kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年10月18日

セント・アンドリューズ後。

Always forgive your enemies; nothing annoys them so much.
(敵とあらば赦せ。それほど相手にとってうっとうしいことはないから。)

-- Oscar Wilde, Irish dramatist, novelist, & poet (1854 - 1900)
http://www.quotationspage.com/quote/2567.html


10月の第2週にスコットランドのセント・アンドリューズで開かれた北アイルランド和平のための会議で、今後の和平プランが合意された。これについてはどっかのニュースでは「ロードマップと日程表の中間」とか書いていたが、具体的な日程が示されていることはいるので、日程表と理解しておいて構わないのではと思う。

その合意(「セント・アンドリューズ合意」と呼ばれている)によると、日程は次のとおりだ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6046302.stm
* 10 November - parties respond to proposals
(11月10日=NI各政党から、この提案への賛否の表明)
* 24 November - first and deputy first minister nominated
(11月24日=提案が賛成されることを前提に、NI自治政府の正副ファースト・ミニスター【=国政でいえば首相と副首相】の任命)
* Electoral endorsement of plans
* 14 March 2007 - nomination of executive
(2007年3月14日=エグゼクティヴ【=国政でいえば内閣】の任命)
* 26 March 2007 - executive up and running
(2007年3月26日=自治政府始動)

ブレア政権の今までのパターンからすると、こういう「合意」についてはhistoricとか何とかの大袈裟な形容詞つきで語られてばかりいて中身が感じられないというのが普通なのだが、今回は逆に仮定法のcouldや助動詞のmayで語るという遠慮がちなことになっている。また、報道を見ていてもSlugger O'Tooleを見ていても、どこか根本的にしらけている。まあ、結論ありきで「とにかくIRAやUDAはテロをやめたんです」という結論を無理やり引っ張り出したみたいなことになっていたわけだから、しらけるのはわかるが。(^^;

で、目下の関心事は「NI自治政府の正副ファースト・ミニスター」。これについてはずいぶん前から、ファースト・ミニスターにDUPのイアン・ペイズリー、副ファースト・ミニスターにSinn Feinのマーティン・マッギネスという具体的な名前が上がっていて、その方向での調整が進められているとかいう段階になっていると思う。

恒例というべきか、予想通りというべきか、何というべきか、ここでまた進まなくなっている。

Paisley boycotts talks in oath row
DUP, Sinn Fein meet Hain as blueprint faces first test
17 October 2006
http://www.belfasttelegraph.co.uk/news/story.jsp?story=710456


セント・アンドリュース合意(サミット)直後は、すぐにDUP党首とSF党首(つまりイアン・ペイズリーとジェリー・アダムズ)の会談があるとかいう話だったのだが、一瞬で「両党首会談実現の見込みなし」という話になった。

つまり、常に「シン・フェインとは会わん」と言い続けているDUP(ペイズリー)が、今回もまた「シン・フェインとは会わん」と言っている。直接的理由は
The DUP insists that both the First Minister and Deputy First Minister - tipped to be Mr Paisley and Martin McGuinness - must take an oath next month.

The Government, however, argues that there is no requirement to take the oath on November 24 because they are only being appointed in 'shadow' form.

ということで対立しているということになっている。まったく、次から次へといろいろな理由があるものだ。正直、読んで理解するにも苦心惨憺だ。

シン・フェインと警察(PSNI)との関係についてのごちゃごちゃどろどろした話も背景にはあるだろうし、OTR問題(身を隠しているIRAメンバーの法的な処遇についての問題)もあるだろう。

(警察について補記:シン・フェイン/IRAにとっては、北アイルランド警察は、その名称がPSNIであろうとRUCであろうと、何かあったときに「おまわりさ〜ん」と頼れる存在ではない、というのが根本。)

ともあれ、これは、「とにかく同席したくない」というのが基本だというふうにとらえておいていいと思う。

上記のベルテレさんだと一歩踏み込みすぎなのでBBCも。
Paisley-Adams meeting postponed
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6059484.stm

うはー。イアン・ペイズリーって、一休さんを困らせる将軍さまみたいだ。
"We have a document issued by the two governments. It is not our document. It is their document," he said.

"We are going to take time to consider it and give to the people of Northern Ireland our findings on the matter and also we are going to have a full consultation with the people."

「(英国とアイルランド共和国の)2つの政府による書類であって、私たちの書類ではない。彼らの書類だ。検討には時間をかけるつもりであるし、北アイルランドの人々にこの件についての私たちの見解を示すことにも時間をかけるつもりである。北アイルランドの人々と十分に話し合うこともまた、行なうつもりである。」


正直なところ、ブレア政権が急いでいるのは、半分以上は党内事情だ。来年の夏にはブレアは党首でも首相でもなくなる。それまでに北アイルランドはけりをつけねばならない。(それが名誉欲であろうが何だろうが。)北アイルランド担当大臣のピーター・ヘインも同じ。(この人はブレアが党首から降りたあとに副首相の座を狙う労働党要職者の1人。)

それをいいことにというか何というか、って感じがする。

なお、ピーター・ヘインは、ペイズリー/アダムズ会談が流れたことを、glitchということばで表現している。
Postponed NI meeting 'a glitch'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/6059978.stm
(BBC以外のメディアもこの表現を見出しに持ってきている。)

glitchとは「予定が狂う」とか「不具合」とかいう意味。政治の現場でこういうことばが用いられているというのがどういう意味合いなのかまでは私にはちょっとわからないが、graveとかいった重い感じではないということだと思う。「深刻に受け止めた」よりは「軽く受け流した」に近いというか。

ただ政治的言葉というのは印象を決定付けることが主な目的で組み立てられる言葉なので、本当のところがどうかはわからない。

ここまでダラダラ書いているあいだにうまく組み込めなかったけれども、ペイズリー/アダムズ会談が流れたことについての報道記事で私が読んだ中で一番わかりやすかったのは下記(ガーディアン)。

St Andrews deal hits 'glitch' over unionist demand for Sinn Féin oath
Owen Bowcott, Ireland correspondent
Wednesday October 18, 2006
http://www.guardian.co.uk/Northern_Ireland/Story/0,,1924771,00.html


ちなみに、冒頭に引用したあまりに刺激的でブラックな言葉の主、オスカー・ワイルドは、ダブリンで生まれ育ったアングロ・アイリッシュである。彼の時代はまだアイルランドは南北に分かれてはいなかったが、「アイルランド問題」は存在していた。というかそれが「問題」であったまさにその時期だ(アイルランド自治法、つまりthe Home Ruleをめぐるウエストミンスターでのトーリーとホイッグの対立の時代)。

ワイルドが「ブリティッシュ」なのか「アイリッシュ」なのかは、実は非常にデリケートな問題だ。バーナード・ショーとかジョン・レノンとかジョニー・ロットンについても。

2003年にある大富豪が「アイルランド人は読み書きができない」とまったくひどいことを発言したらしいが、そのときにガーディアンが出したおちょくり記事を何となく見つけてしまった。おもしろいのでリンクしておこう。
http://www.guardian.co.uk/netnotes/article/0,,908178,00.html

※この記事は

2006年10月18日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk/northern ireland | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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