kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年09月26日

あれから1年、北アイルランドの「テロ組織」は今。

「IRAは所有する武器をすべてコンクリでがっちがちに固めて使えなくしました」という公式の宣言が出されてからちょうど1年になる。

今年9月上旬に出たIMC (The Independent Monitoring Commission) の第11次報告書でも、「IRA (Provisional IRA)は組織の指令系統は維持しているが、政治的活動に専念しており、テロ活動は行なっていない」とのお墨付きだ。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/northern_ireland/5318470.stm

一方で非主流派リパブリカン(Real IRAなど)は依然として活動中であり「主要な脅威」と見なされている。また、ロイヤリスト側は、組織幹部らの努力で夏のマーチング・シーズンは比較的平穏に過ぎたが、それでも依然として暴力的活動が見られる、と結論付けられている。特に断固として武装解除しないと宣言しているUVFは、その政治的ウィングのPUPがストーモント(北アイルランド・アセンブリー)にどういう形で関わるかとかいう話もあるので、11月24日の最終期限を前に、スリルとサスペンスに満ち溢れている状態。

そのようななか、ロイヤリスト側最大のテロ組織(武装組織:パラミリタリー)のUDAに、注目すべき動きがあるようだ。

Banned UDA pleads to win legal status
Sunday September 24, 2006
http://www.guardian.co.uk/Northern_Ireland/Story/0,,1879759,00.html



The Observer/the GuardianのHenry McDonaldの取材に答えて、UDA指導部は、「パラミリタリーとしての活動からコミュニティ組織としての活動にシフトするために、合法的団体という地位を回復することを望んでいる」ということを述べた。
In an interview with The Observer, the UDA's leadership said legalisation would help it transform into a non-violent community-based organisation, and they ruled out disbandment.


UDAってのはこれ↓。別名the Ulster Freedom Fighters (UFF)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ulster_Defence_Association
http://cain.ulst.ac.uk/othelem/organ/uorgan.htm

かいつまんで言うと、1971年に、ロイヤリスト/ユニオニスト系の複数の組織(地域ごとの若いのの集団)をまとめるアンブレラ・グループとして成立。「IRAの武装闘争に対抗する」形での活動(暗殺、放火、脅迫など:ただし政治家暗殺とかもやってるんで、図式は正確には「武装闘争対武装自衛」ではない)を行ない、その過程では英当局ともべたべたにつながっていて(警察のファイルを見せてもらう、など)、「北アイルランド紛争」を通じて112人を殺害したが、そのうちリパブリカン武装組織メンバーはわずか2人(78人が武装組織のメンバーではない民間人、29人がロイヤリスト組織のメンバーでそのうちの23人がUDA/UFFのメンバー<内部粛清)。ただしUDAとつながりのあるガンマンが「フリーランス」的にリパブリカンを襲撃したりしている数字はここには入っていない。また、それら「テロ活動」のほかに、組織犯罪もいろいろと。要するに、ギャングであり、政治的背景のあるテロリストでもある組織。で、政治部門も持っている(The New Ulster Political Research Group)。かつては、英国でもアイルランドでもない「北アイルランド国」の独立を主張してもいた。

そういうふうな組織ではあるが、英国のthe Terrorism Actで非合法化された(proscribeされた)のは1992年8月になってから。それまでは「合法的」な組織だった。

その地位の回復を求めている、というのが現在の状況。

アメリカとかイスラエルなら「テロ組織だから」を100%の前提にするかもしれないが、これはイギリスなので、まあそのへんはするりするりと。IRAが「武装闘争」の停止を宣言し、その後武器を放棄したとのお墨付きを得たあと、「非合法」のステータスはまだ変わっていないにせよ、「もはやテロ活動はしていない」と公式に認められたように、UDAもこれから動きはあるだろうし。

