「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2007年04月11日

「フーリガニズムの時代が再来?」という気分を吹き飛ばすかのような大量得点

朝っぱらからお茶吹いた。何このスコア。
Man Utd 7 - 1 Roma (Agg: 8 - 3)
http://football.guardian.co.uk/news/matchreport/0,,2053680,00.html
http://www.uefa.com/competitions/ucl/fixturesresults/round=2359/match=300133/index.html

マンUサポのみなさんには「すごいですね、おめでとうございます」と言うほかはない。(うちはもう関係なくなっているので。T_T)

とまあ、単純に今日の試合だけを見ても「うっそーん」と叫ぶくらいにスゴいんだが、今年のCLのマンU対ローマの場合、ローマでのファースト・レッグ@4月4日でのアレ(荒れ)があったので、余計に何というか・・・。

[コード消去・代替画面挿入/2016年5月]



4日、ローマでの試合の際、観客席でローマのコアなサポ(「ウルトラス」)がぐわんぐわんに暴れ、マンUサポもそれなりに暴れたのかどうかちょっとわからないのだけれども、イタリア警察の暴動鎮圧隊がマンUサポ席に突撃のうえ、警棒で殴打するだの何だのと大変な騒ぎになり、「欧州サッカーにフーリガニズムの時代がまたやってきたか」とあちこちのメディアで報道された。しかも、観客同士の衝突ではなく、観客と警察の衝突というかたちになったから。

当日のニュース:


このニュース映像を見る限り、イタリア警察が一方的にぼこぼこ殴りかかっているようにしか見えない。カメラのフレームの外のことはわからないから何ともいえないのだけれども、フレームの中に関する限り、これはひどい。かなりひどい。殴られているこの人たちはそんなにされるほど暴れていたのか?

多分、試合の内容もそれなりに緊迫していたのだろうなと思って、東京で地上波の録画放送を見ようとしてみたのだが、実況があまりに「トッティ、トッティ」とうるさくて(まるで選挙カーだ)、20分くらいでテレビの電源ばちーっと切ってしまった(スコールズの退場までももたなかった)。だから試合の内容は正直把握してない。文字で読むものは、特に英語メディアではマンU側に偏っているだろうし、文字情報から得た印象などあてにならないし。

しかし、マンUサポさんが17人だったか18人だったか病院送りになり、うち1人は首を刺されていた(何で刺されてたのかはわからないのだが)というのは異常だったし、ローマの過激派が直接暴行したというわけではなく、イタリア警察に暴行されたというのはあまりに異常だった。試合開始前とかにスタジアムの外でちょっとあった、というのは別にして、観客席でのあの光景はほんと常軌を逸していた。

リンク集:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6528049.stm
http://football.guardian.co.uk/championsleague200607/story/0,,2050526,00.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6528715.stm
http://football.guardian.co.uk/News_Story/0,,2051468,00.html
※3番目のは、観客席で騒動に巻き込まれた北アイルランド人マンUサポさんの証言。どれか1つだけ読むなら3番目がいいと思います。最初警察は、衝突しているローマ・サポとマンUサポの間に割って入ろうとしたときにマンU側にしかいけなくて、それがマンU側からの暴力的なリアクションを呼び、その後は警察が入り込もうとして、その場にいる者は誰であれがつんがつんとやってどかしていた、という状況が10〜15分、殴られた人のなかには女性も子供も、それからマンUサポが警察に反撃を開始、椅子を投げるなどしてますます混乱、ということだったらしい。

しかも、事後、イタリア警察のえらい人は「警察を悪く言うのもゲームでしょ、イギリス人はそういうのが好きだから」とかヌかしたというのだから、あまりにひどい。警察のえらい人もローマのサポなのかもしれないが(<憶測)、んなとこで喧嘩売って(挑発して)どうするよ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6530157.stm

この警察の人の発言はまるでどっかのト知事だ。げんなり。

ともあれ、UEFAが調査に入っているのだから、この件はもうしばらくすればもっと明確な結論が出るだろう。

で、10日に、今度はオールド・トラフォードでセカンド・レッグ。「ウルトラスは渡航禁止になっているからマンチェスターには行けない」とかいうのはもちろん知っていても、それでも、絶対に平穏には済まないだろう、と。そしたらやはりあったわけですよ。最悪の場合、イングランドの暴力的(極右系)自称「サポーター」が心を込めてお出迎え、ということにもなりかねないかなあ、と。

で、案の定、試合開始前にスタジアムの外で、マンUサポ(ホーム)とローマのサポ(アウェイ)がぶつかった。

[コード消去・代替画面挿入/2016年5月]


Fans and police clash at Old Trafford
http://football.guardian.co.uk/News_Story/0,,2053980,00.html

Fans clash with police at Man Utd
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/6538695.stm

マンUサポさんたちは4日のローマの件で熱くなっているから「喧嘩上等」モードで迎えるのは当然だ。ただ今回のマンチェスターでの衝突は、大ごとになる前におさえられた。留置所送りになった人たちはいるが(マンU側11人、ローマ側7人)、本格的に病院送りになった人はいないようだ。(マンチェスターで狂信的なというかそっち系のが大量に待ち構えていたら、大変なことになっていただろうが、衝突に至ったのは100人程度だったとのことで、そっち系はその場にいなかったのかもしれない。)

で、そのあとの試合で、ホームのマンUが7−1で勝利。とりあえずマンチェスターはお祭り騒ぎだろう。

私はイタリアのことはまるで知らないから、イタリアでこれがどう影響するのかとかはさっぱりわからない。八百長騒動に今年はじめの暴力沙汰(警官が1人亡くなっている)、さらには今回の件と、マイナス材料ばかりで大変そうだが。。。

なお、最近サッカー関連の記事を見てて、大陸の様子がちょっと気になることがあった。

ローマでの出来事の翌日には、スペインのセビリヤで、スパーズのファンがスペイン警察にぼこられた(UEFAカップの試合)。しかもぼこられたのは身体が不自由な人で、車椅子から転げ落ちたというからこれもまたひどい。こっちは試合が相当荒れ模様だったようで、スパーズ・サポさんたちが怒っていたとの記述もあり。
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/europe/6531683.stm

その前もスペインで衝突あったような記憶が。レンジャーズの試合で。

国同士の対立というよりもっとストレートな「人種差別」ではフランス。ユーロ予選でも、あるいはフランス国内についても。
http://www.afpbb.com/article/1462931?offset=0



ちなみに、4日の試合の後、リオが「審判がアホすぎ」と毒舌炸裂。
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/football/teams/m/man_utd/6532303.stm
「コミュニケーション」というものを考える上でもちょっと興味深い話です。
"In Europe the referees have got an ignorance problem. You can't speak to them.

"You try to speak to them in the best manner possible, but they just turn their nose up at you. It's almost like they're from the upper crust."

"Something needs to be done because there is no conversation, no communication between us and the referees.

"It makes everyone frustrated. It's not the language. This referee was German but he was speaking good English. A few of his decisions were just laughable.

"The attitude of referees has got to change. There's got to be a better environment on the pitch.

"Refs have got to do that by being talkative to the players and having a conversation with them without looking at you like you're a piece of rubbish.

"I just had to laugh at some of the ref's decisions. It was that bad."

10日の試合では、UEFAでナンバーワンの審判さんが主審をつとめたそうですが。
タグ:Football 暴力

※この記事は

2007年04月11日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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