「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2014年10月08日

「ジハディストの友人である日本の "ジャーナリスト"」と仏メディアに紹介された人について、散らばってる情報を一箇所にまとめておく。

この8月に当方を「シンプル脳」、「クズ」、(当方をフォローしたままで)「消えろ」と罵倒し、「次にやったら容赦しない」と脅した人物(下記参照)が、このたび、いわゆる「ガサ入れ」の対象となったそうだ。(私はそれを@TrinityNYCさんのツイートで知り、それから「取材妨害」云々と言っている人々のツイートを眺めてから、自分でツイートした。)





ガサが入ったのは、下記のニュースの関連だ。(これに適用された法律が、死文化していた「私戦なんちゃら」だったというのは、ちょっと別の問題。どさくさ紛れに何を……という印象だが。)

日本人 「イスラム国」に参加計画か
10月6日 21時15分

イスラム過激派組織、「イスラム国」に参加するためにシリアに渡航しようとしたとして、警視庁は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で準備や陰謀をすることを禁じた、刑法の「私戦予備及び陰謀」の疑いで、大学生など複数の日本人から事情を聴くとともに関係先を捜索しました。

日本人がイスラム国に参加しようとした動きが明らかになるのは、初めてです。

事情聴取を受けているのは、北海道大学に通い現在休学中の26歳の男など複数の日本人で、警視庁は6日、杉並区などにある男らの関係先を捜索しました。……

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141006/k10015173181000.html


「イスラム国」渡航 古書店貼り紙で決める
10月7日 12時08分

イスラム過激派組織、「イスラム国」に加わるためにシリアへの渡航を計画したとして、日本人の大学生の関係先が捜索を受けた事件で、大学生は都内の古書店でシリアでの勤務を募集する貼り紙を見て渡航を決めたことが警視庁の調べで分かりました。

張り紙をした古書店の関係者は、応募してきた複数の若者をイスラム法学が専門の大学教授などに紹介していて、警視庁はこの教授の自宅を関連先として捜索し、いきさつを調べています。

この事件は、北海道大学の26歳の学生がイスラム過激派組織「イスラム国」に戦闘員として加わるためにシリアへの渡航を計画したとして、警視庁が外国に対し私的に戦闘行為をする目的で準備や陰謀をすることを禁じた、刑法の「私戦予備及び陰謀」の疑いで、都内の滞在先を捜索したものです。

……
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141007/k10015189101000.html


以下、当該人物は「T氏」と表記する(さらしたいわけではないので名前は出さない。ただし引用などに含まれる場合は、めんどくさいのでいちいち置き換えない)。

「T氏」はフリーランス・ジャーナリストである。この8月までは当方とはTwitterで「相互フォロー」の関係にあった。氏の仕事について、私は相応の敬意を持っていたし、ジャーナリストとしての氏をレスペクトもしていた(でなければいちいちフォローしていない)。特にアフガニスタンからの報告はT氏ならではのものがあり、Ustされる氏の報告会の様子をライヴ・ツイートしたり、氏の説明を「まとめ」るなどしたことも一度ではない。(その辺のものは「鍵」をかけてない公開スペースにあるので、見つけたい人は検索なり何なりしていただきたい。)

その敬意が全部突き崩されたのが、この8月だ。

もとより面識があるわけでもないし、「思い入れ」的なもの(例えば私はガーディアンという新聞にはそれを抱いているし、ジェナン・ムーサさんやメアリ・フィッツジェラルドさんのように「Twitterでフォローしているだけ」のジャーナリストの何人かにもそれを抱いている)があったわけでもないので、当方をフォローしたままで「消えろ」と罵るというバカっぷりに呆れたものの(Twitterでは何よりまず、「お前がフォロー外せよ」なんだけど)、「クズ」と呼ばれたことにはショックは受けなかったが(見てた人にはショックだったみたい)、ジャーナリストであるはずのT氏の「事実」に対する態度のあり方にはショックを受けたし、先方が自分のTLだけで自分がかっこよく見えるように事実を再構成してしれっとしているさまには「怒り」を覚えた(「何こいつ、事実を伝えるジャーナリストじゃないの?!」的な)。何より、単に「幻滅」した

