「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2014年04月04日

エイプリル・フールなんて、どうでもよくなった。2つの意味で。

真顔でどうぞ。真顔で。エイプリル・フールじゃないよ。




この10年以上、毎年何らかの形で、英国のエイプリル・フールについて記録してきたのだが、今年はやらなかった。特定秘密保護法とかシリア内戦とか、北アイルランド警察によるボストン・カレッジのオーラルヒストリー・プロジェクト潰しとか、家族内の性暴力スキャンダルやら自身の過去やらの問題に見舞われてもなぜかびくともしていない「くまちゃんあひるちゃん」とか、エクストリーム交渉ブンブンファイヤーマッシヴとか、エジプトのあのザマとか、NSAによる監視とその後の米国政府のおたおたっぷりといった現実の奇妙さが、自分の感覚のある部分を蝕んでいるのだと思うが、4月の魚祭りへの関心がまるで持てなかった。去年も不漁だったしね……。

その上に、英国時間で4月1日になってから最初に見た「4月馬鹿のジョーク」が……まあ、そのときは別なことをやってたから記事は読まなかったんだけど、見出しで「怪しいな」と思った……、唖然とするほどクサくて(政治臭が強すぎる上に、枠組みが古い)、今年は不作だなあ、などとサン・セリフ島のビーチリゾートで、ぼけーっとしていたのである。真顔で。

翌日になって見た英語ブログでの日本のエイプリル・フールのまとめなどを見ると、ダジャレ部としては無視できない秀作もあり、きっと世間では例年のごとく盛り上がっていたのだろう。

でも「見逃した」感が全然ない。なぜか。

サン・セリフ島から帰ってきても、私の目の前にはコメディランドが広がっているからだ。4月1日なんぞ関係ない恒常的コメディ同時多発地帯が。






いろいろと、すべてがどうでもよくなるような話だが、かのコメディランドのキチガイじみたフィクションの喜劇のどれかに出てきても違和感はない。隣のおじさんが昔「大学」にぶち込まれて以来の腰痛持ちで、スタンガンでセルフ・メディケーションしてるよ、みたいな。






本エントリ冒頭の「ドアもボンネットもない車を運転して罰金」のツイートに、コメディランドの人が応答している。




私も約20年前、ロンドンで知人の車のドアの1枚があの状態であるのを経験している。ドアの代わりに、黒いビニール袋がガムテープで貼りつけてあった。別の知人の車はヘッドライトが片方壊れたままになってて、夜間に高速を走っていたら警察に止められた。吉祥寺のバウスシアターのさよならプログラムでスクリーンに帰ってくる(奇跡的!)20世紀最大の名画(である!)、『ウィズネイルと僕』の世界(ゴム長靴がないのでスーパーのレジ袋を履いて歩く)と共通する、英国の文化のかたちである。それは、「お金がなくても豊かな」云々というロマンチックな話ではない。

一方で、4月1日に日本語圏で「エイプリル・フールじゃないの?」的に話題になっていた件があるのだが……うーん、もうこの、自分の中では「どうでもいいニュース」について時間使うのいやだから説明は割愛。特に根拠なくmayやcouldで「匿名の当局者が述べた」ような話が、完全に一人歩きしている。

「夏時間へ切り替え忘れた間抜けが"自爆"しちゃった」件(共同通信報道)は《事実》なのかを検証する。
http://matome.naver.jp/odai/2139644345984711501


この件を日本語記事で報じるかどうかは、まあ、一つの判断だ。しかしとにかく「地元メディアによると……報じられている」という形式の日本語記事の書き方が不誠実なことだけは、明確に根拠を示して指摘しておかないといけないと思った。

というか、よく読むと「地元メディアによると」と「報じられている」は別々なんだけど。
地元メディアによると、車体の裏側には時限爆弾が設置されており、逃走した男が犯人とみられている。夏時間で1時間進んだことを男が失念しており、予定よりも早く爆発してしまったのではと報じられている。


つまり、「地元メディア」が報じているのは「犯行の詳細」で、「報じられている」というのはどこで報じられているのかが明示されていない。

これ、長い文章を誰か原典に当たってない別の人が編集して、結果的にぐだぐだになっちゃったのかも。

……と、あれ? 「地元メディア」が「車体の裏側に時限爆弾が設置されて」なんて書いてたかな……。「時限爆弾」なんて言ってる記事は見てないよ。。。「軍の爆発物処理班が詳細を調べている」ばっかりで。

あーあ、またこのどうでもいいニュースに時間を使うことになるのか。。。

もうやだ。

※共同通信が記事と見出しにしているような内容は、事件が起きたアイルランドのメディアは、まともなメディアもタブロイドも報じてないし、報じていると確認できるのはアイルランドではなく英国のタブロイド。英国はアイルランドではない。

※この記事は

2014年04月04日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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