というか、そのために組織上層部から明らかな犯罪者(ドラッグ密売など)を放逐したり、政治部門がアイルランド共和国政府側と話をしていたり(「我々は英国」主義の彼らがそういうことをするという意味がいかに大きいか)と最近いろいろな動きがある。

24日のthe Observer/the Guardianの記事はそのへんのまとめとして読むことができるだろう。

記事を読むと、UDAは一種の内紛の寸前にあるようだ。6つの「旅団」のうち5つは「新たな幹部」に従っているが、追放されたShoukri兄弟を支持する1つの「旅団」は反対している(それがsouth-east Antrim)。

だがsouth-east Antrimはかろうじて本体から分派していない。その理由はただひとつ、UDAの元幹部で、組織内の争いの後に組織を追放され、スコットランドに「亡命」したJohnny Adairが北アイルランドに戻ってくるのを阻止する、という決意、だそうで。(まるっきり『仁義なき戦い』ですがな。)

'If Adair comes back it will be for good, he will remain in Northern Ireland permanently but he will be 6ft under." They said he would 'never be forgiven' for ordering the murder of John 'Grugg' Gregg, shot dead during 'Mad Dog's' foiled bid to seize absolute control of the UDA in early 2003.

・・・(^^;) 「戻ってきたら、奴はずっとここにいることになる。未来永劫、北アイルランドにいてもらう。ただし墓の中で」だそうで。(要するに「戻ってきたらぶち殺す」ということ。)

一方でAdairも意気軒昂だ。
Johnny Adair said last night: 'They won't stop me from going back to Northern Ireland when I choose to. None of them in the leadership fought the "war" and they don't have the guts to go after me themselves.'

・・・(^^;) 「俺は戻りたいときに戻る。連中には止められない。今の指導部の連中は誰一人として『戦争』を経験していない。俺を仕留める根性のある奴はいない」だそうで。(要するに「やれるもんならやってみやがれ」ということ。)

そういうのが原因でUDAはいつまでも「テロ組織」なのではないかというインタビュアーに対し、「ではどうしろと? AdairだのShoukriだの、ああいう連中がいればまた元の木阿弥になる」と答えている。

これ、たぶん、組織改革の話なのだけど。(^^;)

「解散はしない」「暗殺部隊(UFF)も解散させない」というのの理由は
1)「IRAは活動停止したが、非主流派リパブリカンは依然としてアクティヴで、ロイヤリストのコミュニティに対して脅威であるから。その脅威がなくなればUFFも解散するし、UDAも別のモードに切り替える。」
2)「IMCのレポートで、IRAの活動が抑制されているのはIRAの組織を維持しているからだと言っている。UDAも同じだ。」

一方Adairは次のように言っている。「平和が訪れた、IRAの戦争は終わった、英国とのユニオンは安泰だ。だからとっとと解散しやがれ」ということだ。
'Never mind all this talk about legalisation, they should wind up the UDA now. There is peace in Northern Ireland. The IRA war is over and the Union is safe. There is no need for a UDA.'


ま、こういう話は茶飲み話ということで。

重要なのは、この「特定テロ組織」が次のような見解を持っているということだ。
'We understand how a lot of unionist victims feel about Sinn Fein and the IRA... but we have to create the conditions where there are no future victims. We have to move on because if we keep going back to the past it will just fester.'

IRAが「(過激派だが)コミュニティの一部」であった/であるように、UDAも「(やることは過激だが)コミュニティの一部」である。英国とアイルランド共和国両政府のプランの中に、UDAの居場所はあるだろう。

しかしそういう「現実との折り合い」の中で、どんなことが闇に埋もれていくかってのがなぁ。。。

■UDAについての過去記事(Shoukri兄弟追放時):
正義より優先される和平、そして「テロ組織」UDA(1) [2006/07/18]
http://nofrills.seesaa.net/article/21688335.html

正義より優先される和平、そして「テロ組織」UDA(2) [2006/07/18]
http://nofrills.seesaa.net/article/21688320.html

※この記事は

2006年09月26日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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