ほかにもプロテスタントが圧倒的多数であるニュータウンアビーの町にあるカトリックの教会にアラートが出ていたが、これはhoaxと確定した。この同じ教会では何日か前にも同じようなことがあった。
そんなこんなだが、3月17日はアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの日で、(現在では)宗派の区別なく「アイルランド全体のキリスト教のお祭り」として仮装パレードなどが行われる(アメリカやオーストラリアなど、アイリッシュ・ディアスポラのお祭りとして行われるのとは、若干、トーンが違うかもしれない)。今年はプロテスタントのビリーさんは「ユニオン・フラッグ」の旗騒動から聖パトリックの日へとはしごするようで、何だかなあ、というか、今日はスコットランド系の旗騒動の煽動者とかはどうしているのかなあと思ったりもする。
一方で、「シン・フェインのチーフ・ネゴシエーター」だったこの人は、やっぱりすごい。
12hr flight - USA now. Happy St Patrick's Day.Often Ian Paisley snr. RIGHTLY says PATRICKbelongs to us ALL. Going to Mass to pray for ALL.
— Martin McGuinness (@M_McGuinness_SF) March 17, 2013
20年前の1993年3月20日、イングランド、リヴァプールの東、マンチェスターまで行く中間地点くらいにあるウォリントンという町で、IRAのボムが炸裂して、何十人もが負傷させられ、3歳のジェイムズと12歳のティムが理不尽にも生命を奪われた。IRAの「メインランド爆弾作戦」の中でもひときわ「意味」のわからないウォリントン爆弾事件。
なぜIRAの標的になるのかもよくわからないような地味な地方都市で、息子のティムをそんな形で奪われたパリー夫妻はその後、「紛争と和解」を研究しそのために取り組むNGOを立ち上げた。バルカンなど「北アイルランド」とは別の文脈のコンフリクトについても「ともに考えましょう」と関連しているこの方々の活動は、徹底した「対話」にベースがある。そしてその「対話」ということの意味と価値をおそらく一番わかっていて、一番推進しているのが、マーティン・マクギネスだ。パリー夫妻がマクギネスといかによい関係を築いたかを語った記事がミラーにある。「復讐」ではなく「無念を晴らす」ことではなく、「対話」を。
http://www.mirror.co.uk/news/uk-news/warrington-bomb-attack-20-years-1766742
ウォリントン爆弾事件の20年追悼式典は、16日(土)に行われた。いかにも歴史ある街の中心のサークルへとつながる歩行者専用道路の爆弾が仕掛けられていた現場(今はモニュメントが作られている)に椅子が並べられ、最後はこれまでの歳月を表す20個の風船が空に放たれた。
ジェイムズ・ボールは、生きていれば23歳。ティム・パリーは32歳。
「和解と赦し」――20年前、商店街のゴミ箱に設置されたIRAのボムは、子供たちを殺した。
http://matome.naver.jp/odai/2136343869722454301
See also:
2007年09月11日 誰かの「テロ」/「私」
http://nofrills.seesaa.net/article/54943067.html
※この記事は
2013年03月17日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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