Google翻訳を、多言語話者が使ってみたら……
http://matome.naver.jp/odai/2138312800804590101
英語とトルコ語の間で、非常にシンプルな短文の翻訳の際に、肯定文が否定文になる現象が報告されている。対象言語がトルコ語ならまだわからなくはないが、フランス語でさえそういう現象があるという。ずっと前になるが、同様の現象はポルトガル語と英語の間でも報告されていた。以前、翻訳・語学学習の情報交換のフォーラムで、「ドイツ語や北欧の諸言語でも同様」との報告を見たことがある。
Google翻訳は(日本語を直接扱わせることはしないにしても)フランス語から英語、スペイン語から英語といったように「読めない言語をいったん英語にする」ために使っている人が相当多いのではないかと思うが、やはり、注意が必要だろう(ただしGoogle翻訳の仕組み上、短文を1つだけ投げるより、ある程度まとまった分量の記事を投げるほうが精度が上がるということはあるかもしれない)。
しかし、肯定文か否定文かなどというものすごく重要な部分でこういう「逆転」の現象が生じるということは、少なくとも原文と突き合わせて否定・肯定に間違いがないかどうかくらいは確認できないと、ちょっと恐ろしすぎて使うことができない。
なお、こういった話題はかつてはてなダイアリー(現在は非公開)でちょこちょこと書いていたようなことだが、今はときどき、「NAVERまとめ」を使って書いている。
最近のは:
英語圏で有名な「無料ウェブ翻訳」は、どうして日本語では使い物にならないのか。その一例
http://matome.naver.jp/odai/2138049314204219101
※これを見て、「英語圏で有名な」という限定句を読まずに(その限定句の運んでいる情報を前提せずに)「いえいえ、機械翻訳は……」と語りだす人が意外と多いということを私は知っているが(以下、「一昨日おいであそばせ」的な罵倒を略)。
※この記事は
2013年10月30日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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