「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年04月12日

イタリア総選挙

まず、昨日昼間のGoogle Newsのキャプチャ画像(私の書き込みつき)。イタリア総選挙のニュース。(下半分にフランスのCPE撤回関連ニュースがくっついているのはおまけ。)

googlenews_11april2006.png

画像の中にあるFTの記事は:
Cliffhanger poll leaves Italy with no clear winner
By Tony Barber in Rome
Published: April 11 2006 03:00
http://news.ft.com/cms/s/62d7914c-c8f7-11da-b642-0000779e2340.html

この段階では上院で6議席が決まっておらず、下院はコンマ1パーセントだけプロディ(左派連合)が上回る結果だった。

つまりはFTの言うように「明確な決着つかず」だったのだが、プロディ陣営はこの段階で既に勝利宣言をしていた(BBCはそれを大きく報じていた)。

しかしベルルスコーニ陣営は敗北を認めようとしない。

だいたい選挙ってものは全部開票しなくても政権の行方はわかる。今回のイタリアの選挙では全部開けるまでまったくわからんという事態で、サッカーの試合なら延長戦に突入、という感じだろう。

日本で一夜明けて、「上院もプロディ勝利」の報道があり、私は延長戦ゴールデンゴール決まったー、と思ったのだが、そうじゃなくて、まだロスタイムっぽい。

ベルルスコーニが「無効票の調査」(票の再集計)を要求している。

Berlusconi demands ballot review
Last Updated: Wednesday, 12 April 2006, 11:53 GMT 12:53 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4902738.stm

2003年に、ジョン・ピルジャーだったかロバート・フィスクだったかが、イラク戦争直前の国連安保理でのあれやこれやについての報道のことを「まるでスペクタキュラー・スポーツの試合のレポートのようだ」と批判的に書いていたが、ベルルスコーニを見ると半ば反射的に、サッカーの試合か「歌謡ショー」でも見ている気分になってしまう。どうしたもんか、この私。(このテレビ業界出身のミリオネアは、メディア王であると同時に、ACミランのオーナーである。)

ともあれ、「無効票の調査」がロスタイムであるとすれば、その先の延長戦は:

伊新政権発足、大幅遅れも 再集計なら数週間
_
 【ローマ12日共同】野党、中道左派連合が勝利したイタリア総選挙で、敗れた与党側は勝敗が極めて小差で決まったとして票の再集計を要求、今後の焦点は司法当局が再集計を認めるかどうかに移った。再集計の場合、手続きには数週間を要するとみられ、新政権発足が大幅にずれ込む可能性がある。
 与党、中道右派連合のベルルスコーニ首相は、やはり小差で勝敗が決まったドイツ総選挙を例に、左右大連立政権樹立の可能性にも言及。野党に揺さぶりをかけており、イタリア政局は当面混迷が続きそうだ。
 ……
(共同通信) - 4月12日17時24分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060412-00000132-kyodo-int


さらに:
'Italy is split in two ... I don't think Prodi will last the year'
http://www.guardian.co.uk/italy/story/0,,1751977,00.html

ガーディアンは批判的を超えて悲観的な論調の記事が多く出る傾向があるのだが、この記事もそうだろう。(「ブッシュ対ゴア」、「ブッシュ対ケリー」で米国が「赤と青に二分された」というのを下敷きにしているように思われるのだが、ほんとにそうかどうかはわからない。)

記者がイタリアの有権者に話を聞いてまとめた記事だが、まず、イタリアでは「この61年の間に55の政権があった(There have been 55 governments in the past 61 years)」(つまり第二次大戦後の政権交代が非常に頻繁で、数えると55ある)ということが最初のほうで示され、そのあとで「街角の声」がいくつか紹介されていく。

記事のタイトルになっている「プロディ政権は年内もたないんじゃないか」は、ローマのクリーニング店経営者、ジョバンニ・ダミアーニさん(64歳)のことばである。

"Berlusconi's going to make life as difficult as possible for the new government," predicted Mr Damiani, who had cast his vote for the centre-left coalition. "The opposition will be so strong that the left won't be able to get anything done. I don't think Prodi will last the year."


確かベルルスコーニはこの選挙の前に選挙制度を変えていて(選挙法の改正)、ということは自分たちに不利にならないようにしてあったはずなのだが、クリーニング店のおじさんの言っていることはそういう経緯も含めて見るべきかもしれない。

外務省の各国情報のページから:
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/italy/data.html

1945.12.  キリスト教民主党首班の第一次デ・ガスベリ内閣成立
1946.6.  国民投票で王制廃止
1948.1.  共和国憲法施行
1962.2.  初の中道左派政権成立
1994.4.  キリスト教民主党中軸の戦後政治の終焉


※イタリアの「キリスト教民主党」は中道左派政党。

ロマーノ・プロディ新首相(確):
http://en.wikipedia.org/wiki/Romano_Prodi

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■追記:
4月12日のThe Independentのフロントページ。マフィアのボスが逮捕された件(BBC記事)と「ベルルスコーニの敗退」を絡めている。


※クリックで原寸表示

※この記事は

2006年04月12日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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