kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年11月25日

マイケル・ストーン乱入の件。

マイケル・ストーンの乱入の件、笑っていいのかいけないのかわからないのに、ほんとに笑いが止まらないんだが、北アイルランドのドタバタ劇のなかでもこれはほんとにものすごい。何のコメディだよというか、古きよきコメディ映画の「3バカトリオ」ものにありそうなというか、やってる奴がマイケル・ストーンじゃなければほんとにコメディだし、やってる奴がストーンだからこそますますコメディじみている。ブラックコメディ。

まあ、まずはこの記事↓から、VIDEO AND AUDIO NEWS(Dramatic scenes as Michael Stone tries to enter Stormont)をどうぞ。BBCですが、日本からの接続でも見れます。画質と音声最悪ですが。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6179792.stm

突入の瞬間、ロビーに集まったジャーナリストたちが騒然となり、一方そのころ議事堂内部ではアライアンス・パーティの人(アルスター訛りじゃないのね、この人)が発言中のところにいきなりアラームが鳴る。議場軽く騒然。議長(女性)が「全員避難です」と言うもまだ騒然。議長たまらず、"ORDER! Unless you want to sit here and get bombed"(「静粛に! ここに残って爆弾くらいたいんですか」)。ようやく立ち上がる議員たち。(さすが「テロ慣れ」してる人たちは違う、とかいう不謹慎なことをつい思ってしまう。)

それにしてもこの議長、かなりすごいですな。今年5月(シン・フェインが「ファーストミニスターはイアン・ペイズリーにやっていただく」という提案をし、DUPがそれを蹴ったときのもの)の議会の映像がYouTubeに上がっているんだけど、ここでもいい感じで暴れん坊を制しています。
http://youtube.com/watch?v=cwrcVZn_iyo

つか、議会の建物に乱入する前に、外壁にスプレー缶でSINN FEIN IRA WARと書いていたって、その隙に取り押さえればいいのに、なんで入り口まで行けたんだろう。で、入り口の回転ドアにはさまれて取り押さえられたって、かっこ悪すぎ。しかもマッチョイズム(現代日本語に翻訳すれば「アンチジェンフリ」か?笑)の権化みたいな人間が、たくましい女性警備員に銃を取り上げられた。

そんなこんなで、北アイルランド各所で爆笑の渦が起きていることを、ガーディアンのブログが伝えている。このガーディアンのブログへのコメントも爆笑に次ぐ爆笑(陰謀論まで出てくる有様)。ただしこれ、笑えるんだか笑えないんだかわからないあたりが、何とも微妙で非常に疲れる。

私の笑いのツボに特にはまったのは、ストーンが外壁に書いた文字。
http://news.bbc.co.uk/1/shared/spl/hi/pop_ups/06/uk_michael_stone0s_arrest/html/1.stm

「IRA」のとこに注目。律儀にピリオドつけて、「I.R.A」って、乱入前にスプレーでやるなよ。

ガーディアンのブログのコメントで一番笑ったのが「で、結局これすべて『アート・パフォーマンス』でしたってことになったりして」。(ストーンは現在は画家として活動しています。ええ、少なくとも表向きには。)

で、この乱入事件で笑っていられないのは、暴力を捨て、画家として「第二の人生」を歩んでいるはずのストーンが、ピストルとナイフを所持して、議事堂に突入しようとした、ということ。しかも"NO SURRENDER!"という、ロイヤリストのあのスローガンを叫びながら。

爆弾を持ってたかどうかは警察が調べている最中みたい。。。と書いておいたらBBC記事が更新された@Friday, 24 November 2006, 17:03 GMT。

うはー。これ、笑い事じゃないじゃん、全然。

Between six and eight devices have been defused at Stormont after loyalist Michael Stone stormed the building, Sir Hugh Orde has said.

device(爆発物)が6〜8個って。。。しかもその爆発物、"fairly amateurish" ということは手製でしょう。そんなものをなぜストーンが?

