「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2014年06月08日

世界がまんまとだまされたので私はもう何も信じない (;_;)

8日、土曜日の夜、Paddy PowerというワードがTwitterでtrending topicsに入っていて(UKで設定)、こういうのが流れてきて、人々が「これはひどい」と口々に言い合っていた。Gizmodoにも記事があり、もちろんBuzzFeedにも記事があり、つまり現在の「ネットで話題」のお約束どおりに話題になっている(ろくに取材などしなくてもありものだけで書ける記事を量産するオンライン・メディアが食いついている)。あまりに「話題になっている」し、そこで取り上げられている写真があとから加工されたものではないかと疑うのは当たり前のことだが、BuzzFeedはハリケーン・サンディのときに偽画像にかつがれてから注意を払っているはずだし、自分でも簡易ツールで見てみたが不自然とは思えない(それ以前に、画質が低いのでよくわからなくなっているのだが)。

というわけで、これ。




しかしその翌日、日曜日の晩に……くっそ、賭け屋め。




ちなみに、"a brazilian" というのは俗語で、「ムダ毛の処理」のことである。

賭け屋め、いかした言葉遊び(shave → save)をしながら、ハッシュタグまで作っていやがるのでございますのことよ。
https://twitter.com/hashtag/SaveTheRainforest?src=hash

Greenpeace told us that in the Amazon an area the size of 122 football pitches is chopped down every 90 minutes, which is shocking. Paddy Power’s #Shavetherainforest stunt helps to haul this issue into the public light, with our own little mischievous twist.
http://blog.paddypower.com/2014/06/08/the-truth-about-paddy-powers-stunt-in-the-amazon-rainforest/

……というのが賭け屋の説明。つまり、「アマゾンでは、サッカーの試合を1つしている間に、サッカーグラウンド122枚分に相当するエリアの木が伐採されている」ということについての啓発活動である、と。(趣旨はわかるが、そういうことより「見事なフェイク」に「かつがれた」ことが印象に残るだけで、木々の伐採については漠然と、「何かそういうひどい問題があるらしいね」の認識は超えないよね、こういうスタントでは。それでいいのかもしれないけれども)

画像は「撮影された写真を加工した」のではなく、「最初っから全部嘘の画像」だったと。つまり専門のスタジオに発注した3Dモデルのイメージ。しかも途中で、Twitterのアカウントで「やばい発言」をしてはそれをすぐに削除してみせる、ということまでしている。
http://blog.paddypower.com/2014/06/08/the-truth-about-paddy-powers-stunt-in-the-amazon-rainforest/

その間、ずっとニヤニヤしてたんだろうな、このアイリッシュ賭け屋め。くっそ(笑)

あんなあからさまにひどいケースでは、最初に写真が3点出たあとで英メディアが殺到して我先にと別ショットをとりにいくだろうと思っていたが、どこからも写真来なかったし、環境団体やウォッチドッグ的なところが「問題だ」と声を上げるでもなく、何かおかしいなあと思ってはいた。

でも初見で「これはひどい」と思ったことは事実だし、フォトショではないことを簡易ツールで確認して、「これはひどい」っつってツイートしたことも事実だし、「ドッキリでした」と出てこられてから「最初っからおかしいなあと思っていたんですよぉ」とドヤ顔するつもりはない。まんまとかつがれました。くっそ、賭け屋め。

ちなみに、初見で「これはひどい」って言ったときに言及した「パンツのゴム」の件は2年前、EURO 2012のときのこと:
"UEFA、ベントナーを調査対象に"

一連の経緯はBuzzFeedに非常に詳しく、読みやすくまとまっている。Redditのユーザーさんたちも「加工写真ではない」と判定していたのか。
http://www.buzzfeed.com/alanwhite/did-paddy-power-cut-down-part-of-the-brazilian-rainforest-fo

うむ。

ちなみにパディパワーがいかに悪趣味かはこちらにまとまっている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Paddy_Power#Criticism

(おふとんを頭からかぶってしくしくと泣きながら)


タグ:ネタ

※この記事は

2014年06月08日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