そういうことがあったあとだから最近の当方の発言だけでは伝わらなかろうが、元々は当方、上に述べたとおり、T氏への敬意は抱いていたし、その仕事は可能な範囲でフォローしていたし、アスキー新書も読んでいた。Twitterでの公開のやり取り(@でのメンション)も、非公開のやり取り(DM)も、それなりにあった。

そんなこんなで当方もT氏とは「接点があった」わけで、T氏のところに「外国の武装勢力の活動に関連してガサ入れ、いろいろ押収」とかいう事態になると、警察当局からTwitterに開示請求が出されて、私のDMのやり取りなんかもチェックされてるんではないかと思う。別に、他人に読まれて困るような個人的なやり取りはしていないが……「あの件について、○○さんがこんなこと書いてますよ」的な内容や、「そういえばあの件、こんな記事出てますね」という公開情報の整理や伝聞がほとんどだ……ウィキリークスだとかスノーデン君暴露だとかをフォローしてきた自分としては、もにょる展開ではある。

中身のあるDMのやり取りというのはあまりなかったと思うのだが、そういえば一度、T氏から私に対して「なぜ△△さんの言い分を拡散しているのですか」的な問いただしがあった(その結果は公開されているふつうのツイートになっている)。今ではある程度一般名詞化している「Daesh(ダイーシュ、ダイシュ)」という呼称がT氏のトサカに触ったらしかった(そのことはT氏自身がツイートしていたと思う)。「△△さん」はフリージャーナリストとして、地中海に近いほうのシリア・トルコ国境に行き、アレッポやイドリブの戦闘から逃れてきた人たちに話を聞いて、その内容をツイッターで連続投稿していた。それを私は単にRTしていたのだが、その中で「△△さん」が「シリア人たちは『ダイシュは……』と語った」と、「ダイシュ」という名称を使っていたのがいかんかったらしい。そのとき私は「ダイシュ」という表現についてほとんど何も知らなかったが、T氏のDMの文面がえらい剣幕だったので、正直、びっくりした。「中立の立場でものを伝えるジャーナリスト」の態度としてはどうなの、というくらいの剣幕だった。が、私はT氏があの勢力についてどういう接し方をし、どういうシンパシーを抱いているかについて、部外者なりに少しは把握してたので、T氏の主張(T氏は元から「△△さん」のある一面について批判的である)も理解はできた(理解はできても、共感はしない)。ただ、T氏がいかに怒り狂おうとも、「△△さん」が対面して話を聞いたシリア人がISISのことを「ダイシュ」と呼んでいたという事実は変えようがない。そもそもT氏が怒っているのが、「△△さん」の文章が「ISISとは別にダイシュという集団がいる」かのように読めた(曖昧だった)からなのか、「ISISをダイシュと呼んでいる」からなのかは私にはよくわからなかったが、ともかく怒りをなだめなければならなかった。T氏によって公然と、「△△さんのツイートを拡散しているバカ」呼ばわりされるのはごめんだった(私はT氏とE川氏の決裂の経緯についてチラ見してはいたので、何が降りかかってくるか、身構えていた)。

最終的には、(少なくとも当時は)「ダイシュ」はISISから見れば「蔑称」だということがわかったので(今も「蔑称」ではあるだろうが、一般の文脈でも組織名として使われる例は出てきた)、「△△さん」も、先入観を持って伝えているように思われる可能性があるからその用語法はやめますということで決着した。このときに私の書いたことはTwitterに残っているが、今、改めて検証目線で読むと、明らかに「T氏擁護、△△さん批判」の立場だ。というか、T氏の言い分を私がサイフォンのように取り入れて、私の言葉で語っている。(ちなみに「ダイシュ」という表現はその2ヶ月か3ヵ月後くらいに、英語以外の言語からの翻訳情報で頻繁に目にするようになった。ウェブ検索すれば、アラビア語、トルコ語などからのニュース翻訳や、イラクの支援活動家の報告などで使われているのが確認できると思う。)

