「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

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2014年02月01日

セラフィールドの施設敷地内で線量上昇というニュース(※原因は自然界のラドンです)

昨日(1月31日)の夕方、Twitterの画面に「セラフィールドで放射線量が通常値を上回っている」、「朝、出勤前の従業員に自宅待機が指示された」というニュース系のフィードが流れてきた。セラフィールドといえばかつて「汚染水海に垂れ流し」&「ずっと隠蔽」のコンボをやらかしたとんでもない施設であり、現在は老朽化した原発が絶賛廃炉作業中だが、その廃炉作業もぐだぐだで、こんなニュースが流れてきたりする状態だ。




というわけで、Sellafieldという文字列がフィードされてくると「今度は何だよ」と予め身構えることになる。しかもセラフィールドの施設側の説明は、用語の段階で一般の感覚とは乖離しているため、曖昧で非常にわかりづらい。例えば、"above normal level" と言いながら、"not abnormal" と言う、という具合だ("normalを超えている = normalではない = not normal = abnormal" というのが、一般の感覚である)。

そんな状態のログをとっておいたのが下記。

英国の原発で、何か起きてる・・・というときのニュース系ログ(2014年1月31日、セラフィールド)
http://matome.naver.jp/odai/2139118663240303601

2014年1月31日、英国、セラフィールドの廃炉作業中の原発を含む核施設の敷地内で放射線量の上昇が報じられました。そのときのニュース系ツイートなどのログ。


で、この突然の線量上昇、初報から数時間後に調査の結果、施設内で何か事故的なもの(日本語でいう「トラブル」)が起きたことが原因ではない、との結論が出された。

では何が原因だったかというと……




「自然発生」が数値上昇の原因だったという。セラフィールドのステートメントより:
Sellafield later said in a statement: "Our in-air monitors are extremely sensitive and pick up on any abnormality.

"Overnight the monitoring system initially indicated elevated levels of activity.

"Following investigation and analysis, we can now confirm these levels to be naturally occurring background radon. ...

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-cumbria-25975785


英国は、ラドンはけっこう深刻な問題になっている。特にブリテン島の西側が、濃度の高い地層となっている。イングランド(&ウェールズ)の公衆衛生当局が出しているマップを見ると、ウェールズが全般的に高く、イングランドでは西の端、サマセット、コーンウォールの方が非常に高い。セラフィールドを含むカンブリアの一帯からスコットランドとのボーダーにかけても高い。一方、ロンドンを含む島の南西部は低くなっている。ちなみにスコットランドはイングランド&ウェールズほどではないそうだ。

ラドンの上位核種であるウランは地下深部にあってマグマの上昇とともに地表にもたらされる。

マグマが比較的ゆっくりと固まると、花崗岩に見られるように長石、石英、雲母の結晶が大きく成長する。その結果として、ウランなど他の元素成分は結晶間の隙間に追いやられる。風化によって結晶間のウランが岩石から解き放たれ、河川上流など酸化環境で水に溶けやすいウラニル錯体として水によって運搬される。

水中ウランは扇状地や断層など河川水が地下水化しやすい還元環境で堆積層に濃集を繰り返し、ウラン、ラジウム、ラドンの濃度の高い地層が形成される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%B3
※引用に当たり改行を補った。


このように、元々ラドンなどの濃度が高い地域では、特に何もしていなくても被曝するという問題がある。WHOの2005年の資料より:
http://www.who.int/ionizing_radiation/pub_meet/factsheets/radon_fs_291_japan.pdf
家がウラニウム含有率の高い土壌に立てられていたり、地面への浸透性が高い国々において、非常に高いラドン濃度(>1000Bq/m3)が認められている。多くのヨーロッパ諸国に代表される特殊な地質学的構造の上に建つ国々では、地下水に漏出したラドンは簡単に岩石に浸透し、建物の表面から屋内へ浸透する。全体的にみて、世界中の多くの国々で、何万もの家々で室内ラドン濃度が許容可能と考えられる量をはるかに越えていると考えられる。

……

 ラドンへの高度の被曝による健康被害の主なものは肺癌の危険性の増加である。……科学者たちは、家庭内やその他の場所で見られるラドン濃度が健康に対して顕著な危害を与えるかについても研究を重ねてきた。これらの研究は現在完了しており、ヨーロッパ、北アメリカ、中国での主要な研究の統合解析により、家庭内のラドンは世界的に見て肺癌を引き起こす一因に十分なりうることが確認されている。最近の推定によるとラドンに起因すると考えられる肺癌の率は 6%から 15%である。


WHOの資料は非常に読みやすくまとめられているので興味がおありの方は是非読んでいただきたい。

なお、北アイルランドでもダウン州など一部地域でラドンなどの濃度が非常に高く政府が家屋建築に際して注意を喚起するなどしているのだが、その点に付け込んだ「ラドン検査詐欺」が横行しているという報道が、2年前にあった。



※この記事は

2014年02月01日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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