kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年04月14日

Union Jack 400周年――およびデイリー・テレグラフ記事をいかに要約するか

現在の英国の国旗である「ユニオン・ジャック」の「ユニオン」とは「連合」を意味し、それはすなわち別々の王国の連合であり……ということは、英国に興味のある日本人の方が、英国人よりよく知ってたりする。

というわけで、イングランドとスコットランドの連合で「ユニオン・ジャック」の原型ができてから、今年で400年。BBCがMagazine(読み物)で記事を立てている。読者コメントもなかなかおもしろい。

Union recognition
By Jonathan Duffy
BBC News Magazine
http://news.bbc.co.uk/1/hi/magazine/4895076.stm

一方、ちょいと見かけた時事通信記事、「ユニオン・ジャック400年=「誇り」「不支持」、多様な意見−英」(4月13日)

 【ロンドン12日時事】「世界最古の国旗」の1つとされるユニオン・ジャック(英国旗)が12日、誕生から400年を迎えた。来週のエリザベス女王の80歳の誕生日と併せ、改めて「英国人らしさ」を見詰め直す機会となっている。
 ……
 12日付のデーリー・テレグラフ紙は「ユニオン・ジャックは大英帝国時代からサッカーのフーリガンに至るまで英国人気質を包含しており、君主制と同じくらい象徴的な存在」と指摘。BBC放送がホームページでコメントを募ったところ、「人々や国を一体化するユニオン・ジャックをもっと誇りに思うべきだ」「(イングランドに併合された歴史を持つ)スコットランド人としては決して支持できない」など多様な意見が寄せられた。 
(時事通信) - 4月13日7時1分更新


少ない字数でまとめるのは大変なことだ。それにしてもこの時事通信記事におけるテレグラフ記事の扱いはちょっとどうかと思う(さらに言えば、その後ろのBBCへのつながりも)。

その部分だけ再度引用。
12日付のデーリー・テレグラフ紙は「ユニオン・ジャックは大英帝国時代からサッカーのフーリガンに至るまで英国人気質を包含しており、君主制と同じくらい象徴的な存在」と指摘。


「大英帝国」と「フーリガン」と「君主制」を等価のものとして扱う、なんてことは、考えられないわけですよ、皮肉としてなら別だけど。ましてやテレグラフがそんなことをするはずがない。

日本で言い換えてみると、例えば「能や歌舞伎といった様式の完成された芸能」と、ベンジャミン・フルフォードが書くような「暴力団の世界」と「天皇制」を、「日本」というだけで等価に扱うようなもので、そういうのはオリエンタリズムでは発生するけれど、英国のバリ右翼(proud to be British!系。だから「アメリカのパシリではない」系の言説が丁寧に扱われる)の新聞がやることではない。

こういうのはね、元記事を必ず見ましょう。
More British than fish and chips
By Adam Edwards
(Filed: 12/04/2006)
http://www.telegraph.co.uk/opinion/main.jhtml?xml=/opinion/2006/04/12/do1201.xm
l&sSheet=/opinion/2006/04/12/ixopinion.html


It embraces empire and Swinging London, Cool Britannia and football hooliganism. It belongs to the Right-wing politician and the Left-wing union. It is the proud symbol of both the patriot and the expat and is displayed with equal pride on our government buildings and our citizens' bodies.


要素として出てくるのは、
・帝国(でも小文字だ。不思議)
・スウィンギング・ロンドン(60年代)→こういうシンボリックな画像もこの時代のもの
・クール・ブリタニア(ブレア政権発足時のキャッチフレーズでRule Britanniaのもじり)
・フーリガン
・右翼の政治家
・左翼の労組
・愛国者がシンボルとするもの
・国外居住者がシンボルとするもの
・政府系機関に掲げられるもの
・非政府系のところでも掲げられるもの
ということで、要するに「時代・世代を超え、政治的立場を超えて共有されている」ってことが言いたいんだろう。

で、これを「帝国からフーリガンまで」とか「英国人気質」と言うことが果たして妥当なのかっつーと、妥当じゃないだろうね。

だってテレグラフの書いてることは、ひらたく言えば「右翼も左翼も」ってことで、「帝国」「フーリガン」「英国人気質」は、ふつうに考えて、どれも「右翼」のものだし。

時事記事の「英国人気質」ってのはどの部分を日本語にしたのかイマイチわかりづらいんだけど、原文でそれに相当すると思われる"Britishness"という表現が出てくる箇所は次のようになっている。

And yet despite its postwar status as a logo, it can still cause upset as a rallying banner. London's Southwark council outlawed it from council buildings during the last World Cup because it feared "a display of Britishness" would alienate ethnic minorities. That same year Billy Bragg sang the anti-Jubilee song Take Down the Union Jack.


ね? 時事通信記事の「まとめかた」がいかにズレてるか、わかるでしょ?

で、日本で日本語記事になったものに基づいて「風潮」やら何やらが形成されてくことには何の不思議もなく、また私はそれに対して異議を唱えるとかいうんじゃないんだけど、その日本語記事がこういう風に、原文とまったく違うように「まとめられて」いることが少なくないから、弱小ウェブログでいちいちこういうツッコミ記事を書いてみたくなる次第。

こないだ買った本が「誤訳」ばかりでなかなか読めないんだけど(テロ組織のcellが「独房」って訳されてるようじゃダメでしょ。編集者は猛省すべき)、そういう「誤訳」よりも、こういう「間違った要約」の方が多分、罪は深いと思うんだよね。

で、私は「要約」はけっこうヘタクソだと自分で思ってるんだけど、それでもやっぱり、原文の主旨を曲げて「要約紹介」することはしてないと自分では思ってます。

で、The Terrorism Act 2006が発効したり(13日)、Terrorism Act 2006の成立前、the Prevension of Terrorism Actによるcontrol orderが人権法に違反していると裁定されたり(12日)と重要なことがいろいろあるのですが、そういうのはちゃんと記事にできる余裕がないので、「はてなブックマーク」を見ていただけると幸いです。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/

「はてブ」は基本的にはオンライン・ブックマークというかリンク集なのですが、100字でコメントがつけられるので、100字で書けることは全部あっちでやってます。といっても大半は自分用のメモです。(「自分用のメモ」であることは、このブログでも基本的には同じなんですが。)

※この記事は

2006年04月14日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 04:09 | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