「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年10月29日

テロ計画、未然に防がれる@アイルランド

RTE(アイルランド国営放送)の報道によると、アイルランド警察がReal IRAの爆薬庫を発見し、処理した。

NI bomb plot foiled: Gardaí
http://www.rte.ie/news/2006/1028/arms.html

Real IRAの爆薬庫が見つかったのは、Kilbranish, Mount Leinster, Co Carlow・・・うはー。レンスター山ってすっげー南のほうじゃん? うん、やっぱりそうだ。キルケニーのすぐ東。(アイルランドの地図参照。)Real IRAが爆弾の実験をここで行なっていたと警察は見ている。

RTEのこの記事は短すぎてよくわからないが、爆薬庫を突き止めたときには既に暗くなっていたので、翌朝、爆薬処理班が出動して対処したようだ。

BBCの方が記事が長いのでBBCを。

Irish police 'foil Real IRA plot'
Saturday, 28 October 2006, 14:08 GMT 15:08 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6094660.stm

※記事の写真は記事の内容とは直接関係なくて、今年8月のNewryでの事件のもの。

BBCの記事から:
A Defence Forces spokesman said the devices consisted of a gas cylinder packed with powdered explosives from shotgun pellets mixed with petrol.

爆発物は、ショットガンのペレットから取り出した火薬とガソリンを混ぜてガスシリンダーに詰めたもの。

同じ内容のところをIrish Examinerから:
http://www.irishexaminer.com/breaking/story.asp?j=230618105&p=z3x6y89zx&n=230618991&x=
The spokesman said the device consisted of a hollowed out gas cylinder, with improvised explosives. He said: "There was a tube coming from it which indicated it was primed for detonation. It indicated it was ready to use in the near future."

BBCほど詳しくないが、空のガスシリンダー(ガスボンベ)に爆発物・・・って、確か「カトリックでユニオニスト」という珍しいスタンスの上院議員の家にあったのもそういうタイプの爆発物だったよな。

やっぱそうだ。今年8月。
http://nofrills.seesaa.net/article/22438954.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/4797095.stm

BBCによると、今週(10月22日〜28日の週)、非主流派リパブリカン(PIRAとシン・フェインでないリパブリカン)が、政治交渉(=ストーモント自治政府復活に向けての交渉:11月24日が期限)を頓挫させるために大規模な銃または爆弾攻撃を準備していると報じられていた。北アイルランド警察(PSNI)が人員を大幅に増やして警戒に当たっていた。また、かなりの数の個人が攻撃の標的になるかもしれないと警察から警告されていた。(具体的人物名は記事にないが、警察やロイヤリスト武装組織が標的になっているはず。あるいは政治家も。)

IMCのレポートではずっと「RIRAとCIRAは、人員募集と武器入手、標的の特定を行なってきた」とされてきた。

それより、
Earlier this year, the police intercepted a 250lb bomb in Lurgan, and also foiled a plot to import a large quantity of weapons, which included machine guns and ground to air missiles.

この、Lurganでの爆発物押収のことについてはちょこっと書いたような気がするのだが、書いてないのかもしれん。爆発物を満載した車が警察に止められた件だったと思う。(違うかも。けっこう件数が多いので勘違いして記憶してる可能性あり。)

武器密輸(マシンガンに地対空ミサイル。。。)はスペインでのタバコ密輸の件とは関係ないのかな。これは5月だが・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/4982364.stm

あー、違う違う。6月のこれだ。
Dissident raids 'foil arms plan'
Monday, 19 June 2006, 17:15 GMT 18:15 UK
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/5095292.stm
Part of an operation targeting dissident republicans was aimed at foiling a plan to procure a significant quantity of arms, police have said.

Ten people were arrested in Monday's raids which saw 200 officers, supported by soldiers, take part in searches in counties Armagh and Fermanagh.

この記事にはマシンガンだの地対空ミサイルだのは出てこないんですが。



ちょっとメモ。あまりに南なんで気になる。全然関係ない可能性のほうが高いかもしれないが。

Official IRA
http://en.wikipedia.org/wiki/Official_IRA
http://www.bbc.co.uk/history/recent/troubles/factfiles/ira.shtml
Old IRA(マイケル・コリンズとかの時代のIRAの直系)から1969年にProvisional IRA(PIRA、いわゆる「IRA」)が分派したあとに残ったのがOfficial IRA(OIRA)。(また、IRA分派はSinn Fein分派と同一なので、Sinn FeinもOfficialとProvisionalに分かれた。現在、ジェリー・アダムズが党首をしているシン・フェインはProvisional Sinn Feinである。)

このOIRAから発展したのがWorkers Party of Irelandというマルクス主義政党。というかOfficial Sinn FéinがSinn Féin the Workers Partyと改名したのちに、1982年にThe Workers Partyとなった。
http://en.wikipedia.org/wiki/Workers_Party_of_Ireland

政党といっても現在では政治的影響力はほとんどない(80年代は勢いがあった)。またマルクス主義はOld IRA時代から引き継いだもので、PIRAも多少はマルクス主義的ではあるけれど(元がそうだから)、OIRAほどゴリゴリではない。

このワーカーズ・パーティ(労働者党)の党首がショーン・ガーランド(Seán Garland)。というかオフィシャル・シン・フェイン/オフィシャルIRAのころからずっとキーパーソン。
http://en.wikipedia.org/wiki/Se%C3%A1n_Garland

で、2004年6月にBBCが恐ろしいほど突っ込んだレポート番組『パノラマ』で、北朝鮮→ロシア→ダブリンという偽ドル札ルートの存在を報じた。
Leader of 'Official IRA' in forgery plot
http://news.bbc.co.uk/1/hi/programmes/panorama/3822005.stm
番組スクリプトあり。

2005年10月、米国の捜査当局の犯罪者(偽ドル)引き渡し要請でガーランドはベルファストで逮捕されるが保釈(保釈保証人をつけて)。しかしそのままベルファストの法廷に出廷せず。つまりトンズラ。

2005年12月、出廷しなかったことで、ガーランドに逮捕状(UKのものだからガーランドがアイルランド共和国にいる限りは効力がない)。
Arrest warrant for party leader
Thursday, 1 December 2005, 17:28 GMT
http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4489844.stm

2006年、ガーランドはアイルランド共和国のどこかにいる。4月の党大会では「米国への身柄引き渡しに断固抵抗する」と述べている。



※この記事は

2006年10月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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