kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2006年11月28日

「インテリジェント・デザイン」が教育現場に?

27日のガーディアンの一面:
http://digital.guardian.co.uk/
guardian20061127.jpg

右側の写真つきの記事は、イアン・マキューアンの『贖罪』に盗作疑惑かという日曜日のメイル紙のネタを受けてのマキューアンからの反論(ガーディアンのブログで概要がわかります)。これはメイル対ガーディアンの対決の構図というか、キャッチーな話題を一面に持ってきましたというだけだろう。(実際、この「盗作疑惑」そのものが一面に来る意味はほとんどない。)

左側の、"Revealed: rise of creationism in UK schools"という見出しの記事が、今日のトップニュースだ。

Revealed: rise of creationism in UK schools
James Randerson, science correspondent
Monday November 27, 2006
http://education.guardian.co.uk/schools/story/0,,1957858,00.html

ガーディアンのトップページの一番下にある「最も多く読まれた記事」でも、これが1位になっている。(2位がニューヨークでの警官による射殺事件の記事、3位がマキューアン「盗作疑惑」、4位がクリケットで5位がリトビネンコ事件関連。)

この記事が報じているのは、笑っている場合ではないとわかっていながらも、ついつい笑ってしまうような話だ。その笑いは「苦笑」なのだが。

Truth in Science(「科学における真実」)という団体(official site)が、9月18日、国内すべての中学校(secondary school)の理科教務主任宛てに、DVD2枚とマニュアルの「教材セット」を送付した。

セットには感想を寄せるハガキが同封されており、89校から返送があった。うち59通が肯定的な感想、15通は否定的で、15通はこの教材は「適切なものではない(not suitable)」というものだった。

このTiSという団体、そして彼らの「教材」、その中身は・・・「インテリジェント・デザイン」(以下「ID」とする)。

この「教材セット」を受け取った学校のうち、どのくらいの学校が、これを実際に使うのかはわかっていないし、どのように使うのかもわかっていない。

DVDはアメリカで制作されており、シアトルのシンクタンク、ディスカバリー・インスティテュートと関連する人物が複数出ている。このシンクタンクはIDの普及促進に努めている。ガーディアンのWho are Truth in Science?という記事にDVDの題名などが書かれているが、TiSはディスカバリー・インスティテュートの代理というか、そういう立場の団体かな、と思う。設立してからまだ浅いようだし、つまり昔からある団体ではない。わざわざ設立したからには何か目的があるはずで、それは「科学教育の普及促進」といった表看板の文言だけでは語りつくせていないだろう。

というわけで、Wikipediaからそのディスカバリー・インスティテュートのサイトに飛んで、Blogを見てみたら……くはー。香ばしいものが!(下図)
diblog.png

なんてことはどうでもいいんだけど、この「英国の学校にDVDばら撒き」については特にエントリはないみたい……ていうか、ブログ開いていきなりこれでは、個人的に、めげる。何よこの量。(^^;) 一応見出しだけ見たけど、関連のものはなさそう。

ガーディアンの記事に戻ろう。

この「教材」を受け取ったリヴァプールのBluecoat schoolの化学(chemistry)の教務主任は、ダーウィニズム(「進化論」)のオルタナティヴとしてIDを提示するために、これらのDVDを使うつもりだと取材に答えた。「ダーウィニズムを否定的に見ているからといって、それだけで科学ではないということにはならない。ダーウィニズムを批判することは適切なことだと私は考える」。

「化学」の先生に、ダーウィニズムをどう教えるかについての決定権があるんですかね、この学校は。(と思ったら、ガーディアンのブログの読者コメント、5つ目に「この学校の出身者ですが、この教諭、狂信的なボーン・アゲイン・クリスチャンで、トンデモです。どうしてまた化学の教諭が生物に口出しを」という書き込みが。。。(^^;)

教材を送付したTiSのメンバーは、「私たちはダーウィニズムのセオリー(理論、もしくは説)を教えることを攻撃しているのではなく、ダーウィンのセオリーへの批判を教えるべきと言っているだけです」と述べている。また、IDは宗教的なものへの示唆があるということも認めている。

