 by G-Tools |
※この記事は
2014年10月11日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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