「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2006年04月06日

頭にくるthe Independentの根拠のない断定。

英国の全国紙で「クオリティ・ペーパー」と呼ばれる新聞のなかに、the Independentってのがある。創刊は1980年代だったか、とにかく新しい新聞で、労働党とthe Guardianとか保守党とthe Daily Telegraphとかいう関係が明確な英国の新聞界の中で、文字通り「ヒモついてません」的なスタンスで売ってきた新聞だ。(だけど2005年の総選挙のときは新聞あげてLibDemについたのだが。)

さっき、デニス・ドナルドソン殺害(1つ前の記事参照)についてのこの新聞の記事を読んだのだが、エイプリルフールでもないのに何を冗談かましてやがるって感じ。

何にもわかってないような段階で「ドナルドソン殺害はIRAの仕業なのではないか。そういうのは何も珍しいことじゃないだろう」と言うことが、「冗談」と呼べるのであれば、だが。

下に引用するのは、17段落もある記事の4段落目。ここまで読んでその先は読んでない。紙で読んでたら破いてるね、ほぼ間違いなく。

The Execution: How an IRA man turned British spy met his brutal end
By David McKittrick, Ireland Correspondent
Published: 05 April 2006
http://news.independent.co.uk/uk/ulster/article355812.ece
There is no mystery about why he was killed, since the IRA makes no secret of its hatred and contempt for informers and agents in its ranks. Republican organisations have killed many over the centuries, including scores in recent decades. But the question is exactly who killed him and whether his assassination was sanctioned by the IRA leadership. The answer will determine the immediate political future of Northern Ireland.
なーにが、The answer will determine the immediate political future of Northern Ireland.だ。バカか。

仮にIRAが「処刑」の決定を下したとしよう。それで、今のこの微妙な位置にあるIRAが「はいそうです」と認めるか? 認めねぇだろ、普通に考えて。

(……念のため、これ↑は「ボケ」です。)

ってなことより、何よりハァ?なのが、上に書いたように、「ドナルドソン殺害はIRAの仕業なのではないか。そういうのは何も珍しいことじゃないだろう」と、死体が見つかった、自殺ではなく殺されていたということ(警察発表までの短い時間に「自殺したのでは」と考えた人たちは少なくないようだ)しかわかっていない段階で言ってのけてること。

2005年7月7日のときに、日本では第一報の段階から「イスラム原理主義勢力」の関与がほのめかされていて、何を根拠にと私は静かに怒っていたのだが、それは私がいわゆる「イスラム原理主義」の味方だからではない。単に、(その時点では)根拠がなかったからだ。

今回も同様に、単に根拠がないことから、the Independentのこの記事には、心の底からハァ?と叫んでおこう。

しかもこんな「ハァ?」な記事が1面トップなんだから、どんなに罵倒し倒しても罵倒しつくすことはできない(cannot 〜 too ... の構文)、という気分である。

inde_5april.png

私は、いくつもの選択肢の中からこの新聞を選んで読むことは、日常的にはしない。

その理由は、まず、オンライン版は記事がすぐに有料になってしまうか、あるいは最初から有料かですこぶる不便だから。次に、BBCとガーディアンをざっと見るだけでも時間はかかるから。そして、この新聞の北アイルランド報道はまったくあてにならないからである。(この新聞の最近の一般的な報道自体はちょっと脇に置いておくが、この例のようにひどいものばかりではないということは書いておく。)

「北アイルランド」ってのはややこしい。名称そのものからして「政治的」である。

あの場所の表し方は英語では3通りある。the Northern Ireland, the North of Ireland, Ulsterの3つだ。

日本語で「北アイルランド」と呼ばれる地域において、the Northern Irelandは現在の英国が用いている公式な表現。the North of Irelandはアイリッシュ・ナショナリズムで用いる表現(南北の「国境」のない共和国のオフィシャルな地図でも、あの場所はthe Northである)。Ulsterはユニオニズム/ロイヤリズムで用いる表現。この語には由来があるが、今はめんどうなのでその由来については書かない。

で、英国の新聞the Independentは、「北アイルランド」関連のニュースを、Ulsterというカテゴリに入れてる。

つまり、そういうこと。ナショナリズム/リパブリカニズムが大嫌いな新聞なのだ。

北アイルランドという決して単純ではない場所について、そういう姿勢で伝えているということだけで、この新聞の北アイルランド報道がどういうものなのかはわかるのだが(っつーか、Ulsterと書いてる時点で立場を宣言してることになる)、実際に中身もひどい。

わかってはいたことだが、今回の記事(上のもの)で、「根拠のないことを書く」という最悪の形で、再確認させてもらった。

私はこの新聞にはビタ一文貢献したくない。

今後、ドナルドソン殺害事件についてもっと多くのことがわかったときに、やはり「IRAの処刑」であったことが判明したとしても、そのことでこの新聞を高く評価する気にはなれない。

※この記事は

2006年04月06日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 00:57 | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼















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