本稿では、英デイリー・テレグラフに掲載された「陰謀論」を経験した人の体験談についての自分のツイートを「まとめ」る。
なお、本稿のタイトルは、適当につけたが、元ネタは:
隠喩としての病い エイズとその隠喩 (始まりの本) S.ソンタグ 富山 太佳夫 by G-Tools |
The 9/11 conspiracy theorist who changed his mind - Telegraph telegraph.co.uk/news/worldnews… 「9-11真相究明運動」の活動家の1人が、よく考えたら陰謀論やっぱおかしいと納得したあとで…最後の1行すごい。
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… チャーリーは9-11事件は爆破解体だと信じてYouTubeにビデオをアップするなどし「陰謀論」界隈の大物からも声を掛けられ、女にもモテまくり。父親が反体制的な右翼で、幼いころから「権威を疑え」と言われ育った @nofrills
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… 彼はリオでジャネイロでスコットランド人の父とブラジル人の母の間に生まれた。父の仕事の都合で小学校は半年ごとに転校。若白髪のためどこに行ってもいじめられた。14歳でスコットランドの私立校に入るが劣等感に苛まれた @nofrills
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… 学校を出たあとは軍隊に入り、シティで就職するなど右派として当たり前の道を歩んでいたが、ある日友人に「軍隊は嘘をついている」と言われ、アレックス・ジョーンズのビデオで「陰謀論」に目覚めて活動を開始した。 @nofrills
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… シティの仕事をやめ退職金でビデオカメラを買ったチャーリーは、「陰謀論」を主張し「体制を疑う」ビデオ活動家となり反資本主義運動にも関わる。彼の活動はジョーンズやデイヴィッド・アイクのような「大物」にも認められる @nofrills
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… ブラジル人を母に持つチャーリーはその肌の色ゆえに「陰謀論」仲間から「ジューだ、信用できない」とさえ言われたが、それでも活動を続けた。その彼が「転向」したのはBBCのドキュメンタリー番組に参加したことがきっかけ @nofrills
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… 「何年もずっと信じてきたことだし、周囲も『そうだそうだ、陰謀だ!』という人ばかり。だから大変だったが、番組で僕に説明してくれた人の話は筋が通っていたことは認めざるをえなかった」。こうしてチャーリーは「陰謀論」から足を洗った。
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
承前 telegraph.co.uk/news/worldnews… 彼はYouTubeに「陰謀論」は嘘だと思うというビデオをアップ、すると罵詈雑言が寄せられた。「殺す」という脅迫も、豚を屠る映像に彼の顔を合成したビデオも。「陰謀論者は自分は被害者だと考え、成功者を憎悪している」と彼は語る。
— nofrills (@nofrills) May 29, 2013
このように、すっかり「洗脳」がとけた状態になったチャーリーは、なぜ自分が「陰謀論」にはまったのかについて、次のように分析している(これが「最後の一行」)。
“Ego,” he says. “Ego made me vulnerable.”
つまり、ずっと「周りから認められなかった自分」が、そこでは「居場所」を得たのだ。「仲間」もいた。
「カルト宗教」によく似ていると思う。
「カルト宗教」は、リアル世界で出家するものが多いが、リアル世界とヴァーチャルの(オンラインの)世界との境目が曖昧になった2000年以降は、自室から一歩も出ずともオンラインで「世界的に名の知れた活動家」になることもできる。オンラインで、大物がほめてくれれば多くの人が自分を認知してくれる。
Twitterが使われるようになったあとでは、それは「フォロワー」や「RT数」として毎日、知覚できる数字として示される。
「よく言ってくれた」という人が10人いれば、それは「10」としてカウントされる。その場合でも、本当は、「やれやれ、またとんでもないことを言っているな」という人が100人いた場合、計算上は「-90」なのだが、それら呆れている人たちがオンラインで沈黙し、ただスルーするだけだったら、カウントは「10」のままだ。
……なんてことをね、このテレグラフ記事のコメント欄を、今日になって眺めて、思うわけですよ。
よくもまあこんなに殺到してこれるものだと。(見慣れた風景ではあるのですが。ガーディアンのコメント欄でもどこでも。また話題はWTC倒壊だけでなくシリア内戦でもリビア軍事介入でも。)
同時に、チャーリーさんまた脅されてるんじゃないかなあとかも心配になるわけっす。「テレグラフなんかにしゃべりやがって」と。
※この記事は
2013年05月30日
にアップロードしました。
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