そんなことを言っていると、英国がスパゲッティに乗っ取られてしまうよ。。。(^^;) 「ジェダイ」の次はパスタファリアン、ってことになりかねない。

ID支持者は「自然界の経験論的証拠(empirical evidence)から、何かがデザインをしたことは明らか」などと主張しているが、科学者たちは「IDの裏づけとして必要なのは超自然的理由であり、ゆえにIDは科学ではない」と一刀両断。ロンドン大学の発生生物学者でthe British Humanist Associationの副会長であるルイス・ウォルパート(Lewis Wolpert)は、「IDの証拠など何もありません。IDは完全に宗教であり、科学とは何も関係がない。科学の授業では禁止されるべき」と語る。

しかるに、TiSの理事でリーズ大学の熱力学の教授のアンディ・マッキントッシュは、「TiSは、(主流とは)異なる事実をまとめあげた人間の集まり("We are just simply a group of people who have put together ... a different case.")」と述べている。(なんでまた熱力学の先生が生物学の分野の話に……。)

英国政府は「IDも創造論(creationism)も、科学的な論とは認められない」とはっきり述べており、国会の科学・技術委員会の委員長(LibDemのフィル・ウィリス議員)は、このような「教材」が使われることに危惧を表明している。「この創造論とやらをダーウィニズムと同列に並べる科学の教務主任がいるなど、まったくびっくりしてしまった」。また、教育・技能省の閣外大臣であるジム・ナイト(Jim Knight)は、「IDも創造説も、どちらも科学的な論とは認められず、学校の科学のカリキュラムに入れられるべきではない」と11月1日に述べている。

というわけで、米国の宗教右派のシンクタンクが絡んだDVDが、英国の「教育団体」を通して学校に郵送され、一部の学校の「理科」の先生たちはこれを「教材」として受け入れている。一方で科学者や政府は、このDVDにあるような「ID」というものについて、「科学ではない」との見解である、というのが記事の要旨だ。

しかし、英国政府も微妙なんじゃないのか、というのがガーディアンのブログ。

Intelligent design evolves in English schools
By Donald Macleod / Schools 11:15am
Monday November 27 2006
http://blogs.guardian.co.uk/mortarboard/2006/11/intelligent_design_evolves_in.html

In an effort to make science more interesting and get some classroom debate going the national curriculum for England has introduced discussion of values - "pupils are encouraged to explore different views, theories and beliefs", says the Department for Education and Skills.

科学により関心を持たせ、教室での議論を喚起しようとして、イングランドのナショナル・カリキュラムはvaluesについての討論、というものを導入した。教育・技能省(the Department for Education and Skills)では、「生徒たちはどんどん、異なった見解や論、信念について考えてみてよい」としている。

記事のほうにあった、「教育・技能省の閣外大臣であるジム・ナイト(Jim Knight)は、『IDも創造説も、どちらも科学的な論とは認められず、学校の科学のカリキュラムに入れられるべきではない』と11月1日に述べている」と食い違っている。

このブログをよくよく読んでみたら、この発言をした教育・技能省の人は、ジム・ナイトではない。

The biology syllabus for one GCSE exam board states specifically that pupils should be able to "explain that the fossil record has been interpreted differently over time (eg creationist interpretation)".

Ministers have gone further. Earlier this year Jacqui Smith, the schools minister, said in a parliamentary answer that pupils were encouraged to explore different views, theories and beliefs in many different subjects, including science.

GCSE試験審議会のひとつの生物学シラバスでは、学生は「化石の解釈については、これまでにさまざまな解釈があったこと(例:創造論の見地からの解釈)を説明」できなければならない、としている。

閣外大臣らはさらに先に行っている。今年、公教育担当閣外大臣のジャッキー・スミスは、国会の質疑で、学生たちはどんどん、異なった見解や論、信念について考えてみてよいと述べている。

この部分に出てくるone GCSE exam boardとは、BBCガーディアンの記事(今年3月:この問題に関心がある人は、2記事とも目を通すと話がわかりやすいと思う)によれば、OCR (Oxford, Cambridge and RSA)である。OCRは、無理やり日本で考えれば、「センター試験」の「大学入試センター」みたいなもの。(GCSEは16歳で受検する統一テストで、この結果が進学・就職に意味を持つ。exam boardは「ブレアの教育改革」における公教育分野への営利企業の参入と深い関係があるが、OCRは基本的にオックスブリッジとロイヤル・アカデミー。)

ジャッキー・スミスは、今年5月にChief Whip and Parliamentary Secretary to the Treasuryに指名されたが、それまではthe Minister of State for Schoolsだった。つまり、彼女のこの発言は、2006年5月5日までの教育技能省の見解と解釈してもよい。

