Stormont assembly power restored
Last Updated: Sunday, 25 March 2007, 23:01 GMT 00:01 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6493691.stm
ただし、1日以内にユニオニストとナショナリストから成るpower-sharing executive(国家で言えば「大連立政権」のようなもの)が実現しなければ、アセンブリーの権限は剥奪され、再びウエストミンスターのダイレクト・ルールとなる。
で、このpower-sharing executiveの最も重要な部分、つまりファースト・ミニスター(国家で言えば「首相」)と副ファースト・ミニスター(同「副首相」)が、ほんとにこのまま進むのなら、それぞれ、DUPとシン・フェインということになる。というわけで、この件についてはodd coupleとか「ありえない結婚」とかいった比喩でずっと語られてきているのだが(特に数週間前の選挙以降は語られる頻度が増えた)、ユニオニストのプロパガンダもナショナリストのプロパガンダもちょっとは見てきたしちょっとは本も読んできた部外者としては、上記BBC記事にくっついている写真(コラージュ)とかみると、「うはっ、ほんとありえない」と思うのが正直なところだ。
BBC記事によると、
If a power-sharing executive is formed, it will have four DUP ministers, three Sinn Fein, two UUP and one SDLP.
というわけで、大臣職はDUPから4人、シン・フェインから3人、UUPから2人、SDLPから1人が選ばれることになる。これはこないだの選挙結果を反映しての配分だが、SDLPの1というのは、こうして見せられるとなんだかショッキングですらある。1998年のPeace At Last!の盛り上がりを、ダイアルアップ回線でBBCをチェックしてちょこっとでも見ていたから。(当時は従量課金制で、自宅でネットつないですぐにNTTのテレホーダイに入ったものの、テレホの時間帯になるとアクセスポイントにつながらないことが多かったから、ほとんど読めてはいなかったのだが。<「ほとんど死語」がいろいろ。)
脈絡ないんだが、先日、BBCの「今日は何の日」で見かけて強烈な印象を受けたIRAの言葉を貼り付けておこう。1976年3月15日、ロンドンの地下鉄に爆弾を仕掛けようとしている男(IRA義勇兵)を見つけ何とかしようとした地下鉄の運転手が、その男に射殺されるという事件が発生したときのものだ。記事の右側のコラムの「後日談」のところから引用する。
http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/march/15/newsid_2543000/2543605.stm
The day after this incident a man was injured when a bomb exploded on a tube train at Wood Green, in north London.
Days earlier the Provisional IRA in Dublin, calling itself the Army of Ireland, said: "We now issue a solemn warning to the British public. You have given the IRA the label of terrorist... Now we will act as terrorists."
つまり、運転手が射殺された翌日、ウッドグリーン(ピカデリー・ライン)駅で爆弾が爆発、1人が負傷した。何日か前にダブリンのPIRA(自称「アイルランドの軍」<ゲール語)は「われわれは英国の一般の皆さんに警告する。あなたがたはIRAにテロリストとのレッテルを貼り付けた・・・ではわれわれはテロリストとして行動しよう」と述べていた。
2007年にこういう言葉がつむがれていることも、割り込みで、付記しておこう。
There's bullet holes where my compassion used to be
And there is violence in my heart
...
You can label us a consequence
Of how much you have to learn
-- Nine Inch Nails, "My Violent Heart" (2007)
それから30年と少し。英国(とアイルランド共和国)の法律上、IRAの「特定テロ組織」の指定はそのままだが、当のPIRAが武装闘争活動を停止、武器をすべて使えない状態にし、そして、当時PIRAでばりばりに武装闘争を行なっていた(というか指揮していた)マーティン・マッギネスが、今、副ファースト・ミニスターになろうとしていて、ファースト・ミニスターになろうとしているイアン・ペイズリーは、30年前は「反カトリック、反IRA」の急先鋒の煽動活動家だった。
変われば変わるものだ。(最近この件ではこればっかだが。)
なお、DUPはなんかごにょごにょ言っているらしく、UKのピーター・ヘイン(北アイルランド担当大臣)は「1日でダイレクト・ルールに戻すこともできる」と、両者の間で瀬戸際作戦が展開されているようだが、ほんとにどうなることやら。
Speaking on Sunday, Mr Hain said: "Success tomorrow would be devolution, failure would be dissolution. I don't at the moment see any other way, I only see it our way.
"If there is another way if the parties have got their own way then they need to jointly agree it and come back to me pretty quickly, because otherwise the law kicks in and there's nothing I can do about it."
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6493691.stm
# なんかこの英語、リズムとかが無駄にかっこいい。
※この記事は
2007年03月26日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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