Record price for Banksy bomb art
Last Updated: Thursday, 8 February 2007, 09:50 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/6340109.stm
これを受けてBanksyは自身のサイトで、"I can't believe you morons actually buy this shit."(「まさかほんとに買う奴がいるとは信じられません。プ」)と喜びのコメントを出している。

一方で、ブリストル(Banksyの出身地)では、3年前に彼がペイントした壁が家付きで売りに出されているそうだ。
http://arts.guardian.co.uk/art/news/story/0,,2007630,00.html
家の持ち主は、これまでにも売却の話はあったが、買い手が壁は塗りつぶすというので断ってきたという。よって今回は壁を売りに出し、家はおまけ、ということにしたのだそうだ。
この「壁売ります。家付き」はなかなかスパイスの効いたいい話なのだが、最近Banskyというと「セレブが買いたがる」とか「オークションで高値」とかいった話が多くてちょっとつまらん。。。と思いかけて、TATEのあれのことを思い出した。
「TATEのあれ」というのは、TATE BRITAINでの "State Britain" という展示のことだ。パーラメント・スクエアでのBrian Hawの抗議行動のプラカードを、Mark Wallingerというアーティストが再現したもの。1月の終わりから始まって8月の終わりまでやっている。入場無料。
http://www.tate.org.uk/britain/exhibitions/wallinger/default.shtm
http://arts.guardian.co.uk/art/visualart/story/0,,1991719,00.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/6264311.stm
http://www.indymedia.org.uk/en/2007/01/359983.html
※ガーディアン記事にはスライドショーへのリンクがついてます。
Brian Hawは、2001年6月から「イラクへの経済制裁」、およびその後の「イラク戦争」に抗議して、国会議事堂のまん前のパーラメント・スクエアで座り込みを続けている男性。大量のプラカードを据え付け、スクエアにテントを張って、この5年半のあいだ、そこに居続けている。
http://www.parliament-square.org.uk/
Flickrに上がっているブライアン・ホーのポートレイト:

* a CC licensed photo by bsk, Taken on July 16, 2004

* a CC licensed photo by lewishamdreamer, Taken on April 12, 2006
2005年、「国会議事堂から1キロ内での無許可集会等を禁じる」などの条項を含むthe Serious Organised Crime and Police Act(重大犯罪・警察法)を制定したあと、英国政府は、この「座り込みおじさん」を排除しようと法的手段に出たが(今回の展示のあるテイト・ブリテンも、「国会議事堂から1キロ内」に部分的にかかっている。それも取り込んだ展示となっているようだ)、司法は「法律をさかのぼって適用することはできない」と判断、ブライアンの勝訴となった。しかしその後もブライアンと警察の「バトル」は続いている。特に大きく報じられたのは、2006年5月、警察が夜討ちをかけ、パーラメント・スクエアのプラカードを勝手に持ち去った「事件」だが、このときに持ち去られたプラカードのなかには、Banksyが描いたものが2点あった。

*a CC licensed photo by Seb*[Non Monsieur!], Taken on May 9, 2006
警察が勝手に持って行ったときにも既にBanksyは「作品に値段がつく有名アーティスト」になりつつあったと思うが、現在ほど高値ではなかったと思う。あのプラカード、どこでどう保管されてるんだろうか。
問題の本質は「誰が描いた(から貴重だ)」とかいったことではないにせよ、あのプラカード、市場で売り買いされる値段ということでは、ものすごいことになっているはずだ。警察がブライアンのところから勝手に持って行ったのは財産権の侵害、それも相当の金額。もし「うっかり廃棄」とかになってたら・・・。
とか思って何となく記事を検索してみたら、6日付けインディペンデントのPandraというコーナーに、こんな記事が出ていた。
How the Old Bill beat Uri to Haw's £5,000 placard
By Oliver Duff
Published: 06 February 2007
http://news.independent.co.uk/people/pandora/article2241429.ece
いわく、Banksyからあのプラカードをプレゼントされたブライアン・ホーと、警察と、ユリ・ゲラーの3者で、あのプラカードを取り合っているという。
何でユリ・ゲラーが出てくるのかよくわからないのだが、2006年5月に警察が勝手に持ち去る前に、ゲラーは「ピース・シンボルを描く2人の兵士」のプラカードを買いたいと言っていたのだそうだ。ゲラーいわく、「私は兵器というものには反対していますので、車でブライアンの側を通ったときにあの絵を見て即座に車を止め、スクエアの芝生の上を走って行って、譲ってもらえないかと頼んだんです。£5,000でどうだろうか、と。今でも手に入れたいですよ。警察からあの絵を出す手段があるのなら、出したいですね」。
一方のブライアンはゲラーのことを「ずうずうしい奴(cheeky boy)」と言っている。「ある晩突然やってきたのだが、顔を見ても誰だかわからなかったので、目の前でスプーンを曲げてユリ・ゲラーだと証明してもらった。スプーンは曲がったよ。サインもしてもらった。でもコーヒーをかき回すのに使ってきたから名前は消えちゃったけどね。もし名前が消えてなかったら、eBayに出すんだけど」。
・・・そんな、テレビのバラエティ番組の台本のようなことがほんとにあったとは。
ブライアンまた曰く、「売り物じゃないと言っているのに、ユリ・ゲラーはあの絵が欲しいと言ったんだ。£1,000でどうか、と。相当イライラしてたなあ。今じゃあ、あの魔法の手でもうちょっとゼロを書き足さないと足らないだろうけどね。いずれにせよ、あの絵は警察が勝手に持って行ったんだ」。
なお、Banksyはブライアンのために新たにプラカードを描こうとしているらしい。ピンクのハート型の絞首刑用の縄だそうで。
Banksyの「作品」の画像、彼のサイトで高解像度で無料ダウンロード可能です。何でも、彼の作品を高解像度で印刷してeBayで高値で売るという行為が横行しているらしい。
http://www.banksy.co.uk/shop/
![]() | Wall and Piece Banksy Century 2006-11 by G-Tools |
![]() | Cut It Out Banksy Weapons Of Mass Disruption 2004-12-14 by G-Tools |
![]() | Banksy Locations and Tours Martin R. Bull Shell Shock Publishing by G-Tools |
※この記事は
2007年02月10日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7124575.stm
今年のターナー賞候補は、先進国の深刻ぶったポストモダン的悪ふざけみたいなものではなく、もっと「わかりやすい」メッセージ性のあるものが多かったみたいです。Zarina Bhimji とか。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_pictures/7050583.stm