1911年2月、英国で「議会法」の法案 (Parliament Bill) の採決が行われた。修正を経て、最終的に3度目の採決で可決・成立となったこの法律で、上院(貴族院:議員は選挙されない)に対する下院(庶民院:議員は選挙される)の優越が定められた。
http://en.wikipedia.org/wiki/February_1911#February_22.2C_1911_.28Wednesday.29
この「議会法」の成立から100年となるのを記念して、今年、英国会では一連の記念レクチャーが開かれた。
http://www.parliament.uk/business/commons/the-speaker/speeches/speakers-lecture-series/
下院議長主催のこのシリーズは、月に1度のペースで、現役の議員(下院・上院とも)11人が、それぞれ、過去の偉大な議員11人について話をするというもので、すべてBBCの「デモクラシー・ライヴ」のサイトで公開されている。1本1時間弱。
http://news.bbc.co.uk/democracylive/hi/house_of_commons/newsid_9487000/9487828.stm
担当議員とトピックとなった過去の議員の一覧:
Series includes:
* Lord Morgan on David Lloyd George
* Sir Peter Tapsell MP on F.E. Smith
* Baroness Williams on Nancy Astor
* Nicholas Soames MP on Sir Winston Churchill
* Gordon Marsden MP on Aneurin Bevan
* Lord Norton on Enoch Powell
* Lord Kinnock on Michael Foot
* Lord Hurd on Ian McLeod
* Lord Adonis on Roy Jenkins
* John Whittingdale MP on Margaret Thatcher
* Tristram Hunt MP on Tony Benn.
正直、私では知識がなさすぎて「それ誰?」という人もいるのだが、そういった点の情報についても、BBCのサイトで簡単に確認できるようになっている。
1人目のロイド=ジョージについては説明不要だろう。
2人目のF. E. スミスは、アイルランド自治法関連(ユニオニスト)。これは来年(アルスター誓約100周年)になる前に聞かないと>自分。
3人目、ナンシー・アスターは、私は名前も聞いたことがなかったのだけれど、第二次大戦直前の対ナチ和平派との由。こういう話が聞ける(そのためのプラットフォームが誰にでもアクセス可能な形で提供されている)のはすごいね。
4人目はウィンストン・チャーチル。語り手のニコラス・ソームズ下院議員はサー・ウィンストンの孫だ。
5人目は……こういう人物についてのネット上の日本語圏の情報の薄さは本当にひどいね……英国の国民健康保険制度のアーキテクトであるアニュエリン・ベヴァン。
続いて6人目、きたきた、イーノック・パウエル。2011年は8月暴動のときによく名前出てましたね。40年以上前の化石的なこのスピーチが、「現在進行形の何か」として言及されるという……。でもまともな言論世界からはすぐに消えたけど(暴れてた連中は「移民」ではない、ということがすぐに明らかになり、事実として共有されたので)。
7人目はマイケル・フット。語り手がニール・キノック。労働党党首串刺し検索みたいな。
8人目がイアン・マクロード……って、誰?ということでウィキペディア。1970年、在任中に亡くなった財務大臣だが、それ以上に、旧大英帝国の植民地独立への関わりと雄弁さで保守党の記憶に残る政治家であるらしい(イーノック・パウエルとは反対)。それよりこれ、語り手の「ロード・ハード」ってダグラス・ハードじゃん。「東西冷戦末期の英国」の人名のひとつ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Douglas_Hurd
で、ここまで労働党は「左派」ばかりだったのが、9人目でようやく「右派」登場。ロイ・ジェンキンズ。
10人目は鉄の人。この人は、語られるべきことは大量にあるね。ありすぎてうんざりするほどに。でもこのレクチャーはちょっとおもしろそうな「内幕」話かも(BBCのサイトにある説明文を読む限り)。
そして最後、11人目がトニー・ベン。息子(ブレアライト)ではなく、トニー・ベンと同じようなバックグラウンド(貴族の家の子で、労働党の政治家となった)を有するトリストラム・ハントが語り手。
以上のシリーズ、バックグラウンドで流して聞いて「ほほう」とか「なるほど」というには内容が高度すぎるわけだが(集中して聞いていないとならない&予備知識がないと話がわからない)、レクチャー主によってはスクリプトを公開してくれているようだ。
といっても、トリストラム・ハントによるトニー・ベンについてのレクチャーしか確認していないのだが……。
http://www.tristramhunt.com/web/2011/12/12/1911-centenary-lecture-tony-benn/
なお、主催の議長はこんな人。12月14日、今年最後の英下院での党首討論のときのメモから:
http://twilog.org/nofrills/date-111214/asc
英国会党首討論、今日の議長のとばしっぷりは異常www http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-16180353
posted at 21:14:07
英国会党首討論、議長、さっき、エド・ミリバンド発言中に "Stop" という野次が飛んだときの対応はネ申。「議員は発言するためにここにいる。誰もそれに対し『黙れ』などと言う権利はない!次に言ったらあなたに退席していただく」。かっけー http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-16180353
posted at 21:15:08
英国会党首討論、BBCウェブストリーム終了。で、議長かっけーシリーズ。今日は年内最後のPMQsで、さっきから「クリスマスなので」というquipが多いのだが、議長、最後に「今日は私もクリスマス的に寛大な気持ちなので最後ひとり、○○議員」と指名。
posted at 21:37:32
英下院、議長17RTs http://favstar.fm/users/nofrills/status/146926192489005056 反響でかすぎw この方→ http://en.wikipedia.org/wiki/John_Bercow 1963年生。19世紀にルーマニアから移民したジューイッシュの家でお父さんはタクシー運転手。本人は普通の学校からエセックス大、学生時代から保守党
posted at 21:49:05
前日の13日(英国が欧州首脳会議で「EUの新条約」に拒否権突きつけたあとの、英国内での説明の日):
おもしれぇwww http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-16136672 議長、「静粛に、静粛に。○○議員、騒ぎすぎです。血圧が心配です」
posted at 00:50:20
※上記は「意訳」です。もう少し正確には、「倒れてしまうのではないかと、あなたの健康が心配です」という内容。
※この記事は
2011年12月25日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
【todays news from ukの最新記事】
- 英国での新型コロナワクチン認可と接種開始、そして誤情報・偽情報について。おまけに..
- 英ボリス・ジョンソン首相、集中治療室へ #新型コロナウイルス
- "Come together as a nation by staying ap..
- 欧州議会の議場で歌われたのは「別れの歌」ではない。「友情の歌」である―−Auld..
- 【訃報】テリー・ジョーンズ
- 英国の「二大政党制」の終わりは、「第三極の台頭」ではなく「一党優位政党制」を意味..
- ロンドン・ブリッジでまたテロ攻撃――テロリストとして有罪になっている人物が、なぜ..
- 「ハロルド・ウィルソンは欧州について中立だった」という言説
- 欧州大陸から来たコンテナと、39人の中国人とされた人々と、アイルランドのトラック..
- 英国で学位を取得した人の残留許可期間が2年になる(テリーザ・メイ内相の「改革」で..






























