「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2006年09月25日

英国発の旅客機の機内荷物持ち込み制限の解除について。

8月10日の「航空機爆破未遂の摘発」の直後から、英国発の旅客機では、「手荷物の機内持ち込みは原則禁止」と大変厳しく制限されていましたが(過去記事)、先週金曜日に少し緩和されたそうです。ただし液体類の持ちこみは依然として禁止。

Hand luggage rules to be relaxed
Last Updated: Thursday, 21 September 2006, 13:44 GMT 14:44 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/5367096.stm

Baggage advice for UK passengers
Last Updated: Thursday, 21 September 2006, 11:24 GMT 12:24 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/4789593.stm

Hand luggage
Sunday September 24, 2006
http://observer.guardian.co.uk/travel/story/0,,1879387,00.html

Directions: New hand luggage rules
September 24, 2006
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2100-2370509,00.html

以下、変更点の要旨。

なお、BAの日本語サイトにも説明はあります。
http://www.britishairways.com/travel/london/public/ja_jp

最も正確な情報はThe Department for Transport (DfT)に:
http://www.dft.gov.uk/stellent/groups/dft_about/documents/page/dft_about_612280.hcsp

[UPDATE] 11月6日にこの制限が解除され、EU全体での新ルールが発効しました。液体の持ち込みができるようになりました。
http://nofrills.seesaa.net/article/26991194.html

英国発の機内に持ち込める手荷物は1つだけ。大きさは、56センチ×45センチ×25センチまで(キャスターやサイドポケットを含めて採寸)。つまり、「爆破未遂摘発」前の機内持ち込み手荷物のサイズと同じ。あまり大きくないキャスターつきのスーツケースなら、サイズ的にOK。ハンドバッグ類が別にある場合は、大きな荷物に入れれば持ちこみOK。

手荷物はすべてX線で検査される。(フィルムカメラの人は要注意です。)

また、8月以降持ち込むことができなくなっていた楽器類は、手荷物とは別に機内持ち込み可。(BBCにオーケストラ団員の反応のまとめなどがあり。)(テレグラフ記事によると、サイズの大きな楽器の場合は、そのための航空券を買わなければならないかもしれないとのこと。)

ただしセキュリティ・ゲートでの検査は変更なし。液体類(ジェルを含む)は、必要不可欠な医薬品とベビーフード類でなければ持ちこみ不可。

ヒースロー空港のアナウンスによると、固形の化粧品は持ちこみが解禁。固形ファンデはOKですね。口紅も大丈夫。グロスは・・・ダメだそうです

許可される液体類(以下、最後まで、特別に記載しない限りはBBC記事より):
- 処方箋のある薬品(糖尿病患者のインシュリンなど)。ただし証明が必要(as long as it is verified as authentic)。
- 赤ん坊用のミルクと液状のベビーフード(チェックのときに、赤ちゃんを連れている大人が少し食べて安全を証明する)。

「液体」と見なされるもののリスト:
- ジェル類、ペースト類、ローション類、液体と固体の混ざったもの(→液体っぽい化粧品類全般はこれに該当。「液体と固体の混ざったもの」とはリキッドファンデとか。)
- 加圧容器に入れられたもの
※つまり、歯磨き粉、ヘア・ジェル、飲み物、スープ類、シロップ類、香水、デオドラント、シェービング・フォーム、スプレーなど、。

また、機内持ち込み荷物に液体を入れられる容器(ボトル類、缶など)を入れてしまうとセキュリティ・チェックに時間がかかるので、それらはあずける荷物のほうに前もって入れておくように。

ノートパソコンや大き目の電化製品(ドライヤーなど)は、セキュリティ・チェックのさいに袋から取り出して、ほかの荷物とは別にX線検査する。ヒースロー空港のアナウンスによると、カメラ類やMP3プレイヤーなど小型のものは、バッグに入れたままでX線検査。

車椅子や歩行補助器具もX線検査を受ける。車椅子の機内持ち込みは許可されるが、くまなく検査される。

セキュリティ・チェックを終えたあとは、出発ラウンジで買い物をして機内に持ち込むことができる。ただし米国行きの便はダメ。

米国行きの便の乗客は、セキュリティ・チェックを2回受けなければならない。出発ラウンジで買ったものは日用品類や飲料、液体類は一切持ち込めないが、食べ物は持ち込み可能。(あんまり意味ないよね。)

