「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2012年04月04日

ベルファスト北部で銃撃事件、47歳男性とその娘(18歳)が負傷

東京が春の嵐に見舞われていた3日18時前、ベルファストで銃撃というヘッドラインが流れてきた。見てみるとまだ、記事にはほとんど何も書かれていない段階だった。少し経てばより詳しいことがわかるだろうと見ていたが、なかなか詳細が出ない。銃撃のあった場所と被害者が47歳男性とその娘の18歳女性であること、drive-by shooting(車で通りすがりざまに銃撃)ということくらいしかわからず、30分ほど経過して流れてきた記事では、負傷の容態について、IT掲載のPA記事では「生命に別条なし」、UTVは「危篤」、BTは「不明」。情報錯綜だ。(あとから報じられたのだが、娘さんは腹部と手を撃たれて「危篤の状態だが安定している」、父親のほうは胸を撃たれ「生命が危険な状態」だった。)

最初、「ベルファストで銃撃」とだけ見たときは、正直、「またパニッシュメント・シューティングか」と思ったのだが、銃撃を受けた被害者が2人いること、車の中にいて撃たれていること、drive-by shootingであることから、ターゲット・キリングであると考えるのが妥当で、こうなると「クリミナル」(ギャングのシマ争いなど)なのか、「ポリティカル」(北アイルランド紛争の残滓みたいなパラミリタリーの活動)なのか、ということになる。「クリミナル」なケースなら、さほど間をおかず被害者の名前が報じられるだろう。

しかし実際には、名前が報道されたのは第一報から7時間ほど後、日本時間で4日午前1時すぎのことだった。その間、現場の状況は報じられていたが(赤いヴァンが放火されて見つかったことなど)、被害者の名前はなかなか出なかったのだ。

下記のスクリーンショットは4日の1:42に取ったもの。この時点でだいたい30分前に名前が出たことが確認できる。



この前に、BBCやUTVなど現地メディアで、「母親が銃撃を目撃していた」との報道があった。その記事でも、名前は出されていなかった。

ともあれ、BBC記事によると、現地火曜日の朝8時半ごろ、47歳の男性が18歳の娘を車で学校に送っていく途中で、ベルファスト北部のEvelyn Gardensという通り(Google Mapsを見るとわかるが、単なる住宅街である)で銃撃を受けた。

男性の妻で18歳の女性の母親である女性が家から出てくると、赤い小型のヴァンが走り去っていくところだった。

会見をおこなった北アイルランド警察のカレン・バクスターDCIによると、襲撃をおこなったのは男2名という(たぶん、撃った人物と運転手がいる、ということ)。警察ではまだ動機については断定をしていないが、標的は47歳男性と見ている。

UTVの記事:
http://www.u.tv/News/Man-and-daughter-critical-after-shooting/98bb19dd-e055-4c00-ac66-ff5837ec1f61

いわく、撃たれた2人が車に乗り込んだときに、覆面をした男1名がヴァンから出てきて、5発を発砲した。標的と思われる47歳男性は胸に2発被弾しており、生命が危険な状態にある。彼の18歳の娘は腹部と手を撃たれており、危篤の状態だが安定している。

警察の話では撃たれた娘さんのお母さんが、家の前で1人の覆面のガンマンを目撃している。お母さんは家から駆け出したら男が小型の赤いヴァンで逃げていくのを見た。少し後、その車と思われる車両が、近くの通りで燃えているのが見つかった。

……記事が伝えているのはだいたいこんなところで、あとは警察のコメント(住宅街で発砲などすれば巻き添えが想定される、という非難)、近所の人のコメント(子供を連れて通り過ぎたばかりのところで銃撃があったのでショックだ、という人)と、政治家の反応。アライアンスのビリー・ウェッブ(カウンシラー)、SDLPのオールバン・マッギネス、DUPのネルソン・マコースランド、シン・フェインのコナー・マーフィ。

なお、私が見た中で最も早く反応を出していたのはSDLPで、次がアライアンスだった。

シン・フェインの非難コメントはこちらにも。
http://insideireland.ie/2012/04/03/sinn-fein-condemns-belfast-shooting-64307/

取材に当たったUTVの記者のツイート(UTVは記者がTwitterでbreaking newsします):


撃たれた男性について、ベルファスト・テレグラフ:
Mr Hales, who is well-known to the police in the city, is believed to have been the intended target. A source close to the city's underworld said: "He would have a lot of enemies."

Read more: http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/local-national/northern-ireland/father-and-daughter-shot-in-ambush-16139688.html#ixzz1r0CeVVKF

「アンダーワールド」だから「クリミナル」だろうとは思いますが……。

あ、BBCまだ名前出してない。ベルテレが出してから2時間ほどが経過しているのですが。
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-17602077

※この記事は

2012年04月04日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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