Mr Adams told an election rally in Belfast tonight: "The sham that I was put through in terms of the total failure of the PSNI (Police Service of Northern Ireland) to present any evidential link between me and that awful event is not the way to go forward.
"It sends entirely the wrong signal to all of those people out there who vote for the future, who in 2014 thought we had got away from that kind of practice.
"While we support the PSNI we will not be diverted from our paths and jobs of building the peace."
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/uk/gerry-adams-warned-of-death-threat-30244209.html
アダムズはまた、「ピース・プロセス」を進める上でリパブリカン内部の「和平反対派」から脅迫を受けていることなども語っているが、一方、DUPのピーター・ロビンソンは「この事件の真の被害者」であるジーン・マコンヴィルさんの10人の子供たちのひとりで、最も活発にメディアで発言しているマイケル・マコンヴィルさん(お母さんが失踪したとき10歳だった)に面会すると述べている。(ピーターに政治的な下心がないとは考えられないけれど、それだけではないよね。でも「偽の希望」を与えるようなことはしないでほしいし、それ以上にrule of law的に無茶を通さないでほしい。)
リパブリカン内部の「和平反対派」とは、つまりIRAの守旧派とも呼ぶべき人々。彼らは武装闘争至上主義(「ブリティッシュ」をアイルランドから追い出すことができるのは武力によってのみである、という考え)であり、「政治家」に信を置いていない。また、1919年の議会のみを正当な議会とし、現在のシン・フェインが普通に参加しているアイルランド共和国議会、北アイルランド自治議会は認められない(ので参加してはならない)という主義主張がベースで、北アイルランド自治議会の議員となっているばかりか、パワーシェアリング(権限分担)の形で成立している北アイルランド自治政府の一部となっている現在のシン・フェインは、「ブリティッシュを受け入れた者たちであり、したがって運動に対する裏切り者である」みたいな(←便宜上、雑な言い方をしているのでご注意ください)考えを抱いている。ただしそれも「白か黒か」の二分法の世界ではなく程度の差がある。
そして、アダムズ&マクギネスらのシン・フェイン指導部が「和平反対派」と印象づけたがっているらしい人々の中に、今回の逮捕劇のそもそもの発端を作った「ボストン・カレッジの歴史研究プロジェクト」の「中の人」であるアンソニー・マッキンタイアや、マッキンタイアのインタビューで「ジェリー・アダムズに関する驚愕の告白」を行なったブレンダン・ヒューズ(故人)、ドロース・プライス(故人)らがいる。この人たちは元IRAメンバーでそれぞれIRAの活動で有罪になり、服役を経験し、獄中闘争を行なってきた人たちだ。北アイルランド警察は法廷闘争の末、ボストン・カレッジから「テープを10本」入手していて(11本という説もある)、それらに基づいてアダムズの尋問を行なったというが、ボストン・カレッジのプロジェクトでは聞き取りの対象者(「語る立場」にある人)が死ぬまでは、ここで語った内容は明かされないことになっているし、ここで語ったという事実自体も明かされない。よって、警察はアダムズの尋問で「匿名のAさんはこう言っている」、「匿名のBさんの証言によると」といった形でしか迫れず、したがってこの尋問には意味らしい意味はない。
ともあれ、マッキンタイアやヒューズ、プライスは武装闘争からは離れて(この点、武装闘争に「戻った」元Provisional IRAメンバーたち、すなわち「Real IRA/自称IRA」や「Continuity IRA」など「ディシデント・リパブリカンの組織」と呼ばれる集団に入った人たちとは異なる)、なおかつアダムズ&マクギネス体制と、その主導する「和平プロセス」を批判している。シン・フェインの党の側からは、どうやら、ボストン・カレッジのプロジェクト全体が、こういった「アダムズ&マクギネスを批判する元IRAメンバーたち」によるプロジェクトだと思われているらしい(ダニー・モリスンの発言などを参照)。
まあ、事実そうなのであろう。「勝者」(この場合、アダムズ&マクギネス)によって書かれる歴史をメインストリームとした場合、マッキンタイアらの書こうとしていた歴史はオルタナティヴだ。そしてそのオルタナティヴの方が、おそらく、真実に近い。アダムズ&マクギネスの仕事は「真実を語ること」ではななく、「政治を進めること」だから。その上で語れない真実は語られぬままになる。「北アイルランド」という入り組んだ蜘蛛の巣では、誰かが語った真実の糸がどこにどうつながっているか、わからない。ひとつの発言の影響がどこにどのような形で現れるか、ならば、語ることはできない。
Whatever you say, say nothing.
