「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2013年06月03日

北アイルランドの詐欺師が、数年前に獄中でイスラム教に改宗して、先月ハリー王子を脅迫した。






北アイルランド情勢的には、最重要記事は旗騒動のブライソンのインタビューなのだが、トップニュース扱いのこの件:




本当に、わけがわからない。

同じニュースについて、デイリーミラーの見出しも回ってきていて、そっちのほうが分かりやすい。




いわく、ウリッチで英軍兵士が殺された事件の翌日、ハリー王子に対する脅迫があった(「王子を殺す」というもの)。

その脅迫で逮捕・起訴された男は、「西ロンドンのアシュラフ・イスラム Ashraf Islam (30歳)」と報じられていた。

Prince Harry murder plot: Man admits in court he threatened to kill Prince day after Woolwich murder
2 Jun 2013 00:34
By Justin Penrose
http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/prince-harry-murder-plot-man-1926971

この「アシュラフ・イスラム」被告は、この記事↑の写真を見ればわかるように、髪を剃り、長いひげをたくわえた「白人」である。

この記事が書かれた段階では、まだ、彼が「誰」なのかはわかっていなかったのかもしれないが、コメント欄に:

Popup Toaster ※←コメント投稿者のハンドル
11:47 PM on 2/6/2013

The guy is a Nutter he comes from Belfast .. is a petty criminal converted to Islam in Jail .. Walked into a police station and said he wants to report himself as he wants to Kill Prince Harry .. signed a statement admitting all that .. went to court pleaded Guilty .. police searched his place all they could find was 3 searches on his laptop for "kidnapping" "vans" and "guns" the judge is waiting for a psychological report on guy .. what a waste of taxpayers money in most countries the police would have told him to go fly a kite or drop him at nearest Mental hospital

http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/prince-harry-murder-plot-man-1926971#ixzz2VAFRvTcu


この「アシュラフ・イスラム」被告が、アイルランド島を拠点に数々の詐欺を働いてきたMark Townleyなる男(いくつもの偽名あり)であることが報じられたのが、3日のことだ。
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/prince-harry-death-threat-muslim-convert-is-conman-from-bangor-29315924.html
↑このベルファスト・テレグラフの記事についている写真(正装の「アシュラフ・イスラム」が、ウエディングドレスのスカート部分が極端に短い衣装を着て顔を覆った女性をお姫様だっこしている写真)の説明がないのでよけいに訳が分からないのだが……この写真、クオリティ的に「プロのカメラマン」が撮影したものだと思うんだけど、おそらくどっかの「イスラム過激派」の媒体のものだ。

この男の「詐欺」の内容は、ひどいもんである。「イラクで警備の仕事をしてがっつり稼ごう ※研修費用として£250」という求人広告を出し、ウェールズの浜辺に人を呼ぶだけ呼んでドロン、とか、ダブリンの街角で「お嬢さん、お美しいですね。プロのモデルになりませんか。登録費用として……」といった詐欺だ。ベルファストでボクシング・ジムなどを相手に器材や車両の納品詐欺などもしていたそうで、パラミリタリーなんかこわくないのだろうかと心配になる。^^;

そういう犯罪で有罪になって、刑務所に送られたわけだが、その刑務所が……
Islam, originally from Northern Ireland, is thought to have been radicalised by hate preachers while locked up in Maghaberry prison, Lisburn.

http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/prince-harry-maniac-who-plotted-1928333#ixzz2VAGlY9Sg


北アイルランドのマガベリー刑務所の中にも、hate preachers (「イスラム過激派」の思想を広める宗教活動家) がいるってこと……?

今パラミリタリーを入れておく刑務所はマガベリー刑務所で、つまりここには一般の刑法囚のほか、ロイヤリストやリパブリカンの「自称・政治囚」もいる。「自称・政治囚」の房は、規模や程度は違うかもしれないが、かつてのメイズ刑務所のような「囚人の自治」があるようだ(で、ディシデント・リパブリカンが「看守の横暴に抗議」ということでダーティ・プロテストをやっていたりした)。

一般の刑法囚と「政治囚」はたぶん接点はないだろうが、ロイヤリストの、ガチのキリスト教根本主義の人たちなんかと「同じ屋根の下」というか「同じ敷地内」に、「殉教すれば72人の処女がうんぬん」というbogusな教義を吹き込む「イスラム過激派」がいるのかと思うと、何というか……。

He spent time on business in the Middle East in 2010 where he “ingratiated himself” with Muslim groups and handed himself in to police on fraud charges on his return.

During his spell in Maghaberry prison, he converted to Islam, changing his neat, business-like appearance to reflect his beliefs, adopting a shaven head, foot-long beard and long white robe. He changed his name and was known to use a mosque in Dublin.

http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/prince-harry-maniac-who-plotted-1928333#ixzz2VAIeqy1A


ただ、このミラーの報道もどこまで「正しい」のかわからない。非常にわかりづらい記述だが、ベルファスト・テレグラフ:
The police were involved and he fled back to Dublin as a Muslim. A bench warrant was issued when he failed to appear at court in relation to the fraud. Now posing as Ashraf Islam he joined a Muslim group protesting at the GPO in Dublin. He was given a cheque for €7,000 (£6,000), but it bounced.

With nowhere left to go he handed himself into police in Belfast who held two warrants for him for fraud and breach of an ant-molestation order. He was subsequently jailed for six months.

Once released he was living in Bangor, but was later at the centre of a blasphemy row when he announced plans to release a movie, ‘Jesus Christ Pornstar’, with him playing the title role.

As the plans fell apart and debts mounted he fled once again this time to England were he has been arrested and charged.
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/prince-harry-death-threat-muslim-convert-is-conman-from-bangor-29315924.html

「イラクで働きませんか」詐欺で手配されていた彼はムスリムとしてダブリンに逃れ、GPOでのイスラム教徒による抗議グループに参加、小切手を渡されたが使えず、進退窮まってベルファストで出頭、その時の罪で6か月の判決をくらったが、釈放されるとバンゴーに暮らし、『ジーザス・クライスト・ポーンスター』なる映画の計画を発表して言論的にフクロにされ、その計画が頓挫すると今度はイングランドに逃れて(以前の犯罪で2年間の出禁を食らっていたそうだが)、そこで逮捕され起訴された、と。

ミラー記事には、ロンドンのケンジントンで事業を営んでいたという話もあるので、とにかくまだこの人物についての情報が錯綜しているのだろうと思うが、それにしても……。

※この記事は

2013年06月03日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:59 | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