どういうことだろう。。。

ガーディアンのブログは、この先、想像通りというか何というか、ブレアとブレア内閣の宗教への傾きについての、遠回しに批判的な記述に移っていく。(日本では、アメリカのブッシュ大統領の「宗教熱心さ」は広く伝えられたが、ブレアについてはあまり伝えられていない。まあ、ブッシュに負けず劣らず熱心なようです。だからこそ「米英は対イスラムの戦争を仕掛けている」という批判が説得力を持っているという面もあるわけですが。)

ジャッキー・スミスは「創造論は多くの信念(beliefs)のひとつである」と述べているが、ここで彼女はおそらく、theoryという語を使わないように気を配っている。では、beliefというものは、「科学(理科)」の授業で扱うべきことなのか? 

彼女はまた、「科学の別の側面(another aspect of science)」という言い方をして、「科学がコンテクストによって影響を受ける」ということも述べている。

それは、Scienceではなく、Liberal ArtsあるいはSocial Scienceの分野の話ではないだろうか。っていうか「影響を受ける」ってどういう意味だろう。例えば社会全体が「水に『ありがとう』と話しかければ水は浄化される」と信じたとして、それで実際に水が浄化されるようになるということがあるとでもいうんだろうか。(科学の側がLiberal ArtsやSocial Scienceに影響を与えて変えた例はいろいろある。簡単な例では「写真」や「映画」。)

ほんとに、変な話だ。

ところで、このブログには、現時点で200を超えるコメントがついている。

1つ目のコメントが、"The current backlash to ID in the UK,is typical of scientific bias. While I dont agree with ID, I share the premise that alternate theories to Darwin MUST be taught in science lessons." というもので、「私は彼らの言うことに賛成しているわけではないが、彼らの言うことも考えるべき」という例のアレか、といささかゲンナリすると、次に「世界を創造したのは空飛ぶスパゲティ・モンスターだ」という話になって、結びの言葉と投稿者名はRamenというオチ。。。やられた。(笑) こんな奴がすばやく1つ目のコメント投稿してんじゃねーよ。(笑)

それから4番目のコメント。娘の学校でこういうことになっているという話。
This is something that has concerned me. It came up in my daughters class (then year 4) where 4 (yes four) children said dinosaurs came after man, scientists are all lying, if the earth is the result of a big bang why is it so beautiful and that the earth is only a few thousand years old. Obviosuly i wasn't in the class but it seems the supply teacher said she wasn't equipped to comment. ... I would hope teachers are equipped to discuss what is science and what is belief. ...

他人事ではありません。娘が4年生のときに、クラスで4人の(ええ、4人もの)子が、恐竜は人間のあとに出現した、科学者はみな嘘をついている、と言っていました。ビッグ・バンで地球ができたのだとしたら、なぜ地球はこんなに美しいのか、なぜ地球ができてからの年月が千年単位でしかないのか(注:英語ではthousandsは、thousandからmillionまでの間を指す)とも言っていました。もちろん私はその場にいたわけではないのですが、臨時教員の先生は、自分にはコメントできるだけの用意がないと言ったようです。……学校の先生には、何が科学で何が信念であるかをしっかり話せるように用意をしておいていただきたいものです。……

日本の小学校で、自分自身が英語を使ってコミュニケーションをしたことのない教諭が、子供たちに英語を「教える」という立場に置かれる、というのと少し似た話かもしれないが、こりゃ本気で「教育崩壊」という四字熟語で語りたくなるなあ。しかも英国では、閣外大臣でさえ「何が科学で何が信念であるか」を区別しようとしていない。そのうちにニュートンも「信念」、フレミングも「信念」、キュリー夫人も「信念」って話になったりして。(笑えない。)

ブログの本文に戻ろう。

In an effort to make science more interesting and get some classroom debate going the national curriculum for England has introduced discussion of values - "pupils are encouraged to explore different views, theories and beliefs", says the Department for Education and Skills.

