「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2013年11月05日

「11月5日」について書こうとして、前置きの段階でウィキペディアを参照して、「アイルランドがアングロ・サクソン系」なる謎記述を見つけ、倒れそうになっている。

2週間ほど前、街のあちこちに、日本ではあまり一般的ではない「オレンジ色のカボチャ」を象った飾り付けがされていたころ、信号のところで人が「ハロウィーンなんていうアングロサクソンの習慣が入ってきたのは最近のこと」というような立ち話をしているのが聞こえた。

ネットなら「いやいや、あれはアングロサクソンの習慣じゃないっすよ」と言えるが、駅前の信号で見知らぬ人が喋っているのに口をはさむわけにもいかず、つまり普通にスルーしたのだが、実際、ハロウィーンは「アングロサクソン」の習慣ではない。というより、日本語圏でその辺で「アングロサクソン」と言われるとき、それはせいぜいがっさりと「英米」のことで、もっと俗なレベルでは単に「アメリカの(白人社会の)」と言えばいいのを「アングロサクソンの」と言っている場合もある。最初にこういう雑な用語法を広めたのが誰なのか知らないが、非常に迷惑なことだ。

ともあれ、ハロウィーンとは……と、日本語版ウィキペディアを見て、倒れそうになった。
ハロウィン、あるいはハロウィーン(Halloween, Hallowe'en)とは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。もともとは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事で、歴史的にイギリスやアイルランドなどアングロ・サクソン系諸国で祝われているが、現代では特にアメリカで民間行事として定着して、……


アイルランドのどこが「アングロ・サクソン系」なんだよ。

誰よ、こういうデタラメを広めているのは。

頭がくらくらするので、本稿を書き始めたきっかけの話題は、少し休憩してから、仕切り直すことにする。その前にウィキペディア……

Update:
ウィキペディアは、「ノート」とかもざっと見て(そういう手間をかけなければならないので編集には気軽には加われない)、「教義をめぐる論争」的なものが起きている(そういうのは、どっかよそでやってください)ところに(前提が「カトリックの習慣ではありません。カトリックの国だからといって、イタリアやスペインにはこんな習慣はありません。こんな習慣があるのはブリテン諸島限定です」という話)、おそらく、ベースとなる知識が何もない人が(←これが問題)何となく文面のつじつまだけ合わせようとしたために(←これがさらに問題。紙媒体の仕事しててもよくあることだけど)、「アイルランドがアングロ・サクソンの国」みたいな珍妙で事実に反するひどい記述ができていることを確認し(また「アイルランド辺境論」かよと思うと心底うんざりする。そーいえば、アイルランドでのカトリック教会による組織的な児童虐待に目を向けようとしなかった人たちが「辺境論」、「特殊論」で語ってたけど、ヴァチカンであのスキャンダルが出た後はどうしてんのかしら)、とりあえず本当にヤバい記述だけはコメントアウトした。(削除しなかったのは、削除するほどこの議論にコミットできないから。どなたか、お願いしますね。私は葬式仏教徒であり、キリスト教の信仰はなく、宗教的な論争の起きている/起きる/起きそうな場には深入りできないので。)

もうこれで、「アイルランドがアングロ・サクソン」みたいなひどい記述はとりあえず見えなくなったし、「イギリス」でハロウィーンのお祭りが「ずっと」(=古代から中世、近世、近代と)行われてきたという事実に反する記述も見えなくなった。

修正後:


修正のサマリー:
"アイルランドはアングロ・サクソンの国ではありませんし、「イギリス」でハロウィンが祝われるようになったのは2000年代以降です。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/8335239.stm "

また、本文においても1か所、「要出典」を補った。(「イングランド北部にハロウィーンの習慣が残っていた」って、ソースは? それに、「イングランド北部」っつっても、広いんですよ。いわゆる「ボーダー・エリア」のことなら「イングランド北部」と訳すのは不正確だし。)

ああ、疲れる。。。。。

※この記事は

2013年11月05日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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