2009年には既にそういう「紛らわしいもの」がいくつもあったが、その後Twitter社の「ガイドライン」が作られて「本人」と誤認されないようにやりましょう、ということになった。「notをつけるなどし、本人ではないことを示した名前にする」、「プロフィールに『パロディ』であることを明示する」など、「だれがどう見ても偽者」で違法にならないのであれば、基本的に、ユーザーの好きなようにやっていい、ということになっている(「言論の自由」の実践。ここで憲法修正1条のある米国と、それのない国々との違いの問題が出てきて、「国別に規制基準を変える」ということが必要になったのだろう)。ただし、古くから稼動している「パロディ・アカウント」には「偽者」であることがわかりづらいものもあるかもしれない。
「パロディ・アカウント」の多くはウィットに富んでいておもしろい。私も「政治家」(英首相、英財務相など)、「政治指導者」(アイルランド大統領など)、「言論人」(ノーム・チョムスキー教授ならぬノーム・チョムスキ氏など)など何人もフォローしたり、定期的に読んだりしている。昨年12月に英国が欧州サミットで「孤立状態」となったときの「めるける(ドイツ)」と「きゃめろん(英国)」は本当におもしろかったし、「えーこくじょおー」はいつも見事で、We are amused! である。
例の「恐ろしいてろりすと」は、死んだ後もしばらく喋ってたが「あれから10年」の節目に引退し、その引き際の鮮やかさに拍手が寄せられた。いろいろとシャレにならなくなったのか更新が停止してしまった「武装闘争至上主義の集団」も……ちょっとさすがにここにリンクするのは私はちょっと、なのでキャプチャを見ていただきたいのだけど、「ステレオタイプ」の利用に長けた自虐ギャグがすばらしいアカウントだ。(P・おにーるさんの手にかかればイモで何が可能なのか、気になってしょうがないw)
そういった「パロディ・アカウント」はよくウェブ媒体などで紹介されている。確かに、特にニュースもないときの無害な話題として重宝だ。今年2月の記事が検索で見つかったのでURLを貼っておく。(フィクションの登場人物になりきっているアカウントも入っている。)
http://12most.com/2012/02/29/12-hilarious-parody-accounts-twitter/
http://www.xcellentmedia.co.za/blog/social-media-best-twitter-parody-accounts/
で、上に述べたように、昔っからやってるアカウントは別かもしれないが最近始めたようなところは「本物ではないということをわかるようにする」というガイドラインに則っているというのは前提だ。福島第一原発事故後の対応のひどさで有名になった東京電力のCEOのパロディ・アカウント(英語のみ)など、これでもかこれでもかといわんばかりに「にせもの」と表示している。
しかし中には「にせもの」の表示がされていなくて、(いかにツイート内容がジョークだったとしても)本物と誤認されても仕方がないというものもある。今年2月には豪州の「クァンタス航空広報 QantasPR」のアカウントが規約違反でサスペンドされた(現在はアカウント名にFakeをつけ、プロフィールに「パロディ」を明示して展開中)。
大統領選挙をにらんで2月半ばからTwitterを使い始めたフランスのサルコジ大統領のアカウントは@NicolasSarkozyだが、英語で書いてる@sarkozyはにせもの(サルコジ氏は英語はできないので、これはいわずもがな)。一方、これまでTwitter上でサルコジを批判しおちょくってきた「(フランス語を使う)サルコジ」(パロディ)は、ご本人アカウント開設直後に「パロディだということを明示していない」としてサスペンドされ、物議をかもした(米オバマ大統領やミット・ロムニーなどのにせアカウントは「にせ」と明示されていないのにサスペンドされていない、という点で、サルコジに批判的な人々の間で「圧力では」と疑われた)。
それから、最近はあまり聞かなくなったように思うが、Twitterはだれでも好きなアカウント名で登録できるので、今ほどポピュラーになる前は「なりすまし」が問題になる事例もあった(それより「企業などの名称でアカウント名を押さえてしまい、あとから高く売りつける」ことのほうが問題だったが)。
Twitterでは著名人について、(悪質な)なりすましへの対策として、「ご本人公式アカウント Verified Account」の認証(水色のボタン)をつけているが、それですら偽者に与えられてしまうこともあると実証されたばかりだし、そもそも「Verified Acct」は当人が申請しなければつけられない。あれがついている著名人アカウントは本物だが、ついていなければ偽者と判断できるわけではない。例えばエブエさんはverifiedボタンはついていないけど本物。
Verifiedについては、昨年10月に「アルジャジーラの記者を自称する変なアカウント」について書いたときにも触れた。
http://nofrills.seesaa.net/article/229861919.html
こういう混乱を避けるために導入されたのがTwitterのVerified accountのマークだが、米国拠点だったり(米国のジャーナリストは、やたらとverifiedのアイコンをくっつけているような気がするが、英国や豪州などではそうでもない)、よほど著名だったりしなければ、ジャーナリストはverifiedのアイコンなどつけていないのがふつうだ。つまり、「(Verifiedをくっつけた)スターの成りすまし」は見破れても、元から本人にverifiedがついていなければ、それがないからといって何ら指標にならない。
(ちなみにミュージシャンや俳優だって状況は同じ。「スター」と呼ぶに相応しい人たちや、成りすましが出たらいろいろと影響が大きいような存在はverifiedをつけているかもしれないが、例えばウォーターボーイズのマイク・スコットでさえ無印だし、「そこそこ売れてる」くらいのインディのバンドなんかはもちろん無印だ。)
……というのは、この次のエントリの前置き。長くなったので分けることにした。
※この記事は
2012年03月24日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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