不明な点があれば、利用する空港か利用する航空会社に問い合わせを。

21日のガーディアン記事によれば、このセキュリティ強化による航空業界の損失は£300m。特にBAは1280便の運航を取りやめるなどしていて、£40mの損失。

また、通常はこれほどに厳重なチェックを受けるのは乗客4人に1人の割合であるが、警戒が高まって乗客全員が対象となっており、それが今回の緩和でどの程度変化するのか(つまりどの程度減るのか)は交通省のほうから明らかにされていないので不明。

セキュリティ・チェックの強化で損失を被ったとして英国政府を提訴しているライアンエア(アイルランド)は、「ゲートでは、テロリストではないことがあまりに明らかな夫婦連れの高齢者や子供まで検査しなければならない。効率は悪く、不必要だ。このようなことは続けられない」とコメントしている。

ヒースロー空港のFAQ:
http://www.heathrowairport.com/portal/controller/dispatcher.jsp?...
うははは。「私のかばんはちょっとだけサイズが大きいんですが、中身が少ないのでつぶせます。どうでしょうか?」という問いに、「いいですよ」って。(空港に型枠みたいのがあって、それに収まればOKということだそうです。)あと、「スタンステッドやサウザンプトンでは、許可される荷物のサイズが少し小さいのですが?」っていう問いに「いい質問ですね」って。(航空会社の都合だそうです。)

で、前の記事でも「目薬の持ちこみ」について調べておられる方が、検索エンジン経由でたくさんいらしていたようですが、閲覧できる記事でははっきりしたことはわかりません。眼科で処方されている目薬なら、処方箋があれば問題ないはずです。各種記事の書きっぷりからすると、検査ゲートで実際に点眼してみればOKなようにも取れるし(<as long as it is verified as authentic)、それでもダメなようにも取れる。

8月のテレグラフのブログに、DfTの情報は曖昧で不十分だとして、Secondly, many patients need non-prescription items for long flights: e.g. painkillers, eye drops, nose sprays, lip salves etc.(長時間のフライトでは鎮痛薬や目薬、鼻づまりのスプレー薬や薬用リップクリームがなければならないという人は多い。それらには処方箋はない)というコメントがあるのですが・・・。

もし、8月のセキュリティ強化後に英国発の飛行機に搭乗された方がここを見ていらしたら、コメント欄に「目薬はどうだったか」を書き込んでいただけますと幸いです。よろしくお願いします。

※この記事は

2006年09月25日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 13:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | london basic info | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
米、旅客機内への液体持ち込み規制を緩和
(読売新聞) - 9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060926-00000212-yom-int

米国で「旅客機内への液体の持ち込み規制を26日から緩和」とのこと。「旅行用の小型容器に入った化粧品で、チャックがついた透明のプラスチック袋に入れて空港の安全検査を受ければ、3オンス(約85グラム)まで」持ちこみ可能。また、「安全検査を受けた後、待合場で購入した飲料水も」持ちこみOK。

それでも英国は禁止措置を緩めない、ということですが。

なお、EUではだいたい米国と同じようになっていく予定だそうです。(英国もEUなので、これが正式に決まればEU方式になるかな。)

EU restricts hand-luggage liquid
Last Updated: Wednesday, 27 September 2006, 13:38 GMT 14:38 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/5385376.stm

Air passengers travelling from European Union countries are to be restricted on how much liquid they can take on board.

The European Commission has proposed limiting liquids to 100ml containers which must fit into a transparent, re-sealable plastic bag.

持ち込めるのは100ミリリットルまで。透明の、ファスナーのついたビニール袋に入る大きさの容器に入れた液体は許可、という方向で欧州委員会が提案。予定としては来週合意、11月から実施。

というわけで、特に女性で「機内は乾燥するから化粧水を持っていく」という方は、100ミリリットル以下のアトマイザーに詰め替えて持っていくことになりそう。スプレー缶はたぶんダメなので、エビアンとかのミネラルウォーター化粧水は厳しいかも。

なお、DfTによると、英国発米国行きの便に関しては、厳しいままだそうです。

日本から英国や欧州に行かれる方は、とりあえず、日本の空港(成田、関空など)のサイトで最新情報を確認してください。

持ち込めるかどうか不安なら、化粧水をコットンに染み込ませて、ビニール袋に入れて手荷物に、などでOKではないかと思います。
Posted by nofrills at 2006年09月28日 10:21

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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