「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年11月19日

「世界を操る陰謀」があるらしい。

どーにもほっとけないものを見てしまった。

フランクフルター陰謀論2.0(ウソ)@「トラカレ」さん、11月19日:
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20061119/p3
渋谷のBK1にて、安倍氏ブレーン五人組の一人らしい中西輝政さんの『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』という本がトップ10入りしていたので、立ち読みしていたら、一ヶ月ぶりに「フランクフルター陰謀論(笑)」に遭遇。その本曰く、ジェンダーフリーはフランクフルト学派の革命戦術の一種だそうだ。Amazonのレビューでも、「占領政策に垣間見えるフランクフルト学派の暗躍や、著者が、最近あちこちで力説している”コミンテルンとシノミンテルン”と日本の隠れマルクス主義者の共謀も紹介されています」などなど、好評価みたいです。


「トラカレ」さんでは『諸君!』に掲載された中西輝政さんによるフランクフルト学派の解説を引用してくださっているが、これが日本語というよりも言語として構造の体をなしていない箇所が多くて(短いのに!)、IRAがどうのこうのとかいう話を読んだばかりの頭では何かの暗号かと思ってしまうのだが、要点としては、フランクフルト学派は「経済構造ではなく、社会や文化を変革していくという」ネオ・マルキシズムの代表で、それは1960年代の新左翼運動の理念的支柱であり、云々。(ごめんなさい、疲れちゃってやる気なくした。。。)

私のアタマではまとめるのは無理なので、一番興味深いところを引用します。

ネオ・マルキシズムというのは、表面上、一党独裁体制による疎外を訴えつつ、「掘り下げた」視点で人間の疎外の原因を既存の社会制度や伝統文化と捉え、そうした社会を成り立たせている核心、即ち人間の絆、人間関係を破砕し「純然たる個人」というものをつくり出し、「個人の解放」を金科玉条とすることにより、まったく新しい理想社会、理想的な人間が生まれていくという立場を繰り返しアピールする。

文章を読まなくっても、単語だけ拾ってみれば、言いたいことがわかる。こりゃ新しいコミュニカティヴな言語のスタイルだ。感覚としては、「英語ができない人の旅行英会話」(発話する側からの)。(別に英語じゃなくってもいいんだけどさ。)

なんてことはさておき。

たぶん、中西さんの頭の中の「フランクフルト学派」の親玉は、フランクン・フルター(下図)だわね。

ロッキー・ホラー・ショー (2枚組 プレミアム)
ロッキー・ホラー・ショー (2枚組 プレミアム)


だってほら、このSweet Transvestiteは、ジャネットとブラッドという「既存の社会制度や伝統文化」にどっぷり漬かった若者の目の前にいきなり網タイツにガーターベルトにコルセットといういでたちで現れ、エディを殺して食うという行為によって「人間の絆、人間関係を破砕し」(それどころか「人間そのものを破砕」しとるか)、ロッキーという名の「純然たる個人」を創造し、ジャネットとブラッドに対し「個人の解放」を働きかけ、「まったく新しい理想社会、理想的な人間が生まれていくという立場を繰り返しアピール」している。(リチャード・オブライエンってやっぱ天才だわ。<意味不明。)

話がわからん人は映画見てください。映画情報サイトから:
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25727

というわけで今回のまとめ:
↓フランクフルト学派のみなさん。
rockyhorror.jpg

フランクフルト学派の有名な言葉:
「夢を見るのはおやめなさい。夢になるのよ」(<なんか、叶姉妹あたりがさらっと言っていそうですけど、フランクン・フルター博士の教えの根幹。)

# ジョン・ロックの次はフランクフルト学派ですか、っていうところっすかね、総体的には。。。



念のために、ほんとの「フランクフルト学派」へのポインタ:
http://en.wikipedia.org/wiki/Frankfurt_School

写真がGNUなんで写真も。手前左がホルクハイマー、右がアドルノ、後ろにハーバーマス。

※この記事は

2006年11月19日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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