「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2012年12月03日

「アイリッシュ」、「イングリッシュではない」etc etc

日曜日に、画面見て、若干椅子から落ちそうになった件。

pmorganirish.jpg

現在はNYCを拠点とし、CNNで番組を持っているピアース・モーガンは、イングランドの出身である。正確にはサリー州のギルフォードだ。1965年、歯科医のEamon Vincent O'Mearaの息子として生まれている。しかしこのお父さんは、ピアースが1歳のときに他界。その後、母親が再婚し……といったことはウィキペディアに書かれているのでご参照されたい。

O'Meara(オミーラとか、オメーラとカタカナで表記される)は、アイリッシュの名前である。
http://www.goireland.com/genealogy/family.htm?FamilyId=236

しかし、イングランドで生まれ育った彼が、「私はEnglishではない」というとき、それはどういう意味か。

おそらく、元発言のアメリカの人は「アメリカ人ではなく、英国からきた」=「イングリッシュ」という単純な語法で話しているのだろう(イングランド、スコットランド、ウェールズ……の区別をつけている、というよりは)。日本の教科書でも、私が中学のときはEnglishは「英語」以前に「イギリス人」だった(グリーン先生だかブラウン先生だかホワイト先生だかがEnglishだった)。だが英国はそれほど単純ではなく、日本の中学教科書も今はEnglish=「英語」の意味で出てくるだけになっている。(今、「イギリス」の訳語として「正しい」とされているのは、Britainだ。)

さて、今年、結局まともなエントリとして書けそうにないのが、「アイリッシュ」やら「ノーザン・アイリッシュ」やらという「アイデンティティ」についての文章だ。

北アイルランドでは、旧来の「ブリティッシュかアイリッシュか」(つまり「ユニオニストかナショナリストか」)というアイデンティティ意識が薄れ、「ノーザン・アイリッシュ」という認識が広まっているというのは、この数年、アンケート調査などでも裏付けられるようになってきている。

特に、「国の代表」としてプレイすることがあるスポーツ選手はそれについて意識し発言することが多くある。これまではほぼ自動的に「ナショナリスト」(=「アイリッシュ」)ということになっていた宗教的バックグラウンドを有するプレイヤーが、「アイリッシュと言われてもピンとこない」と述べてニュースになったり(2016年の五輪でゴルフの競技があるため、必ず「代表」となるであろうロリー・マキロイ)、一方ではデリーのボグサイド出身のフットボーラーが、所属するイングランドのリーグで11月11日にピッチのみなが胸につける(刺繍で)レッドポピーを拒んで、イングランドで大騒ぎになったりしている。




また、女性アイドルグループのメンバーでデリーのカトリックというバックグラウンドを有するタレントが、英国女王について、「 "Queen of England" にお会いすることができました〜〜。超光栄です!」という言い方をして、叩かれたりもしている。(「超光栄」云々が叩かれているわけではない。念のため)




しかるに、DUPのピーター・ロビンソンなどはその「ユニオニストか、ナショナリストか」の境界線を曖昧にすることで、「シン・フェインやSDLPのような左翼的政策を掲げる政党には実は納得していないカトリック」を取り込もうとしている。かつて、欧州議会でローマ教皇を悪しざまに罵ったイアン・ペイズリーが立ち上げた「プロテスタント過激派」の政党は、「中道保守」として自身のリブランドをしようとしている(が、党内でも微妙な反応らしい。当たり前よね、ピースウォールが厳然としてそこにある状態で言葉だけ先行しはしない)。

そんなこんなで……。




@ConallMcDはSDLP所属の北アイルランド自治議会議員。

これに対し、こういう↓「まっとう」なレス。




でもこれ、「意味」は、簡単にはわかんないよね。

複雑だよね。難しいよね。

でもそういったことが、「北アイルランド紛争」が「和平」に向かう上での妨げになったかどうか?

中東について、「知れば知るほど複雑だ」とか「英国がー」とか「オスマン帝国がー」とかいってる人を見ると、そうじゃなくて、単に今、ガザが不当に封鎖されている状態を、西岸地区に国際法に違反した状態で次々と建設される「入植地」を直視すべきだろう、といちいち指摘しなければならないのだろうと思う。

だって「複雑」なことを見て、「なるほど、これは複雑だ」って言ってれば、ものを考えてる気になれるからね。「考える」という欲求は、それで満たされてしまう。

必要なのは「考える」ことではなく、「知る」ことであるときに。

かくして、ノイズばかり大量生産される。

あんたたちの「知的欲求」を満たすために、「パレスチナ問題」は存在しているんじゃない。それは「アイルランド問題 the Irish question」も、「北アイルランド紛争 the Troubles」も同じだ。



フクザツだー、フクザツだー、難しいー、解決しっこないー、って言ってたい人は、このスレ読むと欲求満たされると思うよ。

SF/SDLP to name a childrens playground after a dead IRA terrorist
http://www.politics.ie/forum/northern-ireland/200911-sinn-fein-sdlp-name-childrens-playground-after-dead-ira-terrorist.html

※この記事は

2012年12月03日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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