こういうことをやってくれる人って、便利な存在ですよねー。Useful idiotというか。んで、「△△さんがダイシュと言った」件の後、私は自分がそういう便利な存在としてT氏らに利用されつつあるという感覚を強めていたんだけど、それも「自由な言論、自由な報道」のうちだと思っていた(自分のことを過大評価していたかもしれないが)。T氏のことは私はあくまでも「ジャーナリスト」(情報の伝達をする人)と位置づけていた。

だが、その位置づけが不可能になったと判断したら、態度は変わらざるをえない。そして実際にそうなった。

簡単にいえば、T氏のことを「ジャーナリスト」として扱うには、私は相当な無理をしなければならなくなってきたのだ。

いみじくも、8月の「クズ」呼ばわりを受けて私がTwitterの使い方を変更すると述べたエントリについて、はてなのid:Mukkeさんがおっしゃっている通り(Mukkeさんのことは私ははてブとはてなダイアリーでしか存じ上げないが、長年にわたり、「この人がいるからネットは楽しい」と思わせていただけているネットワーカーのひとりである。はてなダイアリーを通じて、特にバルカンについては非常に多くを教えていただき感謝している)、「T氏はあちらの組織の広報だと認識する」のがおそらく《正しい》。ただしそれは、前提としてはならないことだ。なぜなら、「ジャーナリスト」としての誰かの発言は、「関係団体のプレスリリース」としてではなく、「ジャーナリスト」のそれとして読まれ、批判されねばならないからだ。

個人的には、T氏のやっていることは実は「広報」なのではないかということはかなり前から認識していた。けれど、公開の場でT氏と言葉を交わすとき、あるいは氏の仕事について何かを書くときは、氏を「ジャーナリスト」として扱ってきた。なぜなら、氏自身が公に「フリー・ジャーナリスト」として活動しているからだ。氏の公的な言動は(Twitterでの発言も「公的」なものだ)、「T氏個人」ではなく「ジャーナリスト」のそれとして扱われねばならない。第一、当方は「T氏個人(やその考え、信仰など)」には関心はない。

(T氏自身、ある支援ワーカーさんについて「その人には興味はない。その人が報告会で述べる内容には興味がある」というようなかっこいいことをツイッターで書いていて、私はそのスタンスには共感を覚えたものだが、今思えば、単に「ええかっこしい」だったのだろうか。あるいはその支援ワーカーさんのことが嫌いだったのだろうか。)

さて、実はこのエントリは、さっき「かなり前から認識していた」と書いた件について説明するために書いている。

これから書こうとしていることは既に公開情報だし、Twilogを見ればわかる話だが、断片が情報の海にぷかぷか漂っていたって誰の元にも届きゃしないので、整理しておかにゃならんということだ。

何の話って、この件。



これ↑の1番目のリンク先については後述。2番目のリンク先は、ワンクッションはさんでこれ↓。



これは何なのか。強調しておくが、これは誰でも確認できる公開情報だ。ここではその整理をする。

まず、このキャプチャを見ていただきたい。説明はキャプチャ画像のあとにつける。Twitterの画面で確認したい方はこのリンクからどうぞ。2013年10月11〜12日のやり取りである。


※画像クリックで原寸。

Iona Craigさんはイエメンの英語新聞のジャーナリスト(英国人)、Charles Listerさんはカウンター・テロリズムの分野の研究者(ブルッキングス・ドーハ所属)だ。私は2人とも普段からフォローしている。このやり取りの発端はListerさんのツイートだったが、それは結果的に、「誤情報」だったので削除されている。「日本人のウォー・ツーリストがISISに入った」という話を聞いた、という伝聞情報に下記の写真が添えられたツイートだった。(「ウォー・ツーリズム」については、イマイチなエントリだがウィキペディアにある。今年のウクライナで「最前線見学ツアー」みたいなのがあったりする。)


