「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2013年11月15日

バーチャルに、身体はってるでござる。

いや、ほんと、Twitterでは身体はるようなことをして、フォローしてくださってる方にご心配をおかけしているかもしれません。お騒がせしてすみません。いろいろと、大っぴらには書けないようなことを少し経験してきた中ではどうということもないケースと断言できますし、何より今回は「持つべきものは(どんなに薄く緩いつながりでも)友」ということで、大丈夫です。ありがたいことです。

というわけで、Twitterに書くと単に「拡散」装置になってしまうだけになりそうなのでこちらで。

下記の件。

サイバー攻撃宣言! アノニマス(?)が主張する「日本政府の極秘計画、DevoX」って?(調査進行中)
http://matome.naver.jp/odai/2138445229701617401


私も「アノニマス」のアカウントは、最盛期……2010年から11年はYourAnonNews, Anon_Centralなどいくつかフォローしていたのですが、ウィキリークス周りが「ジュリアン・アサンジ教」(アサンジが保釈されて最初のBBCのインタビューで、当時けっこうまずい状況だと伝えられていたマニングの心配をする前に、「俺は死なずに殉教者のステータスを手に入れた」と吹聴した瞬間に、あれは「カルト宗教」になりました)と化し、「アノニマス」もいろいろと「個人崇拝」方面でおかしなことになっていった過程でフォローを外し、その後も何かあるたびにフォローを外し……しているので、現在はまったくフォローしていません(その間に、LulzSecが、Sabuの裏切りの件あり、トピアリらの逮捕・起訴・判決ありという形で瓦解してます)。

情報が入ってくる接点もなくなり、どういうことになっているのかほとんど把握していませんが、主流メディアのニュースを見るだけでも、今の「アノニマス」が2010年、2011年の「アノニマス」と同じとは思えないし、その頃に「アノニマス」をいわば「擁護」するようなスタンスだった人たち(ネットの自由に関する活動家、メディア専門家など)ももはやその名前に言及することもなくなっています。

ふと見てみたら、Anon_CentralはTwitter乗っ取られて以降、かなりアレなことになってたんすな。

Hacking group Anonymous latest victim of Twitter hack
21 February 2013 Last updated at 12:38 GMT
http://www.bbc.co.uk/news/technology-21532858

「アノニマス」のような「コレクティヴ」的なものは、「ハブ」の中心点(情報の集約・集積点)がなくなってしまうと「わけがわからない状態」になるものですよね。現在、私には、どのアカウントが「アノニマスの中心的なアカウント」なのかもわかりません。

「アノニマス」というのはばらばらの個人の集合体で、大雑把な方向性はあるけれども(「自由万歳」、「圧制反対」、「権力クソ食らえ」のような)、個別具体的なこととなると個人の考え方次第で対応が分かれるものだ、というものでした。

例えば2011年のエジプトの「革命」のときにエジプト政府機関のサイトへのDDoSには参加したが、イスラエル政府機関のサイトへのDDoSには参加しない、といったことは、普通にあるものでした。

今も、基本、そうだろうとは思うのですが、よくわからんです。「アノニマス」参加者の本垢とは別の「仕置き人」みたいなアカウントが「一つの理念、一つの動機、一つの部隊」とか言って、「裏切り者は許してはおかぬ」とか「狩り出してやる」とか絡んでくるのが現実です(それが現実であることはファーストハンドで保証できます。一連の顛末はこちらにありますのでご確認を。未編集の単なるログであることは、Twitterの画面で各ツイートを見ればわかると思います)。

で、「アノニマス」のことはここでは本題外です。

本題は、太地町に関する妙な「説」。(これをTwitterで書くと「拡散」装置になるだけだと思うので、こちらで書きたかったのです)

経緯は:
http://matome.naver.jp/odai/2138445229701617401?&page=2
http://matome.naver.jp/odai/2138445229701617401?&page=3

「説」というのは、これです。(以下、引用部分は原文ママ。文法も、大文字の使い方も、ひどいですよね。)
The Program know as "DevoX" is where Japanese exports of Tuna to the world are switched from Tuna to Dolphin Meat.

http://pastebin.com/ViB7p7a1

つまり「日本にはDevoXという極秘の計画(プログラム)があり、日本から輸出されるtuna(マグロ、カツオ、キハダ、etcの魚)は実はdolphin(イルカ、シャチの類)の肉なのである」と。

彼らは、それを「日本の農水省の通信(なぜか大文字で書き始められたCommunications, 大文字の意味がわからない)を傍受してつかんだ」と主張しています。「その通信はどのような種類のものか、また英語で書かれたのか」と質問すると、「種類」については答えはなく(「電話」か「メール」か「Skypeのチャット」か「議事録」か……など)、「通信」は日本語で行われたものだという答えが返ってきました。ということは、翻訳にはつきものの「誤訳」の可能性があるわけですが、彼らはそれを認めつつ、その主張の根拠となる「傍受した通信」そのものを示すことはできないそうです。なぜなら「太地町が我々の情報を盗もうと必死だから」ということのようです(実際、私たちが脅迫されたのは「太地町の工作員だ」と思われたためらしいです。そんなめでたい頭をしていたら幸せだろう)。

「アノニマス」などの暴露・リーク系の活動は、その「傍受した通信」を公開することが要のはずです。HBGaryの件でも、Stratforの件でも。

が、今回の太地町についての「アノニマス」は、「傍受した」と言いつつそれを公開することを拒んでいる。

変なの。

それ以前に、証拠もなく勝手な言いがかりをつけているだけのものは、英語圏だろうと日本語圏だろうと信じる人はいないと思いますが、影響を受ける方はいらっしゃるかもしれないので念のため。

なお、先方のTwitterアカウント、@AnonymousOpsUSAは、「中の人」が複数います。文体見ればわかると思います。1人は英語母語話者もしくはそのレベルで、相手の発言を読んで英語力を見て「揚げ足取り」のtrollができるくらいの人。もう1人は英語は母語ではなさそう(Pastebinの文章の人と同じ書き方のクセがある)で、英語での論理展開についてこれない感じ。

ほんで、彼らの根拠のない主張というのは、こちらが「傍受記録の投稿」を要求し、それを彼らがのらりくらりと拒否(というか「暗号化されている」云々といって逃げてるだけなんですがね)したあともまだ続けられてて、そちらはますますワイルドな珍品となっております。好事家向け。
http://pastebin.com/8vmqhuHL

「自警団アカウント」みたいなのが出てきて、こっちから「顔役」みたいな人が「ん? どしたの?」って出てきたあとのヘコヘコっぷりも、なかなかすごいっすよ。相当、笑えると思います。
http://matome.naver.jp/odai/2138445229701617401?&page=4
http://matome.naver.jp/odai/2138445229701617401?&page=5




※この記事は

2013年11月15日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 14:00 | TrackBack(1) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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【あの件、どうなった】11月に大騒ぎになった「アノニマスの攻撃予告」の件は、今……?
Excerpt: 2か月ほど前、「アノニマス」が日本に対する攻撃を予告し、それが(セキュリティ専門のメディアだけでなく)朝日新聞、毎日新聞という一般メディアでも報じられ、一部では「アノニマスが日本に宣戦布告」などと大げ..
Weblog: tnfuk [today's news from uk+]
Tracked: 2014-01-25 22:36

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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