「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2012年04月11日

イースターの北アイルランドのニュース(メモ)

9日、イースター・マンデーのベルファスト・テレグラフのトップページは、何だかとても大変なことになっていた。「パレードを制するには、パレードを以て」的な空間。(しかしこれは、2010年のあの「エクストリーム交渉」の結果やっと合意に至った「パレードを律するという方向性」がいとも簡単にポシャって、そしておそらくさらにその結果、どうしたらいいのかという点について、表からはあんまり見えないところでDUPとSFが話し合って落としどころを見つけた、ということだろう。何かもう、バロック的な過剰さでくらくらするのだが。)



ベルテレのイースター蜂起の記念パレードの写真集は、私が確認したときには、ギャラリーの最初の14点だけが今年ので、それもディシデンツのものだけだった(デリーがクレガンの32CSM、ベルファストはミルタウン墓地のIRSPで、それぞれReal IRAとINLAの政治部門と位置付けられる組織)。主流のシン・フェインの記念パレードの写真は、Demotixにスティーヴン・バーンズさんのセットがアップされている。ここで確認できるのだが、ベルテレのトップページの写真の女性は主流シン・フェインのパレードの人だ(イースター蜂起の時代、アイルランド義勇軍とともに女性の武装組織が戦闘を行っていたので、それの仮装パレード)。

青いほうのパレード(アプレンティス・ボーイズ)のはまだ見てない。

で、今年の主流シン・フェインの記念行事だが、まず、BBC NIの記事の見出しがおかしい。

Dissidents told there is no armed struggle to finish
9 April 2012 Last updated at 13:49 GMT
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-17657552

「もう武装闘争は終わっているので、お前らが終わらせる武装闘争はない」とディシデンツに宣告した、と。

マーティン・マクギネスがTraitorという言葉を使ったとき、これ以上言葉がエスカレートすることはないんじゃないかと思ったのだが、私が甘かった。アイルランドの言語能力を甘く見てはならない。

このスピーチ、BBCのを読むとかなりすっきりしているが、事前のベルテレのBrian Rowan記事はえらい難解だった。
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/republican-easter-rising-speech-to-focus-on-reconciliation-16141864.html

ベルテレの難解な話は、つまりこういうことだ。

SF leaders want republicans to reach out to unionists
http://www.irishtimes.com/newspaper/ireland/2012/0409/1224314550307.html

ドニゴールでのマクギネスのスピーチのテクスト:
http://www.sinnfein.ie/contents/22956
We seek a united Ireland in which the unionist section of our people feel comfortable and play a full part.

United Irelandのuniteと、unionistのunionとは全然別の意味なのだ、ということを知らない人が読んだら、まったく意味が取れないだろう。ともあれ、そっちの方向なのだ。DUPのピーター・ロビンソンも「カトリックの方を向いてやっていく」という宣言はしているし、(ユニオニストの側が宗教の区分で語りたがるクセはこの先もずっと直らないだろうが)両者の境界線というか、「カトリックなら統一アイルランド論者」、「プロテスタントなら連合王国論者」のような今の前提はだんだん曖昧になり、この先、それ自体が「過去のもの」になっていくのだろうと思う。何年、何十年かかるかは知らんけど。

マクギネスのこの話とは別に、デクラン・キアニーのスピーチがある。これが「和解」が中心概念であるということに注目しているのがSluggerの下記記事(by Gladys Ganiel)。「和解」ともうひとつ、「Sorryと言うこと」(Sorryと言うことで得られる「癒し」は、そう言う側にも与えられる)。
http://sluggerotoole.com/2012/04/09/talking-about-reconciliation/

一方、「お前らの終わらせる紛争などない」と言われたディシデンツだが、IRSPは正直、私も存在を忘れていた(ベレー帽に並んでつけられたついた赤い星とイースターリリーを写真で見たときは、あまりに懐かしいヴィジュアルだったので涙ぐんだほどだ)。すいません。なお、INLAはもう政治的暴力の組織としては消滅している(ドラッグ密売などではどうなのか、わからないが)。

32CSMは、昨年のデリーでの集会で覆面男が読み上げるステートメントの原稿を持って立っていたマリアン・プライスがかなりむちゃくちゃな形で引っ張っていかれて今は投獄されている(健康状態の悪化から病院に移されてはいるはずだが)ので、何かこうガツンとあるかと思っていたのだが、UTVのサイトにアップされていた「覆面男がステートメントを読み上げます」の場面を見て、脱力すると同時に怒りと呆れで何も言う気がなくなってしまった。
http://www.u.tv/news/Six-held-after-RIRA-threatens-police/4dda6662-5c13-4949-b287-102c977cb25c

黒い覆面で顔を隠して原稿を手に持って読み上げているこの人物、明らかに「子供」だ。ティーンエイジャーだ。声もうわずっているし、スピーチの仕方もまるでなっていない。「制服」の黒い上っ張りは、カバンに丸めて入れてあったようにしわくちゃだ。

あんな内容のスピーチを、こんな「子供」にやらせるなんて……。それも急に「おい、おまえやれ」と指示したのだろう、がくがくに緊張している。この子、グッドフライデー合意の前の「紛争」なんか、記憶にないだろうに。自分が言ってることの意味、わかってるのか? (こうなるとほとんど「カルト教団の信者の二世」と同じような状態だろう。環境としてそれがあったので、という状態。)
After wreaths were laid, a masked man wearing black combat clothing addressed the crowd and threatened further violence against police and soldiers.

He claimed to be speaking on behalf of the organisation Óglaigh na hÉireann and said they would continue to attack "Crown forces" and "British interests and infrastructure".

His words were met with applause by the crowd.


で、デリーのこの集会は、警察のヘリが上空を低く飛んでいて、集会が終わった後、6人が逮捕されたそうだ。

ディシデンツの集会でのスピーチまとめはSlugger:
http://sluggerotoole.com/2012/04/10/the-war-against-british-rule-must-continue-until-freedom-is-achieved/

ところで最近あまり姿を見ないディアリーダー、アダムズ先生は、コークでのイースター蜂起記念集会で「統一アイルランドに向けた7つのポイント」を明示した。(これ、何か新しい要素は?というと、ないような気がする。GFAと読み比べたら何か発見あるのかもしれんけど。)
http://sluggerotoole.com/2012/04/07/sinn-feins-seven-goals-towards-unification/

なお、青いほうでは、東ベルファストに新たにUVFのミュラルが、という報告あり。

※この記事は

2012年04月11日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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