※以下、なんとか権関連でごたごたになることを過剰に警戒して、写真は一部を加工してある。

Listerさんのツイートにあった「日本人のウォー・ツーリスト」は、2013年、AFPなど英語メディアで取り上げられ、英語圏で「時の人」となっていた日本人男性、トラック運転手のFさん。「ジャーナリストではない、ただの観光客(旅行者)」として現地入りした彼が、Facebookにアップした「シリアの今」をとらえた写真が注目され、T氏の報告会で紹介されるなどもしていた。だが、ListerさんのFさんのことを言っていると思しきツイートに添えられていた写真は、FさんではなくT氏のものだった。

そのため、「その日本人は、ウォー・ツーリストのFさんではなく、ジャーナリストのT氏だ」と単に事実誤認を指摘しようとしたのだが、当然のごとく、それで済むはずもなかった。「こんな写真を撮るなんて、バカなんじゃないのか」、「何のつもりだ」という反応がCraigさんとListerさんから返ってきた。そのときのやり取りが上記キャプチャだ。私の頭が悪く要領が悪いので140字に入りきっていないが、T氏が過去にアフガニスタンで身柄拘束されるという経験をしていること、Listerさんのツイートしている写真(人づてに回ってきたという話だった)は、オリジナルはT氏自身のアカウントでツイートされたもので、そこには写真に一緒に写っている武装勢力の人が頭痛がすると言ったので、マッサージをしてあげたら楽になったようで、今は寝ていると書かれている、ということを説明した。

Listerさんは研究者としてISISの「ソース」から情報を得ていて、その「ソース」から「これはISISに入った日本人だ」と聞かされていたようだったが、ご自身でも確認したうえで、何らかの情報の混乱だったのだろうということには異議はなく、Listerさんは即座に誤情報を含むツイートを削除して「これはT氏である」ことを明示した上で再投稿し、別のISIS戦闘員(コマンダー)との写真をアップした



これを受けて、次のように「訂正された情報」がTwitter上で流されることになった。(英語圏では、T氏の名前はこのようにして広まっていたという事実すら、日本語圏では認識もされていないようだが、ジャーナリズムとか言論とかがそこまでガラパゴスであることに、私は心底から憂慮を覚える。それも「若者」の問題じゃない。40代、50代が「英語で書かれているものは読めないので読まない」のだ。)



が、「ウォー・ツーリスト」の「うわさ」はしばらく続いた。Listerさんのツイートの数日後、米国のカウンター・テロリズムの研究者が「日本では戦争観光がブームで……」(Fさんのこと)的な前提でツイートをしていたのを見たので、そういう事実はないと連絡したりもした。NYTのC. J. Chiversさんも誰かがFさんとT氏を混同しているのを指摘している。

このとき、T氏は日本国外のどこかにいたのだったと記憶しているが、T氏の写真とともに「日本人がISISに入った」という情報が流れたことは耳に入れておく必要があると私が判断し、DMでそれを連絡した。しばらく時間を置いてT氏からDMの返信があったが、ものすごい剣幕で怒っており、勘違いした人のことを「バカ」という内容の言葉でボロクソに罵っていた。ツイートでも、英語で先方にメンションしたあと、日本語で同様の怒りを表明していた。

