今年元日にパブリックドメイン入りした作者たち
http://togetter.com/li/235521
小川未明、津田左右吉、柳宋悦、知里真志保といった人々の著作権が切れてPD入りしたのが今年だった。来年は「吉川英治、柳田国男、室生犀星、正宗白鳥といった人々の作品がパブリックドメイン入りします」とのこと。超ビッグイヤー。(この前は、坂口安吾がPD入りした年が超ビッグイヤーだったと思う。)
英語圏では、何かいろいろもめていてぐちゃぐちゃのぐにゃぐにゃでよくわからないことになっていたジェイムズ・ジョイスが、没後70年で誰からも何の文句も出ない形でPD入りした。
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-16377358
ジョイスがPDになったからって、その文字による芸術作品(と、それを「翻訳する」という作業のまるで修行のようなあれこれ)の敷居の高さから、まずは「誰得」感に圧倒されるのだが、これからは読みたいときに、プロジェクト・グーテンベルクあたり(あるいはジョイスのアーカイヴのサイトなど)で『ダブリン市民』などが読めるのだな、と思えば、やはり感慨深い。この「ものすごい10年間」(あとで書く)の始まりの年に、ジョイスというちょっとハズした立ち位置のアイルランド人の遺産がPD入りしたということも、また思わせぶりでこのー、このー、このー、という感じだ。
というわけで、パブリック・ドメインな話題に口元を緩めてもらったので、私も前からやっておきたかった、ジャンゴ・ラインハルト(1953年没)の音楽の情報源の整理をしてみた。
ジャンゴ・ラインハルトは1910年、ベルギーで生まれた。両親はロマの旅芸人。ジャンゴはニックネームで「私は目覚める」という意味だそうだが、まさに米国の「黒人」たちの音楽だったジャズが欧州にもたらされたときに、その新しい音楽にギターという(当時は脇役だった)楽器で、新しい息吹を吹き込んだ、いわば「夜明けの人」だ。
その音楽は、今の耳で聞くと、正直、「新奇さ」は感じられないだろう。当たり前だ。ちょうど、現代の英語話者が「シェイクスピアの言葉遣いの何がすごいのか、わからない」とうのと似ていて、彼が始めたスタイルが、(いろいろと混交しつつ、また発展しつつ)その後の標準になっていったのだから。
ジャンゴのギターの音楽は、とにかく「豊か」だ。そして、基本的にダンス・ミュージックだから、明るく軽快で、カラフル。時代性だとか民族性だとかいった難しいことを考える前に、とにかく音に接してみるべき。
下記でいろいろと聞けるようになっている(or 聞けるところをリンクしてある)ので、ぜひ。
※この記事は
2012年01月05日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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