「科学により関心を持たせるため」(原文ではmake science more interesting:「直訳」すれば「科学をもっと興味の持てるものにするため」)に持ち出したのがID、というのは、控え目に言っても「劇薬」だが、ここでキーとなるのはvaluesというものだ。valuesは、「直訳」すれば「価値観、価値基準」だが、その訳語ではしっくりこないのでここでは原語のままとする*

学校の理科の授業に、今回新たに「valuesについての討論」が持ち込まれたということは、それまでそこでのvalueは1つしかなかった、ということになる。この「1つだけのvalue」とは、言うまでもなくダーウィンの「進化論」である。つまり、学校では進化論しか教えていなかった。進化論というvalueしかなかった。そして政府は、「教室内ではもっといろいろあってよい」という前提でIDを持ち込ませた。このブログの短い記述では事実関係は明らかではないが、少なくとも、この記述からはそう読める。(むろん、このブログはID批判を目的としている。)

で、それって「理科」でやることですかね? 「理科」ってのは、「さまざまな価値観(values)」を示す場なんですかね?

ガーディアンのブログによると、これにより、学校の理科室が、ダーウィンと一般的に受け入れられている「進化論」(the accepted theory of evolution)に対する創造論の見地からの批判に開放された。これにはリチャード・ドーキンスらが激怒している。

ドーキンスはわかりやすい「スター」なので名前が出されているのだろう。つまり、これで役者が揃ったというか、「ドーキンス対宗教的勢力」という構図がここでは前提になっている。ま、こういうときに決まって名前が出る人という位置づけというか。

それとは別に、教育をめぐる全体像として興味深いのが、次のくだりだ。
This is happening in a context where the government has been promoting more faith schools - both Christian and Muslim - in England (Scotland and Wales are having nothing to do with this policy while Northern Ireland is painfully trying to wean itself off religious schooling).

このような事態が進行しているコンテクストは、イングランドにおいては、政府が宗教的な学校を増やそうとつとめてきたということだ――キリスト教の学校も、イスラム教の学校も。(なお、スコットランドとウェールズはこの動きとは関係ないし、北アイルランドでは苦心惨憺して学校と宗教を切り離そうとしている。)

スコットランドとウェールズでは、自治議会が教育についての権限を有しており、イングランドのポリシーの影響は受けない。これはブレア政権下での地方行政の「改革」の分野の話だ。北アイルランドでは、今までプロテスタントかカトリックかで学校が分かれていたが、「紛争」から「和平」へという段階で、宗派を問わない学校を作る取り組みが進んでいる。(いずれにしても「キリスト教」で、創造論は強いんだけどね、北アイルランドでは。)一方でイングランドは「宗教を土台とした学校」を増やしている。

先日、1921年6月7日の北アイルランド・パーラメントの初日の議事録を読んで、冒頭2ページまるごと「神と国王ジョージ5世」への賛辞だったことに相当しびれたのだが、それから20世紀後半の間に、英国は、あるいはイングランドは、脱宗教の方向に向かった。(言うまでもないが、北アイルランドではそうではない。)英国、あるいはイングランドの「宗教」(アングリカン・チャーチ)は国王の権威とぴったりくっついたものだが、「宗教」の解釈や受容も、かなり柔軟になった。個人的なイメージとしても、体験した範囲でも、「イングランドって宗教熱心」と思ったことはまるでない。2001年には国勢調査で「あなたの信仰する宗教」として「ジェダイ」と書こうというようなこともあった。(このときの国勢調査では結局こうなったと報じられた。)

そのイングランドで「宗教的な土台に基づいた学校」が増えている、ということに、正直、かなりの戸惑いを覚える。

で、ガーディアンのブログが、こういった「教育現場でのID/創造論」についての批判者として、ドーキンスの名前だけを挙げているのも、ちょっと手抜きだなあと思う。(ドーキンスが批判するのは、あまりに当たり前のことだ。ドーキンスは徹底した無神論なんだから。)



注:
*:
このvaluesという語は、翻訳が非常に難しい。特に現在の英国でそれが使われる状況は、「価値観」とか「価値基準」といった「定訳」を当てておしまい、とすることがためらわれるものだ。例えば、2005年の総選挙のころに、ブレアやブラウンら労働党上層部(およびそのほかの議員たち)から次々とBritish valuesという連語が飛び出していたが、これはただ単に「英国の価値観」と語を置き換えるだけではわけがわからない。「英国の」とか言われて想起するものは、「とりあえず茹でてマッシュした野菜」から「パブリックスクール的な規律」まで、あまりに人それぞれ、コンテクスト次第すぎる。つまり、Britishの意味内容の確定(定義)が必要なのだ。しかし、政治家らのいう「英国的な」は、そもそも「英国だからこうだ」というより普遍的な何かであったり、現在の世界のいろいろなところで広く一般的な何かであったりしていた。ネタバレすると、結局のところ、あれは「偏狭なイスラムの考え方」(「世界をイスラムの旗の下に」という主張)を牽制ないし批判するための言説だったのだが。実際、政治家らが口にしたような(一般的な)British valuesというものは、こんにち「文明」「自由」「民主主義」と呼ばれているようなもので、特に「英国的な何か」というべきものとも思われなかった。(それはそれでポスト・コロニアリズム的に議論が出ている部分だが。)