個人的にはそこまで怒らなくても、とは思ったが、顔が全然違うFさんとT氏を混同するなどということが実際にあったのだから、紛争地を取材している人には深刻な問題にもなりかねない(T氏は過去何度か、深刻な目にあっている)。実際、ロンドンで2005年7月にブラジル人電気技師がアラブ人のテロ容疑者と誤認され射殺されたのも、「顔の区別すらつけられなかった」警察が存在したからで、T氏が激怒するのはわからんでもないなあ、と私は納得した。そう、「正常化バイアス」である。(なお、T氏にはこのロンドンでの誤認射殺事件のことは、当方が丁寧に説明する必要があった。当方は「イギリスおたく」だから、「日本では、ジャーナリストでもあの事件については案外知らないんだなあ」と思ったが、T氏がたまたま知らなかっただけかもしれない。)

次に大きな疑問を抱いたのは、今年6月のことだ。サッカーのワールドカップが始まってて、Twitterの画面内も「国際交流」ムードが高まっていたタイミングだ。T氏のアカウントから、何やら英語のツイートがRTされてきた。文面は覚えていないが(T氏のログを見れば確認できるだろう。あたしはそこまでやりたくない)、ISISのプロパガンダ・アカウントのひとつだったと記憶している。そのツイートについていた写真を見て、絶句してしまった。例の「ISISが使ってる黒い旗」の前で、T氏が「でっかい銃」を持っている。構えてはいないが、持っている。

「黒い旗の前での写真」までは、CraigさんやListerさんは「バカ」と言っていたが、私は(正常化バイアスのせいで)「ダメだけど、まだなんとか許容範囲内」と思っていた。しかし、武装は、何ら正当化の余地などないことだ。(ジェリー・アダムズが、どんなに白々しくても「私はIRAにいたことはない」と主張できるのは、武装している記録が出てこないからですよ。黒ベレーの写真がある以上は「ええっと」としか反応できないんだけど。)

以下、このときの私の反応。
http://twilog.org/nofrills/date-140621/asc
うーん・・・
posted at 00:40:25

「テロ組織」(その定義は国によって違うとかいうのは措いておいて)と見なされる武装組織をジャーナリストとして取材する人は、その組織の人や、その組織のシンボルと一緒に写真に収まっちゃいかんのじゃないか、と思うんすよ。「報道官(スポークスーパーソン)」になるつもりでなければ。
posted at 00:42:28

ましてや、銃を持ってるのは、何ら弁護の余地のない写真で・・・
posted at 00:43:03

例えば、北アイルランド紛争で長く、緑・オレンジ両サイドの(←重要)武装組織を取材してきたベテランの(60代)ジャーナリストがいるんですが、その人が武装組織重鎮と一緒に写真におさまったのは、それ自体が一種の「ニュース」ヴァリューのあることだったんです。「おお、この写真は!」みたいな
posted at 00:45:57

それまでにも「取材の光景」として、武装組織の人(バラクラバ着用)と差し向かいで座っているそのジャーナリストの写真はあったけれども、そのジャーナリストがその組織と何らかの関係があるのではないかと思われるような写真は、なかった(はず。むろん、私が見ていないだけかもしれない)。
posted at 00:49:45

ニュースになった写真が撮影されたときには、武装組織はもう武装活動停止していた。これ→ Picture from Northern Ireland you thought you’d never see (2010年8月) www.belfasttelegraph.co.uk/opinion/column…
posted at 00:51:52

承前。写真の一番左は教会(プロテスタント)の人で「和平」実現の立役者のひとり。一番右がジャーナリストで、その左隣は元警察の人。あとはロイヤリスト武装組織UDAとUVFの重鎮と、リパブリカンの大物。写真撮影場所はベルファストのシン・フェイン本部横。詳細は記事参照。
posted at 00:58:39

ただ、「一緒に写ってる写真」が信頼関係を築くのに必要だったり、いわば「通行手形」的な役割をするようなこともあるだろうとは思うんです。しかし、組織のシンボルの前で武器を持つというのは、ちょっとさすがに・・・。
posted at 01:02:19


