「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

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2006年05月16日

共謀罪――こりゃもう「反対する」とかいう以前の話じゃないか?

川内博史衆議院議員の「正々堂々ブログ」、5月10日記事、「共謀罪について質疑」より:
今日、午前中法務委員会で共謀罪について質疑しました。

特に、条約との関係において、アメリカ・イギリス・カナダにおいては共謀罪がどのような形で導入されているのか、対象犯罪の数について、更には、ドイツ・フランス・イタリア・ロシアは参加罪を採用しているが、団体を特定しているのか、などについて質問しました。

外務省の答えは、

「わかりません。」

でした。


あたしゃこれ読んだとき、椅子からコケたよ。

保坂展人衆議院議員の「保坂展人のどこどこ日記」、5月12日記事、「共謀罪、16日『強行採決』の危険性」より:
与党側からすでに民主党への再修正案が提示された。……民主党は「合意までにはなお隔たりがある。与党に本質的な修正に踏み込むという姿勢が見られない」とした。与党側は、「16日までに精力的に修正協議をすすめてぜひまとめてほしい」と要望した。

 そして、採決へ向けた与党側の提案があった。「いよいよ審議時間も十分とってきたので、来週の16日(火曜日)には質疑終局・採決をお願いしたい」。どうも、修正協議はそれまでですよ、との姿勢に見えた。野党側は「まだまだそんな段階ではない。多くの国民が心配をしている状況なので、国民の声を聞く公聴会などもやるべきではないか」と拒否、そして平行線の議論となった。……


ジャーナリストの野田敬生さんは、ブログ「ESPIO」の5月8日の記事、「田原総一朗『こういう議論をもっと国会でもやれよ!』」で、テレビ番組で司会者が「こういう議論をもっとやれよ!」と述べたことについて、「こういう議論」は既にあったとして、次のような例を挙げておられる。(日付に注目。)
<例>163 - 衆 - 法務委員会 - 6号
平成17年10月21日
○保坂(展)委員 では、一言聞きますけれども、言語なし、目くばせ、いよいよ時が来たという顔でリーダーが威光を放った、こういう場合、共謀が成立する場合もあるんじゃないですか、今までの共謀共同正犯の概念からいえば。
○大林政府参考人 まず、共謀としては目くばせでも十分共謀が成立する場合はあると思います。
 ただ、今回問題となっている共謀罪については、団体要件がついていますから、それが目くばせによって一斉に動くようなシステム化されたものであれば、それは委員がおっしゃるケースもあると思います。


だが、「ESPIO」さんのこの日の記事で最も注目すべきは、「2.法務省「Q&A」のウソ」の部分、「この共謀罪新設法案の立法事実とされる国連越境組織犯罪防止条約」についての説明だ。一部を抜粋する。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty156_7a.pdf
http://www.unodc.org/unodc/crime_cicp_convention.html#final
<第二十条 特別な捜査方法
1 締約国は、自国の国内法制の基本原則によって認められる場合には、組織犯罪と効果的に戦うために、自国の権限のある当局による自国の領域内における監視付移転の適当な利用及び適当と認める場合には電子的その他の形態の監視、潜入して行う捜査等の特別な捜査方法の利用ができるように、可能な範囲内で、かつ、自国の国内法により定められる条件の下で、必要な措置をとる。
(略)


※このconventionの元の(英語の)PDFを探して気づいたんだけど、「国連越境組織犯罪防止条約(United Nations Convention against Transnational Organized Crime)」って、これ確か、元々human trafficing対策じゃねぇべか?(ちなみに、「特別な捜査方法」が入っているのは、2つあるProtocolのうちのProtocol against the Smuggling of Migrants by Land, Air and Seaの方です。)

そして野田さんの文は、「捜査当局は効果を上げるためには、手当たりしだいに、あるいは少しでも怪しいと思えば、とにかく情報収集の対象にせざるを得ない」、「仮に事件化されなくても、共謀罪の射程は広く一般国民に及び得るのである」と進む。

そのあとの部分で、「おとり捜査」について、北アイルランドのdirty warが――具体的には、先月射殺された、シン・フェイン幹部でなおかつ英国諜報のスパイだったデニス・ドナルドソンの一件とStakeknifeの件――引き合いに出されている。

この北アイルランドのdirty warのすさまじさは、デニス・ドナルドソンの場合は本人がほとんど何も語ることのないまま終わってしまったし、Stakeknifeの発言の範囲も限られているのだけど、彼らのエピソードだけでも十分にぞっとする。

北アイルランドのことはおいといて、とにもかくにも、なぜそのような法律が必要であるのかについて十分な説明(「説明」って言葉も、あるいは「理解」って言葉も、あまりに便利に使われすぎなんだけど)をすることなく、単に「今、そこにある危機」を持ち出すような怠惰な行政と立法に、唯々諾々と「そうですね、なら必要なのでしょうね」と言えるかどうか、って話だ。

「十分な説明をすることなく」というのは、冒頭の川内議員のブログからの引用部分に明らかだ。英米における共謀罪の導入について、また対象となる犯罪の数について尋ねた議員に対し、

外務省の答えは、

「わかりません。」

でした。


「わかりません」とか言ってる状態で、それについて説明なんかできるわけがない。っていうかそういうものすごく基本的なことについて「わかりません」っていう答えしか用意してないなんて、ありえない。民間企業でも、いや、大学のゼミの発表ですら、ありえない。委員長は山田君を連れてきて、こう答えた奴のザブトン全部持ってくべきである。

http://en.wikipedia.org/wiki/Conspiracy_%28crime%29

※この記事は

2006年05月16日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | i dont think im a pacifist/words at war | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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