※この記事は

2006年11月28日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 07:54 | Comment(3) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TiSのこの「教材」について、学校で教材として使用することを政府が禁止するようです。

Ministers to ban creationist teaching aids in science lessons
James Randerson, science correspondent
Thursday December 7, 2006
http://www.guardian.co.uk/religion/Story/0,,1965986,00.html

政府筋とは別のところからの反応ですが、非常に簡潔で力強い言葉なので引用:
"[Pupils] are somehow being told these agendas are alternative ways of looking at things. They are not at all," the Nobel prizewinner and prime mover in the Human Genome Project, John Sulston, said at a lecture last week at the British Museum. "One is science - a rational thought process which will carry us forward into the indefinite future. The other is a cop-out and they should not be juxtaposed in science lessons."

やっぱ根本的には、beliefとtheoryを区別していないこと(両者を区別する能力がいくつかの現場にないこと)が「問題」に思えるなぁ。

その辺、TiSの「教材」ではどう扱っているのかと思ったら:
The teachers' manual accompanying the DVDs says that the curriculum states that pupils should be taught about different ways of interpreting empirical evidence.
"ways of interpreting" ですか。。。

例えば、木の葉に見えるような羽を持つ蝶や蛾(擬態)について、あのような形質ができる過程では「高度な知性」の関与がある、と考えるのが、インテリジェント・デザイン。つまり「神が世界を創ったそのときに、木の葉に見えるような羽を持つ蝶を創った」と考えるのではないから、IDの人たちは自分たちのことを「科学的」と主張しているし、客観的にも、まったく宗教的な「創造論」とは少し異なる。それでも彼らの言いたいことは「生物は進化してきた」ということではなく「偉大なる知性の存在」であり、結局は「神の存在」を「科学的」に立証しよう、ということ。そういう目的があってのものを「科学」として扱うことはできない、というのが、科学者の立場。(ただしTiS所属の科学者は除く。)

ヒトゲノム・プロジェクトのJohn Sulstonはそういうことを言っているのだと思います。言葉はちょっと荒いけど。
Posted by nofrills at 2006年12月07日 16:53
「インテリジェント・デザイン」は「創造論」だ、という批判@ガーディアンの論説記事:
Here endeth the lesson
Intelligent design is just creationism in disguise. This nonsense has no place in science classes
James Randerson
Wednesday December 13, 2006
http://education.guardian.co.uk/schools/comment/story/0,,1970912,00.html

問題の団体、Truth in Science側からの反論@ガーディアンCiF:
Intelligent design is a science, not a faith
Richard Buggs
Tuesday January 9, 2007
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/story/0,,1985922,00.html

話の筋が通っているものには見えない。コメント欄はものすごい数になっているが、to scientifically prove that ID is a science, you have to make a prediction about the natural world which will only work if ID is correct and evolution is not correct. It shouldn't be too hard, you have had 6000 years and an omnipotent designer to help you figure one out. という1件で済むと思う。あと、even if Darwinism were false, it would certainly not lead to the conclusion that ID is true. とか、ID isn't science. It isn't predictive, it isn't testable and it isn't falsifiable. とか、ID is only a science for those who have faith. とか。(「IDは科学だ」というコメントは見当たらない。全部見たわけじゃないけど。)
Posted by nofrills at 2007年01月11日 22:27
エントリでリンクした記事
http://education.guardian.co.uk/schools/story/0,,1957858,00.html
に出てくるリヴァプールのBluecoat Schoolについて、最新の記事:

Secular status is sacred

The Church of England says it is a faith school; the head, governors and parents insist it is not. David Ward reports on an extraordinary battle for control of a Liverpool grammar

Tuesday January 23, 2007
http://education.guardian.co.uk/faithschools/story/0,,1996160,00.html
Posted by nofrills at 2007年01月23日 18:30

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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