……とまあ、こんなことがあったんですよ。

ところで、ListerさんがT氏とFさんを取り違えたツイートをした2013年10月半ばから半月後の同月末、T氏が「フランス24から国際電話インタヴューを受けました。でも、仏語分からない!」として、France24のURLをツイートしているのを、私はRTしている。が、その記事、どうも見た覚えがないので、おそらく「あとで読む」つもりで単にRTして、そのまま放置していたのだろう。今さっき見て「……」となっている。

ここで使われているこの写真、微妙にトリミングしてあるが、例の「ISISが使っている黒旗」の前に立っているT氏は、銃を持っている。この6月にT氏のアカウントからRTで流れてきたものだ。



記事にはほかにシリア人コマンダーとのツーショットがあり、ISISのプロパガンダ・アカウントが「世界各国からぞくぞくと参加者が集まっています」という宣伝のためにばら撒いていたこのような写真もある。



これは、「ISISのファンボーイ」と呼ばれた研究者のアカウントがRTしていたのを見た記憶はある。しかし、「日本人」として写真が使われているT氏の持っている銃が視認できる大きさでは画像を見ていなかった。単に旗の前に立ってるのだろうと思っていた。

単なる取材者なら、組織に「あの写真をこういうふうに使ってもらっては困る」と本人から申し入れていただろう。つまり、組織のプロパガンダ・アカウントにこういうことをやらせておいて、「私は単なる取材者です」という主張は、ちょっと通らないんではないか。まあ、いったん公開された写真が繰り返し流されることは、誰にも止められないので、今その写真が流れているからといって、今そういう申し入れがなされていないということにはならない。

当該のFrance24の記事は、見出しはShamil Tsuneoka, le "journaliste" japonais ami des djihadistes, つまり「ジハディストたちの友人である日本の『ジャーナリスト』」と、「ジャーナリスト」に引用符がつけられている(それについてT氏自身は文句を言っているふうでもない。仮にフランス語できなくたって、この見出しくらいは読めるでしょ。英語とほとんど同じだから)。記事はほとんどがインタビューだが、最後の部分にISIS側のコメントとして次のようにある。
http://observers.france24.com/fr/content/20131030-journaliste-japonais-djihadistes-syrie-photos
Mohamed (pseudonyme), chef d’unité djihadiste de la région de Lattaquié contacté par FRANCE 24, confirme que Shamil Tsuneoka a été adopté par les combattants de l’État islamique en Irak et au Levant.

"Son cas est unique dans son genre. Ce Japonais se balade comme il veut partout où l’État islamique en Irak et au Levant est présent. Certes, il est toujours accompagné, mais il est complètement libre de ses mouvements et les frères lui font entièrement confiance.

Je pense que cela est dû au fait qu’il se soit déclaré d’emblée comme musulman. Mais aussi grâce à sa couverture objective de l’action de l’EIIL. Cet homme a prouvé qu’il n’avait pas de parti pris dans son travail.

Le fait qu’il soit japonais, donc venu de loin et d’un pays qui n’est pas impliqué dans les guerres de la région, contribue à le faire accepter."


WTF is this? o_O

※フランス語を読めない人はGoogle翻訳でフランス語→英語にして読んでください。三人称単数の代名詞がitになると思いますが、意味は通ります。

もう何も言いたくなくなってきた。これは、「ジャーナリスト」として扱っちゃダメでしょ、というレベル。

こんなのが2013年10月末に出ていた。

私もRTだけして読んでなかったので、その点は申し訳ないのだが、これで、「ジャーナリスト」として通るのかというのは、在日フランス人ポール・ボネでなくても『不思議の国ニッポン』と思うだろう。

いろいろと、頭が痛い。



以上、公開情報についての整理と説明である。




なお、当方はTwitterのリプライは、相互フォローの関係にある人のものしか見ていない。何かおっしゃりたいことがおありの方は、当ブログの「コメント専用ページ」をご利用いただきたい。
http://nofrills.seesaa.net/article/101617619.html

※この記事は

2014年10月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 11:29 | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