「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2014年01月18日

人々は、Twitterで何を話題にしているのか。英国の今の事例

今やってることで頭が行き詰っているので、全然別のことを10分くらいで書いてみることにした。

私はTwitterは英語で使っている。アカウントのSettingで設定してある言語はEnglishだし、フォローしているアカウントも8割くらいが英語話者だ(英語が母語の人も、第二言語の人も、外国語の人もいる)。Trending TopicsはUKを表示するよう設定してある。

https://twitter.com/search?q=%23RIPMikaeel&src=trenだから、Twitterというのは元々高度にパーソナライズされるのだけれどもそれを差し引いても「日本語で画面を見ている人」とは、見えている光景はまるで違っていると思う。入ってくる情報もまるで違う。私の画面は、一時期はシリアからの処刑写真や生首写真(頼まれてもいないのに義務感とやらで「支援の」戦いに行って、支援しているはずの地元の反政府武装勢力を殺しまくっている連中の、トロフィー・フォト。生首になってるのは政府軍だったりヒズボラだったりするだろうが)が続々と表示される状態になり、自分でもうんざりしてしまったのだが、そういった極端なものを除外しても、とにかくこちらが何もしなくても入ってくる情報は、日本語だけで世界を見ている人たちのそれとはまるで異なっているはずだ。

さて、今しがた(英国時間では早朝5時とかそのくらい)のTwitterのTrending Topics (UK) はここにあるキャプチャ画像のような感じである (via kwout)。BBC Newsのウェブ版では「カブールのレストランがタリバンに攻撃され、国際機関要人やレストランのオーナーなど15人(20人とも)が殺された」ニュース、今朝早く(日本時間)バラク・オバマ大統領が、NSAによる情報収集活動の方針に変更を加えることを表明したというニュース、そして昨年退位された前教皇ベネディクト16世が、カトリック教会の児童性虐待に関連し400人の聖職者の資格を剥奪していたことがわかったというニュースがトップ3件だ。



しかし、英国内で人々が話題にしているニュースは、これらの「国際ニュース」ではない。英国といえばBBC、BBCといえば国際感覚、ということで「英国人は国際感覚にすぐれている」かのような印象を受けている人も少なくないようだが、それは一面には言えているのだけれども、「世間の話題」という点ではやはり、ドメスティックな話題、それも(悪天候など緊急系の話題でなけれな)人々の義憤を買うような、「これはひどい」とタグをつけたくなるような話題が、一番に来る。

(ただし「一番に来る」ことと、「最も深い」こと、「人々が最も問題だと考えていること」とは必ずしも一致しない。)

上で見たTrending Topicsで、10件中実に5件を占めているのが、このニュースに関するキーワードだ。(エディンバラとスコットランドは別の話題もあるかもしれないが。)

Mikaeel Kular: Police find body and 'mother' detained
http://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-25790820


数日前、ファイフの自宅から、Mikaeel Kularという3歳の男の子がいなくなったというニュースが流れた。私のTwitterの画面にもこの子の写真が流れてきていた。名前からわかる通り、インド系の風貌の、目の大きなくりくり坊主のやんちゃそうな子だ。

「子供が行方不明になる」ニュースは、英国では……というか「英国でも」……おおいに関心を持たれる。Twitterでは「ニュースを見て悲しく思った」、「早く見つかりますように」といった暖かなメッセージが添えられて、「誰かこの子を見かけたら警察へ」というツイートが投稿されることが多い。

けれどもこの件が今、こんなに多くの項目に入るほど話題になっているのは、単なる関心の高さゆえではなく、事件に進展があったからだ。それも大勢の人が「これはひどい」と一度は言いたくなるような進展が。

ミカエルくんは行方不明となった場所からさほど遠くない場所(水中)で遺体で発見され、母親が逮捕されたと報じられているのである(ただし警察は、逮捕されたのが母親であるかどうかについては明言を避けている)。

Police investigating the disappearance of three-year-old Mikaeel Kular have found a body and detained a person, understood to be his mother.

The body of a young boy was found in Fife shortly before midnight, police said, and they "strongly believe this to be the body of Mikaeel".

Sources told the BBC that his mother, named locally as Rosdeep, was detained but police have not confirmed this.


こうして、人々が口々に「ひどいな」、「やっぱりね」、「おかしいと思ってました」などと、「一言いいたがる」状況になっている。その「一言」にはTwitterの140字(英語で)はちょうどぴったりだし、Twitterの「流れていくスピード」もその気分にぴったりくる。

むろん、もっと「ハード」なニュース、例えば難民を乗せた船が転覆して何百人も死んだとか、非人道的な行為についての報告書が出されたとかいったことがTrending Topicsに入っていることは珍しくない。NSAの監視活動についてのガーディアンを中心とする各種報道は、TTの常連だ。

けれども、そういった「ハード」なニュースよりも、ドメスティックな、日本で言えば「社会面」の事件や著名人の訃報、スポーツの試合の実況・結果速報・移籍情報のようなトピックのほうが、ずっと多い。

「人がそれについて何か一言言いたくなる」ニュース、「見出しを記録しておきたい、人に伝えたい(シェアしたい)」ニュースはどんなものなのか、というのは、「BBCの国際感覚」云々とは全然別だろう。

一方で、BBCが大騒ぎしているフランス大統領の「不倫」問題(というか「浮気騒動」だよね)は、TwitterのTTの欄で見かけた記憶はない。たまたまタイミング的に見逃しているだけかもしれないが、まさに「騒いでいるのは報道機関だけ」のような気がする。



ところでこのTTの中のこれね。






駐日米大使:




(これ、「反対します」って訳しちゃっていいの?)

※この記事は

2014年01月18日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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