1988年にミルタウン墓地を襲撃したとき、ストーンはUDA/UFFのメンバー(というか幹部)だった。そのUDAは今は武装活動は停止している(停戦は宣言してるんだかしてないんだか、どっちだっけ?)。ロイヤリストにはUVFという別の組織もあるけれど、これも武装活動はしていないはずだ(ってかUVFは停戦してたかも)。最も過激なLVFという分派組織はほぼ解散状態。いずれも武器は放棄していないが。

でも、組織がどうなろうと、個人が消えるわけじゃない。個人の持っているスキルも消えるわけじゃない。個人の持っている武器もそのままだ。

最悪の可能性としては、ロイヤリストの過激派(ロイヤリストというのはユニオニストの過激派のことなので、「ユニオニストの過激派の中の過激派」)が新たに活動を始めている、ということだ。

リパブリカン側(つまり「ナショナリストの過激派」の側)での過激派(「過激派の中の過激派」)があれこれ活動しているということは、今年何度も報じられてきた。(当ブログ内を「非主流派リパブリカン」またはdissident republicanで検索すると記事は出てきます。)

その一方で、ロイヤリスト側の活動は、暴行とかは何度か報じられていたけれど(マーク・ハドックの例が一番近いか)、こういうふうな、deviceが出てくるような活動は、BBCでは報じられていなかった。BBCが報じてなかっただけでほかでは報じられていたかもしれないし、どこも報じていなかっただけかもしれない。

でも、「和平への妨害をもくろむ連中」としてメディアの記事に出てきていたのは---北アイルランド警察や英国政府が名前をあげていたのは---Real IRAとかContinuity IRAといった、「非主流派リパブリカン」だけだ。ロイヤリスト側の武装活動者たちの存在は、そういった「過激な手法での妨害」というストーリーには、出てこなかった。

「和平を妨害したがっている連中」は、リパブリカンだけではないはずなのに。

警察(Sir Hugh Orde)は今回のストーンの行為について、"a sad publicity act by a very sad individual"、つまり「どうにもしょうもない個人による、しょうもない自己顕示」との見解を示しているけれど、この段階で「個人」と言い切れる(つまり「組織」という背景がないと断言できる)理由でもあるんだろうか。

ほんとにないのならそれでいいけれども、もしこれが「ないことになっているからないのだ」という、バカボンのパパ流の・・・もとい、昨今の日本での「自殺の原因としてのいじめ」をめぐる文部科学省の「(なんちゃって)統計」みたいなことになっているとしたら、北アイルランドはまたドツボに戻ってしまうかもしれない。

んで、この乱入のことを日本のメディアは伝えているんだろうかと思い、Google News日本を見てみたんだけど、議事の内容は朝日が伝えていますが、乱入→サスペンドのことは伝えられてないっすね。

http://www.asahi.com/international/update/1124/020.html
北アイルランド議会、首相選出は物別れに
2006年11月24日22時15分

 英領・北アイルランド議会が24日招集され、自治政府を4年半ぶりに復活させる第1歩となる正副首相の選出について議論したが、物別れに終わった。しかし、仲介役のブレア英首相は同日声明を発表し、自治政府復活の是非を事実上問うための議会選挙を3月7日に実施する方針を改めて強調。選挙結果は同議会の各勢力によって受け入れられる、との見通しを示した。また、今後は最終期限の来年3月26日まで自治政府復活に向けた調整を続ける意向を明らかにした。

 議会第1党のプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)のペイズリー党首は24日、同派から首相を「指名できる環境は整っていない」と選出を拒否。一方、カトリック過激派アイルランド共和軍(IRA)の政治組織で第2党のシンフェイン党のアダムズ党首は、党ナンバー2のマクギネス氏を副首相に指名する意向を示した。

 英国、アイルランド両政府が当初合意した自治政府復活に向けた行程表では、24日が正副首相選出の期限だった。協議の難航を受け22日、英議会は期限を事実上引き延ばす法律を可決、選出に至らなかった場合でも協議を継続できる予防線をはっていた。

現状、ストーモントについては、Google News日本にはこの朝日新聞の記事しかありません。

ってかいいんか、こんなにあっさり流して。BBCによると、ストーンが乱入したのは審議開始から20分後。そこで中断してサスペンドになっている(審議は再開されていない)。BBCのビデオでは、アラームが鳴ったときにはアライアンスが発言していた。ということは、DUPとSFとUUPとSDLPの発言が終わって、さて次はアライアンス、というようなタイミングじゃなかろうか。そこでストーンが乱入してストップした。それが単に「物別れに終わった」って、そりゃないだろう。(悪意はないんだけどさ、前もって書いてあった記事を出しているとかいう事情か、とか勘ぐりたくもなるよね。「物別れに終わる」のは22日の段階での推測どおりです。)

読売新聞も記者さんがベルファストに入っておられるので(ロンドンでのリトビネンコ事件について、ベルファスト発で書いている:下図参照)、そのうちにストーモントについての記事が出るかもしれない。
googlenewsjp-25nov2006.png

※この事件については、新しい情報が出るたびに新たにエントリを追加しています。下の「タグ」のところで「マイケル・ストーン」をクリックしてご確認ください。

※この記事は

2006年11月25日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 03:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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