kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=


2006年09月29日

ブレアの退陣表明と「次期首相候補」をめぐって。

Yahoo! Japanの「トピックス」のページの右サイドバーにある「もっと知りたいトピックス」というコーナーに、このようなものが出ている。

yh-29sep2006.gif

短くまとめるのは大変な作業である。それにしてもこの記述はあまりに微妙だ。まず、ブレアの退陣表明は「外交姿勢に国民の批判が強ま」ったためだけであるのか。それから、「次期首相候補」とは何か。

特に「次期首相候補」については、議会制民主主義の根本の話だ。

まず第一点の、ブレアの退陣表明と「外交姿勢に国民の批判が強ま」ったこととの関係。両者はむろん、無関係ではない。というか、外交姿勢は最大の要素だろう。今年5月まで外務大臣だったジャック・ストローは、イラク戦争に際しては自分の考えは別として、「サダム脅威論」をぶって開戦への道を切り開いたが、イスラエルに対しては極めて批判的なスタンスでいたし、イランに対する態度も極めて慎重だった。しかし5月の内閣改造で外務大臣となったマーガレット・ベケットは、このあたりでかなり違う方向を向いているように思われる。ベタな言い方をすれば、歯止め役がいない。このままだと本当にやりかねないという危機感は英国ではかなり高いようだ。また、アフガニスタンでの英軍兵士の死者数の急増も作用している。

しかし、外交姿勢に関してブレアへの批判は、2004年にはすでに最高潮に達していた。もう2年以上もずっと、「外交姿勢に国民の批判が強ま」ったままなのである。

最近になってから情勢が変わってきたのは、外交姿勢についてであろうとなかろうと、ブレアを批判する人々に、労働党内の「プレアライト」(ブレア派、ブレアの側近)までもが加わるようになったからである。

むろんその理由としては、外交だけではなく、国民健康保険制度のことをはじめ、いくつもの内政問題がある。というか、「党首がブレアのままでは選挙に勝てない」ことがこの5月の地方選で示されたことが直接的な理由だ。選挙に勝てる党首でなければならないところを、ブレアでは「勝てない」のではなく「絶対に負ける」。だから労働党は党首を替えなければならない。

これは労働党内の事情である。

ただしこれは同時に、国民の批判が高まった→国民(有権者)が労働党に投票しなくなった→労働党内部で新党首待望論が高まった、ということでもある。ただしその理由が「外交姿勢に対する批判の高まり」なのかどうかは、微妙だ。

次。「次期首相候補」について。

Yahoo!さんでの記述では:
次期首相候補には、労働党のブラウン財務相や保守党のキャメロン党首の名があがっています。

ということなのだが、まあブラウンはわかる。というかこの人、10年以上も「次期労働党党首最有力候補」だからね。日本に関して、つい先日まで「次期自民党総裁最有力候補」が、事実上の「次期首相」として扱われていた(国内的にも、関係のある諸外国でも)のと同様だ。(党首交替→議会での首相指名選挙→新首相決定という流れは、たぶん日本と同じ。)

しかし「保守党のキャメロン党首」って・・・。

保守党のキャメロンは、次回2010年の選挙で保守党が与党になるという筋書きにおいては、「有力な首相候補」だ。しかし現時点での「次期首相候補」ではない。そのように取りざたしている人もいない(床屋政談やネットの書き込みなどではあるかもしれないが)。

英国は議会制民主主義、議院内閣制である(ついでに言えばそれの発祥の地はイングランドだ)。首相は議会で選ばれる。政党政治では、そのときの議会の最大政党(与党)のトップが首相として議会で選出されるのがデフォルトというかデファクトというかそういうものだ。(フランス式の共和制=有権者の直接投票で大統領を決める制度と、どっちがよりデモクラティックであるか、という論争もある。)

現在、というか2005年の総選挙で最大議席を取った最大政党、すなわち与党は労働党であり、保守党ではない。また、次の総選挙は、特に何事もなければ2010年5月ごろである(議員の任期が通常5年なので:General and local elections do not have fixed dates, but must be within five years of the last election.)。

ブレアは2007年に退陣する。そのときに、野党である保守党の党首がキャメロンであろうと誰であろうと、保守党党首が「首相」となることは、議会解散で総選挙が行なわれ、なおかつ保守党が過半数の議席を占めない限りは、ありえない。

あるいは2007年に議会解散で総選挙になるという可能性もまったくのゼロではない(実際、2005年の総選挙は、2001年から4年目での前倒し解散で実施されている)。仮定としては、ブレアが退陣直前に議会を解散するとか、ブラウン(であれ他の誰かであれ)が党首になってすぐに議会解散するとかは、可能性としては、ある。しかし解散の判断をする内閣の首相はその時点では労働党のはずで(ブレアであれブラウンであれ、あるいは他の誰かであれ)、となると、自分たちがころっと負けてしまいそうな情勢であれば解散・総選挙の判断はしないだろう。

ただし、労働党が「勝てる」と判断して解散・総選挙に踏み切ったとしても、実際に勝てるかどうかは別問題。そのときに保守党が勝てば、労働党の次の首相は三日天下的に終わり、保守党のぼんぼんキャメロン党首が首相となるかもしれない。(<前提は、保守党党首はこのまま変わらないということ。)

・・・というようなことを、ものすごく簡単に「次期首相候補には、労働党のブラウン財務相や保守党のキャメロン党首の名があがっています」と書かれてしまうと、ものすごく違和感があるわけです。

※この記事は

2006年09月29日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 08:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | todays news from uk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック





【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

……全文を読む
▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