「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年12月26日

2007年の英国の値上げとポンド高(もしくは「一気に倍」メソッド)

ポンドが高すぎるので、来年はロンドンへの観光客が減少するのではないかという観測があるそうだ。

UK tourism 'will suffer in 2007'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6209847.stm

確かにポンドがやけに高い。今日のレートで、£1は約「232.58円」。米ドルに換算すると「1.9574米ドル」と、2ドル目前だ(手数料があるので、実際に両替すると2ドル超だろう)。

一方で、VisitBritain(政府観光庁)では「2007年には観光客数は増加」という見込みなのだそうだが、その根拠については記事には書かれていないのでわからない。

高いのはポンドだけではない。

The Tourism Alliance claimed that Air Passenger Duty was set to double, and visas were to become more expensive, providing a "substantial disincentive" for overseas visitors.

Air Passenger Duty(英国の航空旅客税)が2007年2月1日から引き上げられる。各航空会社や旅行代理店、格安航空券などのサイトに書かれているが、例えばVSでは次のような告知を出している。
http://www.virginatlantic.co.jp/flight/reserve/index.php
<2007年2月1日以降ヒースロー空港よりご帰国されるお客様へのご注意>
2007年2月1日(木)以降英国ヒースロー空港よりご帰国されるお客様につきましては、
英国航空旅客税( Air passenger duty)が以下の通り、変更されます。

■アッパークラス/プレミアム エコノミー ・・・・ £40 → £80
■エコノミークラス ・・・・・・・・・・・・・・ £20 → £40

……

※2007年4月1日以降、英国旅客サービス料も£13→£14.10に変更となります。

こういう、有無を言わさず払わせる金を「一気に倍」にすることについて、何ら疑問を感じていないどころか、「それでも観光客は増える」と見込んでいるらしいVisitBritain、「さすがは英国だ」とでも思わなければ混乱するばかりである。(ちなみに「さすがは英国」は思考停止ワード。)

ちなみに、値上げ後のエコノミークラスの航空旅客税の£40を換算すると、今日のレートで約9300円である。5000円くらいまでなら「まあ、しょうがないよな」と思うけれど、10000円近くなると非常にばかばかしい。旅行なら、LONDON IN, LONDON OUTではなく、出国は大陸のどこかにしたほうがいいのかも(といっても欧州便でも航空旅客税は倍額の£10になるのだけど)。

下記のサイトに各国のair taxの一覧があるので、ご参考までに。実際にプランを決めるときは、旅行代理店や格安航空券の窓口の人に、ロンドンから日本に向けて出国すると1万円近くとられることを自分は知っているのだということを明示したうえで、欧州大陸のどこならそれより確実に安くなるのかを訊いてみる(試算してもらう)のがよいと思う。
http://www.jtb.co.jp/visa/lookjtb/sc/taxlist.aspx?AreaCD=EUR
http://www.etour.co.jp/air_tax/eu.html

なお、この「一気に倍」は「やたらと飛行機ばっかり利用しているのは環境によくありません」ということで正当化されている面もありそうだ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/5251022.stm

なるほどね。。。なわけないじゃん。正直に「歳入を増やす必要がある」と言うだけならいいけど、「環境問題」で正当化されるってのはちょっとイラつくよね。例えば、東京で、毎日節電につとめ、自家用車は持たず、天気の許す限りはなるべく自転車を使って、飛行機は1年に1度かそれ以下しか使わないが、2年に1度くらいはロンドンに観光に行きたい、という人でも、「飛行機を使うだけで環境にやさしくないのだから1万円徴収」じゃあ、やってられん。しかも英国は戦争という形で環境を破壊している当事国。イラク戦争のときに英国政府の誰が「環境問題」を考慮した? 

それにしても、おそるべし、英国メソッド。さすがは「(肥満は成人病の元となり、国庫に負担をかけるので、)脂肪分の多い食べ物には課税」とかいったことをまじめに考える人たちが主導権を握る国家は違う。ロンドンの交通料金をアホみたいに「値上げ」(現金払いに限り)して、ICカードへの切り替えを促すということも現に行なわれているし。


※この記事は

2006年12月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | london basic info | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
空港税の件、ちょっとめんどくさいことになっとるようです。

Airports face chaos over tax rise
Last Updated: Saturday, 13 January 2007, 09:04 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6258213.stm

ブラウン財務省が空港税の引き上げ(今年2月1日から)を発表したのが昨年12月6日。

で、発表前に2月1日以降の航空チケットを買った人についての「航空税の引き上げ分の差額」をめぐって、混乱が発生しているというのがBBC記事の内容。

具体的には、Ryanair、EasyJetとMonarch airlineは、対象の顧客(航空券購入者)「差額を払ってください。さもないと飛行機には乗せられません」として連絡を取るなどしている。

Jet2は、顧客が航空券購入時に入力したクレジットカードの番号を持っているので、そこから自動的に差額を引き落とす。

BAは差額については新たな負担は求めない方針。

BMI Baby はまだどうするか決めていない。

というわけで、英旅行業協会的には、12月6日より前に航空券を購入した人(発券じゃなくオンラインでの購入手続きの段階のことだと思います)で、旅行が2月1日以降の人は、各航空会社に確認をとってください、とのことです。
Posted by nofrills at 2007年01月14日 00:21

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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