「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2007年01月19日

あの人この人ブッシュ批判

「だれそれがブッシュ大統領(の外交政策)を批判しました」なんてのはもう「ニュース」にもならないんではないかという気がしますが、「あの人が!」という人が批判するとやっぱりニュースになるんでしょう。

ピーター・ヘイン(英国閣僚)
http://news.scotsman.com/politics.cfm?id=91552007
"The neo-con mission has failed.

"It's not only failed to provide a coherent international policy, it's failed wherever it's been tried and it's failed with the American electorate, who kicked it into touch last November."

Mr Hain said the problem for the government has been to "maintain a working relationship with what was the most right-wing American administration, if not ever, then in living memory".


ミハイル・ゴルバチョフ(元ソ連大統領)
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/story/0,,1992957,00.html
There is a real danger of a new division of the world; the possibility of a new cold war is being widely discussed. Without regard for the security council or for the opinion of other countries, including its partners and allies, the United States invaded Iraq with disastrous consequences. The arrogance of military power has led to a grave crisis - and to a decline of the United States' role and influence.

...

If America's leaders have the foresight and the courage to look at the world as it really is, they would choose dialogue and cooperation rather than force. What is needed is not a worldwide web of military presence and intervention, but a restraint and a willingness to solve problems by political means.


ピーター・ヘイン(1950年生まれ)は、ウェールズの選挙区から選出されている下院(庶民院)議員で、労働党所属。現在ブレア政権でウェールズ担当大臣と北アイルランド担当大臣を兼務しているので、北アイルランドの文脈でこのブログではたびたび名前が出ますが、ご両親は南アフリカ人でアパルトヘイト反対運動の活動家で、ピーターが15か16歳のときに英国に逃れ、ピーター自身も若いころにアフリカの人権問題についての政治的な活動をし、1度現金強奪犯として誤認逮捕されたこともあります(仕組まれていたらしい?)。1977年にAnti-Nazi Leagueを立ち上げた人たちのひとりでもあります。
http://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Hain

というわけで、ものすごく乱暴にまとめてしまうと、米国の右派のみなさんが「うるさくてかなわん欧州の人権屋どものひとりか!」と言いたくなるであろうバックグラウンドを持っている、という感じでしょうか。

ピーター・ヘインの発言が注目されるのは、彼が「ウェールズ担当大臣兼北アイルランド担当大臣」だからではなく、彼が次の労働党党首選挙で副党首として立候補することを言明しているからです。

与党の副党首になれば、事実上自動的に副首相になるわけで、そういう意味で彼の発言は注目されるし、「ピーター・ヘインがブッシュ批判を展開するなか、ブレアがライス国務長官と会う」などという語りがされることになります。

Blair meets Rice after Hain attack
Press Association
Thursday January 18, 2007 7:08 AM
http://www.guardian.co.uk/uklatest/story/0,,-6353788,00.html

ジョン・ピルジャーだったかな、「政治のニュースをスポーツの試合の中継のように見るのはよくない」ということを言っていたのだけど、こういう語りはそういうことなのかもしれない。でも、こういう語りがされることによって、ああ、なるほど、と思えてくる部分もあったりするわけです。

ゴルビーの文@ガーディアンCiFは、英文ライティングの作法どおりにきっちりと書かれた文章で、非常に読みやすいです。ご一読のほど。

文章末尾のゴルビーのメールアドレスには「へっ?」と思わされますが、多分こういうことだと思います。

※この記事は

2007年01月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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