「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年12月27日

Wikipediaの独自の検索エンジンと日本語の意外な関係?

TechCrunchの12月25日記事:
http://jp.techcrunch.com/archives/wikipedia-to-launch-searchengine-exclusive-screen/
Wikipedia、独自の検索エンジンを準備中―独占スクリーンショット
Michael Arrington

英国のThe Times紙は今日(米国時間12/23)早く、WikipediaのファウンダーJimmy Walesが来年、「Wikiasari」と呼ばれる新しい独自の検索エンジンサービスをローンチすべく準備中だと報じた。【→Founder of Wikipedia plans search engine to rival Google, 23 December 2006】……

Wikiベースのサービスなので出てくる固有名のどれもこれもwikiがついてて私には読みづらいニュースだし、読んでもよくわからない。

たとえば、TechCrunch記事内の「Wikiasari」のリンクwww.wikiasari.comなのだが、実際にアドレスバーに表示されるのはsearch.wikia.com/wiki/Search_Wikiaだったりする。

にしても、Wikiasariって変な名称ですね。英語っぽくなさすぎる。

the Times記事によると、Wikiasariとは、
Mr Wales told The Times that he was planning to develop a commercial version of the search engine through Wikia Inc, his for-profit company, with a provisional launch date in the first quarter of next year.

というわけで、Wikia Incという会社の出す商用サーチエンジンがWikiasariということらしい。んで、記事では「Amazon.comが一枚噛んでるらしい」とか「シリコンバレーのお金らしい」とかいうことがメインなのだが、この点についてはWikiasariのサイトでは、「Amazonはこのプロジェクトとは一切関係ない。確かにAmazonはWikia Incに投資をしているが、この点については事実ではなく憶測が語られすぎだ」という調子(原文では、Amazon has nothing to do with this project. They are a valued investor in Wikia, Inc., but people are really speculating beyond the facts.)で否定されている。

という話はあんまり関心がないのだけど。。。本題はWikiasariという名称。The Times記事によると:
The project has been dubbed Wikiasari ― a combination of wiki, the Hawaiian word for quick, and asari, which is Japanese for "rummaging search".

・・・へっ? asariは「漁り」ですか?

rummageというのは「道具箱の中を引っ掻き回して探す」とかいうときに使う英語なので「漁り」でいいはずだけど、どうせなら「漁り」(連体形)じゃなくて「漁る」にしてほしかった。。。asariでは、私の連想は「ボンゴレ」に「酒蒸し」に「お味噌汁」というクッションを置いてから「潮干狩り」に至り、そこから「そうか、searchだから『漁り』か」と気づく、という具合に、思考があちこちうろうろしてしまう。

生まれてこの方、「バザールでござ〜る」とかいった言語感覚のど真ん中にひたっていると、wikiasariという名称でsearchを連想させようという非日本語話者(だよね、ジミー・ウェールズって)の試みには、違和感と同時に、興味深い驚きとでもいうようなものを覚える。

ついでにググってみたら(「打倒Google」の記事を探すのにGoogleを使う一般ユーザー)、次の記事がヒットした。

Wikiasari search engine to arrive soon
http://www.themoneytimes.com/articles/20061224/wikiasari_search_engine_to_arrive_soon-id-102483.html
The name, 'Wikiasari' is taken from wiki, Hawaiian for "quick," and asari, Japanese for "rummaging search" and it uses the same user-based technology as Wikipedia.

上のタイムズからの引用箇所と同じことをほとんど同じように書いているのだが、微妙に違う。間違い探しのように見てみると、「リライト」のテクニックがちょっとわかるかも。

しかし、「Wikiasari、略してWikia」とかいうめんどくさいことをするんなら、最初から略さなくても覚えられるような名称にすればいいのに、とちょっと思う。しかもその略称のWikiaはWikia IncのWikiaとは別の意味なの?

だからTechCrunchも混乱するのでは、と。(これに対するWikia Incからの返事は、"This project has also nothing to do with the screenshot TechCrunch are running (which belongs to Wikisearch), and this search project has nothing to do with Wikipedia."

・・・と思ったら何よこれ。
http://search.wikia.com/wiki/Search_Wikia
Wikiasari?

Wikiasari is and will not be the name for the free search engine we're developing. It was the name of a former project (see history).

Wikiasariというのは、私たちが開発しているフリーの検索エンジンの名称ではなく、今後もその検索エンジンをそう呼ぶことはありません。Wikiasariとは以前のプロジェクトの名称です(historyをご参照ください)。

・・・ってことは、そもそもの23日のタイムズの記事が―― The project has been dubbed Wikiasari 「そのプロジェクトはWikiasariと呼ばれている」という記述が――「事実と違う」って話?

記者が早合点したのか、Wikia Incが説明不足だったのかわからないけれど、どーーも、「意味不明で覚えづらい新語」だったことに元凶がありそうな気が。(^^;) 逆に、「を!」と思って強烈に印象に残ってしまったのかもしれない。asariは英語話者にはおそらく「聞きなれない音感」だろうし(語強勢をどこにおいたらいいのか、見当がつかないと思うよ)、「おもしろい名称ですねぇ」的に。

というわけで、つまりWikiasariというのはいわば「誤報」なのだけど、もう広まっちゃってるのかもしれない。

さっきGoogle Newsで見つけた12月26日の米国の記事(Macworld)でも次のようになってる。
Jimmy Wales announced plans to develop the search engine, to be named "Wikiasari," or "Wikia," for short, in a Dec. 23 online posting.


んー、この「23日のポスト」からたどった
http://search.wikia.com/index.php?title=search:Wikiasari&oldid=705
によると、Wikiasariという名称は公募(@2004年)だったのね。

で、
http://search.wikia.com/wiki/search:About
... as of March 2006, the name "Wikia" was given to the wiki hosting service previously known as "Wikicities" ..., leaving this project no name other than the name previously given to its search engine software, Wikiasari.

つまり、「ほかのプロジェクトとかをやっている間に、Wikiaという名称が別のサーヴィスの名称となってしまったため、このプロジェクト(旧Wikia)が名無しになってしまい、検索エンジンプロジェクトの昔の名前(Wikiasari)で出ています、ということになった」とのことです。

ありゃりゃ。(^^;)

※この記事は

2006年12月27日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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