kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2005年07月30日

英国なのに(笑)反応が素早い。

英国といえば,「電話を引くのに数ヶ月」とか「ガス台交換で10週間?!」とかいったことが真っ先に念頭に浮かぶあなたはびっくりすること請け合い。

IRAの「武装キャンペーンやめます」宣言から24時間もたたないうちに,北アイルランドの英軍基地の縮小・撤廃作業が開始されました。

ira-campaignover2.png
※当該記事は2段目の記事です。

http://www.worldpeacereport.com/経由,なぜかカナダのメディアの記事:

British army launches base cutbacks in response to IRA peace move
Shawn Pogatchnik
Canadian Press
Friday, July 29, 2005
http://www.canada.com/news/world/story.html?id=3d1521c6-97ae-4e8f-887e-f0f18f8038e1
BELFAST, Northern Ireland (CP) - The British army began closing or demolishing three military installations in the Irish Republican Army's rural heartland in a rapid response to the IRA's declaration to renounce violence and disarm.


記事によれば,英軍基地撤退作業が開始されたのは,アイルランド南北の境(border: 「国境」と呼ぶには私はやや抵抗がある)のエリアである,South Armaghの3つの基地。

South Armaghについてはしばらく前にこのウェブログに書いた気がするけれど,検索で記事が見つからない。。。

今回のIRAのステートメントについては,何を言っているかではなく,あれを明文化したことに意義があるというか,「ステートメントそれ自体のためのステートメント」じゃないかと思っていたのですが,やっぱりそうなのかな。はっきりと文章で示されれば,即座に,英国政府は動くことになってたようですね。だってこのスピード……別に英国じゃなくてもあまりに迅速な対応です。

しかしIRAのステートメントは,私が読んでも,「具体的にIRAの何がどう変わるのか」がわからない――この点はまた改めて。今日の東京はあまりに暑すぎて(気温ではなくむしろ湿度),体力の限界。台風が過ぎた後の2日間は,気温は高かったけど湿度が低くて楽だったよね……。

本当にまったく関係ないけど,ピーター・バラカンが英語しゃべってるとびっくりするよね。

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■画像を追加した後での追記:
日本では大したニュースになっていないけれど,やっぱり今回のステートメントは,ある意味シンボリックだね。ただし,IRA(正確に書こう,PIRAだ)が今回のステートメントを出したのが,「このテロとあのテロは違う」@ブレア流の考えに基づいたものであったとするならば(そして私は,部分的にはそうである可能性はあると思っているのだが),「PIRAの武装闘争終結宣言→和平」という筋道は,「北アイルランド問題」解決にはなりえても,それだけでしかなくなってしまうのではないかと思う。

実際には「北アイルランド問題」は,「テロリズムの問題」であり,もちろんそれ以前に「植民地問題」なのだけど,もしも事態を動かしたのが「このテロとあのテロは違う」であったとすれば,……言語機能がストップしました。ま,とにかくあんまりいい感じとはいえない。

あと,Yahooにあったロイター記事のタイトルが「IRA、北アイルランドでの武力闘争終結を宣言」となっているのだけど,これは正確ではない。IRAの「武装闘争」は,IRAがNIのプロテスタント勢力だけでなく,英国政府をも「敵」と看做して以降は,北アイルランドだけじゃなくて,イングランドでも行なわれてきた(だからロンドンやマンチェスターやバーミンガムやブライトンなどでIRAの爆弾テロがあった)。しかるに,今回のステートメントは,場所には関係なくすべての武装闘争を終結するという宣言。(だから,ロンドンで何かあっても「IRAか?」と思うことは,多分なくなる。)

また,同じくYahooにあった新聞記事で「英国・北アイルランド自治区」という表現を見たが,「自治区」ねぇ。。。そうじゃないと思うけど。。。

まず制度的に,グッドフライデー合意で1998年か99年に復活しそうだった自治政府も議会も,結局停止したままで,英国政府の直接統治だ。(2002年からでしたっけ,ウェストミンスターの直轄統治になってるのは。)(<数字は当てにしないようにしてください。以下同じ)

というか,もっと真面目にかつ大雑把に言えば,まさにその点をめぐって(「区」なのかどうかをめぐって),NIにおいては「英国の一部」派と「アイルランド島はひとつのアイルランド」派が対立してきたんじゃないか? 

