報道機関やその所属のジャーナリストの場合は、その信頼性を受け手が確認するまでもないのだが、「個人」の場合はやや難しい。それでも、単純に記事の見出しとURLを流しているだけなら、アカウントの信頼性それ自体は関係ない。極端な話、フォロワーを増やすことだけが目的のヘッドライン配信botみたいなアカウントだって、配信内容が真正な見出しとURLのコピーである限りは、情報の受け手としては何ら構わない(道義的な問題はまた別だし、そのようなことをしてフォロワーを増やしておいたところでデマをばら撒くという手法もあるので、「よい」とは言えないが)。
以前、「アルジャジーラの記者を名乗るアカウント」について注意を喚起したことがある。結局、何が目的の人だったのかわからずじまいだが、プロフィールに「自分はアルジャジーラの記者だ」という虚偽情報を記載し、他人(本物のアルジャジーラの記者)のツイートを淡々とパクって配信していたアカウントだ。
今回は、そういう「Twitterだけで完結する話」とは少し違う。実際にメディアで発言するなどしていた人物のアカウントがあり、私も何らかのきっかけでそれをフォローしていたのだが、どうやらその人物自体がかなりひどいデタラメであるらしい、ということがわかったのだ。日本で似たような話というと、こちらの件だろうか……
「ほぼ本当です。モサド情報」? 経歴詐称の自称「元工作員」がTwitterアカウント消して逃亡
http://matome.naver.jp/odai/2137076840164657001
最初に話題になったときに見てみると、私自身、このアカウント(のアバター)には見覚えがあった。いつ、どのようなきっかけでフォローするようになったのかは記憶にないのだが、ほぼ確実にシリア内戦関連のニュースの紹介元としてフォローしているはずだ。きっかけはおそらく、「長くフォローしている誰かがRTしていた」といったことだろう。自分でもログを見てみると何度かRTしているので、ひょっとして私がきっかけで、この「マイケル・ロス」なる人物のアカウント(@mrossletters)をフォローしていた方もいらっしゃるかもしれないと思い、ブログに書いておくことにした。
当方としては、信頼できないアカウントの情報を広めたつもりはないが、これにより確認などのお手間を取らせることになるかもしれないので、その点、お詫び申し上げておきたい。
なお、「マイケル・ロス」がペテン師だと暴いた人々もまた、いろいろとカラフルな感じなので私は幻惑されてメロメロである、ということも申し添えておきたい。
この辺、ほんと魑魅魍魎の世界。それもチンケな詐欺師がいっぱい。それでも「世界情勢」が動いちゃうことがあるのがこわいのだけれども。
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※この記事は
2013年06月09日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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