http://www.blueridgejournal.com/poems/sh-what.htm
……と、ここまで書いたところでこんなのが流れてきちゃったので、げふんげふん。
おいしいいただきかた。
1. ツイートされている文書のヘッダーを眺め、件名で内容を把握し、日付を頭に叩き込むようにします。
2. これをツイートしているのが誰であるかを確認します。
3. 最後に、これをリツイートしているのががが pic.twitter.com/3aaaHiZ9Qo
— nofrills (@nofrills) May 5, 2014
これはまた、稿を改めないと無理だ。こんなふうに、本当に次から次へと展開があるので、息がつけないし、調べ物をしたらそれをアウトプットしている暇もない。
ともあれ、選挙運動に戻ったシン・フェイン幹部のみなさんは、がっつりにらにらと活動中。
Section of huge audience at @MEPStandingUp4U Euro election Rally in Belfast tonight & mighty welcome for Gerry Adams. pic.twitter.com/705BTVUCKb
— Martin McGuinness (@M_McGuinness_SF) 2014, 5月 5
ジェリー・アダムズは、「逮捕劇」で世界中の話題となり、非常に大きな注目を集めた上に「(厳密に、まだ不起訴ではないけれど)起訴されずに釈放」され、つまり「何も悪いことをしていないのに警察に捕まえられた」というバイアス(そうです、それはバイアス)が働く方向のことになった上に、バルモラル・ホテルでの記者会見はまさにflawless(この人は見せ場は外さないよね、ほんとにすごい役者だと思う)、BBCで北アイルランド紛争の調査報道をしてきたジョン・ウェア記者が「何もマイナス材料にならない」と分析しているくらいの結果を得て、雨降って、地固まり、コンクリの基礎が完成してテフロン加工、くらいのことにはなっている。
前回の欧州議会選挙のとき、私はSlugger O'Tooleで開票実況を見てた。そこで、生中継だったか録画のYouTube映像だったかは忘れてしまったけれど、現地の報道で「開票所にいる各党幹部インタビュー」というのがあって、シン・フェインは副党首のメアリ・ルー・マクドナルドがカメラの前に立っていた。スタジオが「どうですか、手応えは」と聞き、メアリ・ルーが「そうですね、非常によい調子で……」と答えるなど「選挙開票番組にありがちな質問・回答」が展開される中、いきなり横合いから背の高いひげめがねがカメラにフレーム・インして「こけこっこー (cock-a-doodle-doo)」と言って、フレーム・アウトした。
幻聴じゃないよ、みんなが見てたんだから。
Sluggerの人たちも多くは言葉を失っていたが、昔からの政治オタクやジャーナリストは「あの人はああだから」と、わりと平然としていたようだった。私がジェリー・アダムズは実は「変人」であるということをはっきり知ったのは、そのときだった。
その「変人」っぷりのいくばくかは、冗談で(冗談で……大事なことなので2度)、「かつて治安当局にしょっ引かれた際に受けた拷問の後遺症」といわれた。記憶がぐっちゃぐちゃなのも、あれこれ「記憶にございません」の状態になるのも、拷問の後遺症といわれた。
実際、どうなのかはわからない……はずがないじゃない。そんなことが考えられるわけがないじゃない。でも、それが「真顔で」語られるところがコメディランドのおそろしさ。コメディなのか、ガチの紛争なのか。。。というわけで、この人の動きを見てると感覚がおかしくなるんだけど、これまで「テフロン」呼ばわりされた政治家、つまりトニー・ブレアやバーティ・アハーンなど比べ物にならないくらい「テフロン」だと思うんですよー。党の仕事に任用していた実の弟が自分の娘に性的虐待を加えていたなどというとんでもないスキャンダルでも、傷ひとつついていないわけで。
A long day. codladh samh zzz. Thought 4 bedtime. As Bobby said Our revenge will be the laughter of our children. Xoxo pic.twitter.com/Ylip30P22U
— Gerry Adams (@GerryAdamsSF) May 5, 2014
これに対してはこういう反応をせざるを得ない、という点で、私はこの人と同じだ。
@GerryAdamsSF @john_loughran
The laughter of our children ? pic.twitter.com/IQxKGGgbJG
— pmac (@Phil_Mac9896) May 5, 2014
※この記事は
2014年05月06日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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