http://nofrills.seesaa.net/article/27873761.html
2)2番目の記事(続報):
http://nofrills.seesaa.net/article/27942280.html
1の段階では、元FSBのアレクサンドル・リトビネンコという人(英国に政治亡命、昨月英市民権取得)が、11月1日に具合が悪くなって入院し、現在も容態は悪い(安定はしている)という第一報と、その日(11月1日)の事実関係あれこれ(スシ・バーでのミーティング、イタリア人のマリオ、ポリトコフスカヤ殺害実行犯の名前?)が報じられていた。また、リトビネンコはタリウムという金属の中毒である疑いが、断定形で書かれていた。(なお、「おまけ」的に、特にタイムズで「ロシア当局の所業」の暴露系の話もあった。)
2の段階では、リトビネンコは11月1日にスシ・バーに行く前に、ロンドン中心部のホテル(スシ・バーもピカディリーなのですが、徒歩5分圏内に何軒も高級ホテルがありますな)でロシア人2人と会っていたことが報じられたが、毒物については「タリウムと断定できていない」段階であることも書かれていた(分析中、という話)。
そして今度は、その「タリウム」についての情報が出てきた。
Radioactive poison fear over spy
Last Updated: Tuesday, 21 November 2006, 12:25 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/6167728.stm
Ex-Russian spy may have radioactive poisoning
12.45pm
Tuesday November 21, 2006
http://www.guardian.co.uk/russia/article/0,,1953473,00.html
radioactive poison... 完全に知らない分野の話になっているのだけれども、毒物はただのタリウムではなく、radioactive thalliumだったのではないかという専門家の見解が出た。
radioactive thalliumについては、wikipediaにも少し記載があるのだけど、専門的な蓄積がゼロの私が読んでも理解はできない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Thallium
ただ、科学的なバックグラウンドのない野次馬でもわかるのは、「よく知られている使用例」のところ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Thallium#Famous_uses
In the 2006 James Bond blockbuster Casino Royale, the secret agent has his drink spiked with digitalis. Soon after, realising that he has consumed some sort of poison, he hurries to the bathroom picking up a salt shaker and a glass tumbler on the way. He quickly makes a concentrated salt solution and drinks it in an attempt to throw up the poison. But this proves ineffective; he soon suffers cardiac arrest and almost dies.
「金髪碧眼のボンド」の映画、現在あちらで公開中である『カジノ・ロワイヤル』にも出てくる毒物とは、何ともタイムリーなことである。
007はどうでもいい。本題に戻そう。
以下、BBCの記事から。
リトビネンコが入院しているロンドンのユニヴァーシティ・コレッジ病院の専門家、ドクター・ジョン・ヘンリーは、リトビネンコの症状にはタリウム中毒と考えられるものもあるが、別の物質に関係していると考えられる症状も出ている。よってドクターの結論は「100パーセント、タリウムだけ、というものではない」。では何かというとRadioactive thalliumである、と。
(ここらへん、専門的な蓄積がゼロの私には話がほとんどわかりません。よって知識がおありの方がご覧になれば「変な記述」かもしれませんが、基本的に、BBCの記事を英語として要約するような形で、日本語に置き換えてあります。ウィキペディアを見ると、「204 TI」というのが「半減期3.78年」になってますが、radioactive talliumとはこれのことでしょうか。)
ドクター・ヘンリーによると、「それは半減期が短い放射性の毒物。分解(degrade)も早い。(11月1日から今までの間に)もう消えてしまっているのではないか」。
Radioactive thalliumは病院で用いられるが(核医学の分野で)、ドクター・ヘンリーは、病院で用いられる程度の量ではリトビネンコのような症状は出ないと説明。また「毒物は口から体内に入ったり、注射されて入ったりもするし、吸い込んで入ることもある。今回のケースでは消化器がやられているので、毒を含んだ何かを飲み込んだのだろう」。
また、「Radioactive thalliumということになれば、今回のケースには新たな面が加わる。骨髄が非常な危険に晒されているということになる。患者の身体の自然の回復力に頼るしかなく、治療は極めて困難だ」とのこと。
なお、月曜から火曜での間に、リトビネンコの容態に大きな変化はない。集中治療室に入っており、重態 (serious condition) である。向こう4週間の生存率は50パーセント。
事件はスコットランド・ヤードの対テロ班が捜査を担当しており、毒物検査の結果を待ちながら、CCTVの映像などの分析が進められている。
以上、BBC記事の内容から。
ガーディアンも骨子はほとんど同じです。BBCよりもこの毒物についての説明が充実していますが(インペリアル・コレッジのMartin Wilkinsの話など)。例えば、安定したタリウムと放射性のタリウムの違いについての簡潔な説明(下記)。
In its non-radioactive form, Thallium is highly toxic and is used as an ant and rat poison. The radioactive variant is approved for medical use in very small doses, for example in imaging the heart. Unlike non-radioactive thallium, high doses cause damage to the blood cells.
なお、ガーディアンの記事によると、ドクター・ヘンリーは「タリウムそのものより、放射性であることの方が重要」との見解で、「リトビネンコは肝機能障害を起こしている。白血球の数も少ない。見通しは暗い」とのべている。
※科学的記述として何か変なところがあったら、コメント欄でご指摘ください。
※この事件については、新しい情報が出るたびに新たにエントリを追加しています。下の「タグ」のところで「リトビネンコ」をクリックしてご確認ください。
※この記事は
2006年11月21日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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