「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2013年05月14日

ボストン・カレッジの研究プロジェクトのインタビューテープの件、最終結論

気づけば「1か月前のニュース」になっていたが、過去に何度か言及した(下記リンク参照)米ボストン・カレッジ(ボストン大BC)の「ベルファスト・プロジェクト」のテープの引き渡し要請の件で、米国で最終的な判断が4月半ばに出された。

2011年12月30日 大学の研究資料は、刑事訴追を前提として警察に渡されるべきか。(北アイルランド)
http://nofrills.seesaa.net/article/243403053.html

2012年10月18日 いったん「北アイルランド警察に引き渡すべし」との結論が出されたボストン・カレッジのテープの件
http://nofrills.seesaa.net/article/298001400.html


最高裁での最終判断は、「大学は北アイルランド警察にテープを引き渡すべき」である。

Boston College project: PSNI get Dolours Price interviews access
15 April 2013 Last updated at 14:56 GMT
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-22158392


大学側(というかプロジェクトの側)が最高裁に上訴してから結論が出るまでには、非常に大きな状況の変化があった。問題のテープでインタビューに応じているドロース・プライスが死亡したのだ。

【訃報】IRAの女性闘士、1973年爆弾事件で有罪となったプライス姉妹の姉が死去
http://matome.naver.jp/odai/2135903167004969301


ドロース・プライスの死は今年1月下旬のことで、そのニュースと同時に「ボストン・カレッジのテープが問題なく、北アイルランド警察に引き渡される」との観測も流れたが、実際には米国で係争中の案件であり、彼女の死がそのまま、インタビューの公開へとはつながらない、という解説がなされた。(ボストン・カレッジのプロジェクトのインタビューのテープの内容は、本人が死亡するまでは公開しない、つまり死亡したら公開できるという条件で収録されている。)

そして、1月下旬の時点で「係争中(まだ判断が出ていない)」だったものに判断が出たのが、4月の半ばである。

その件について記事が出るかなと思って、Bostonをキーワードにネットを見ていたときに飛び込んできたのが、ボストン・マラソン爆弾事件だった。ニュース的にはそれで、「IRAのテープの開示」のことなど、文字通り、吹き飛んでしまった形だ。

米ボストンで、マラソンのゴールライン近くなどで複数の爆発(ボム)【英語圏ツイートなど】
http://matome.naver.jp/odai/2136606815070040401


FBIが、ボストン爆弾事件の「容疑者」の写真・ビデオを公開
http://matome.naver.jp/odai/2136632136425363201


アメリカ版「特定しますた」…ボストン爆弾事件の「クラウドソース捜査」、Redditで行われたこと。
http://matome.naver.jp/odai/2136636603035691201


ネット上の掲示板での「クラウドソース捜査」で、根拠なく爆弾犯と断定された学生の件(ボストン爆弾事件)
http://matome.naver.jp/odai/2136692678557160301


ドロース・プライスはロンドンの爆弾事件(オールドベイリー爆弾事件、1973年)で有罪判決を受けた「テロリスト」だった。

その彼女の「遺言」のニュースを、別の、全く関係のない爆弾事件が押し流してしまったことに、何とも言いようのない皮肉を感じる。

Transcripts of interviews carried out with an IRA woman can now be handed over to the police in Northern Ireland.

The PSNI had been attempting to obtain the transcripts of tapes recorded with Dolours Price, who died in January.

On Monday, the US Supreme Court declined to hear an appeal against handing over the transcripts.

They were made as part of Boston College's 'Belfast Project', which was designed to be an oral history of Northern Ireland's Troubles.

http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-22158392


で、PSNIがテープの内容をほしがったのは、プライスがジェリー・アダムズのある重大疑惑について語っているからだという説明だったのだが、実はこのインタビューではプライスはその話はしていないとの証言もあり、何が何だか、私にはさっぱりわからない。

わかっていたのは、「アカデミックな研究のための聞き取りの記録」が「警察が誰かを刑事訴追するための証拠」となるようなことがあってはならない、という論点である。

その点について、「アカデミックな研究」ではないが「ジャーナリストの調査」に関して、今日、アメリカで非常に大きなことが報じられた。それも最後に書き添えておく。

【報道の自由】米政府がAP通信の通話記録を入手していた件
http://matome.naver.jp/odai/2136851992933594001


まったく、We are living in interesting times. である。

※この記事は

2013年05月14日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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