自治議会は確かにあったし自治政府もあった――「ストーモント議会」と呼ばれるその自治議会は1922年に南が「自由国 Free State」として分かれる前の1921年に発足し,1972年まで続いていた。しかしその「自治」の内容が「問題」で……つまり,その「自治」にはカトリック/ナショナリスト/アイルランド人(<とても大雑把)が関わる余地がなく(つまりユニオニスト/プロテスタントの政党が独占していた……「民意」の結果として。元々,そうなるように南北のborderを設定してあったのだが),カトリック/ナショナリスト/アイルランド人が「権利」を求めた。と同時に,ナショナリストの武装過激派も暴れるようになった(<むろんここにはchainがあったのだが――ユニオニストでなおかつキリスト教原理主義の過激派が,カトリックという宗教を攻撃材料として,暴れていた)。そしてプロテスタントの独占するNI政府にはどうにもならなくなって英国がこの自治議会を停止。これが1972年。

その後,エドワード・ヒース首相のときのサニングデール協定でわずかな期間だけ自治政府のようなものができた期間を除いては,1972年から1998年まではずっとウェストミンスターの直接統治。

で,1988年に両派がパワーシェアする自治議会・自治政府が動き出すかに見えたのに,それが「IRAの武装解除」をめぐって,2005年の今も膠着した状態にあり,そのスキに両派の和平推進派ではなく強硬派が支持を伸ばして……ということ。

「IRAの武装解除問題」ってのは,グッドフライデー合意後ずっとあった「問題」。合意後にIRAの武装解除は行なわれたが,これは「やった」「やらない」「信用できない」のドツボになって,以下略。

これをね,簡単に「自治区」と言ってほしくないわけですよ,ワタシ的には。実際,検索しても他の用例は1件しかないし(>「北アイルランド自治区」。)(「〜自治」ならいくらでも出てくるし,私も使いますが。)

だいたい,「自治」ということば――Home Rule――は,アイルランドと英国の関係を見る場合には,重いしややこしい。

「自治区」の日本語辞書での定義を確認したが,んなもん確認するまでもなく,「自治」ってのは,「民族自決」ってことだ。一方で,かつてストーモントにあった「自治」は,17世紀に侵略した側の「自治」だった。

これが,「自治」を許されてない,侵略された側のナショナリズムにつながったし,さらには武装闘争にもつながっていった(とか書くと単純すぎるけど)。

「北アイルランド紛争」ってのは,大雑把に言えばそういうこと。だから,「自治区」とか言われると,どうしようもなく脱力してしまうんです。

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転記前コメント欄での追記:
Armagh towers vacated
ガーディアン記事,Armagh towers vacated:
http://www.guardian.co.uk/Northern_Ireland/Story/0,2763,1539274,00.html

/quote/
The army began dismantling some of its watchtowers in South Armagh yesterday, which have long been loathed and resented by nationalists.

Having released the Shankill bomber, Séan Kelly, hours before the IRA announced it would cease all military activity, this was the first subsequent sign that the government was honouring its side of the bargain by scaling down security in the Province.

But Unionists were furious that military bases were being dismantled so soon after the IRA stated that it would end its armed struggle.
/quote/

ほんとにシンボリックなところから行ったね……映画のラストシーンにぴったりなくらいにシンボリックじゃないか,あのwatchtowerのdismantleの作業ってのは。

これをやられたら,万が一仮にPIRAのあのステートメントが(DUPなどが暗に言っているように)「言葉だけ」であったとしても,PIRAの側も動かざるをえない。

一方,DUPは英軍撤退開始は早すぎる(まだPIRAの武装解除も行なわれていないのに)と非難。これに応じてシンフェインは:
/quote/
The Sinn Fein leader, Gerry Adams, said Mr Paisley, who has refused face-to-face talks with Sinn Fein while the IRA exists, must now negotiate.

"I believe it's now time for dialogue between us," he said. "It's a matter of whether the DUP has the confidence to enter into that dialogue."
/quote/

……公式に,「我々との話し合いすら拒んでいるDUPの方がどうかしている」(<I believe it's now time for dialogue between us)の段階に入りましたね。PIRAの存在がどうのこうの言うのなら,LVFやUVFなど数多いロイヤリスト組織の存在をどうにかしなければならない。それがどうにかできるほど,DUPは「政治的」では,おそらくない。
at 2005 年 07 月 30 日 18:47:34

※この記事は

2005年07月30日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