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Eric Hobsbawm on 2011: ‘It reminds me of 1848...’
By Andrew Whitehead BBC World Service News
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-16217726
この記事ページの末尾経由で、BBC Worldのラジオ番組、The World Todayでの放送(12月23日放送分):
http://www.bbc.co.uk/programmes/p00m8wcn
全部で55分の時事・ニュース番組だが、ホブズボームのインタビューは41分過ぎから始まる(その部分の長さは6分強)。上記URLで今後7日間、世界のどこからでも特に制限なく、オンデマンドで聞ける。年齢が90代半ばという事実に驚いてしまうほど力強い調子で(だがしゃべるスピードは遅い)、ホブズボームは「アラブの春」や「西洋世界でのOccupy運動」を語っている。
2011年の中東&北アフリカでの「抗議行動」というか「インティファーダ」というか「革命」というか……の広がりについて、1917年、ロシア革命の数ヶ月前に英統治下のエジプトで生まれたこの高名な歴史家は――他の多くの人々と同様に――、「1848年を連想させるものだ」と振り返る。
1848年。
http://en.wikipedia.org/wiki/Revolutions_of_1848
(日本語版もあるが、情報の量が少なすぎ、1848年革命のことを何も知らない人に見せても、「1848年」の意味もインパクトもうまく伝わらないと思う。)
話があっちこっち飛んでてわかりづらい記述だが、上記ウィキペディアから:
These revolutions arose from such a wide variety of causes that it is difficult to view them as resulting from a coherent movement or social phenomenon. Numerous changes had been taking place in European society throughout the first half of the 19th century. Both liberal reformers and radical politicians were reshaping national governments. Technological change was revolutionizing the life of the working classes. A popular press extended political awareness, and new values and ideas such as popular liberalism, nationalism and socialism began to spring up. ...
Large swathes of the nobility were discontented with royal absolutism or near-absolutism. In 1846 there had been an uprising of Polish nobility in Austrian Galicia, which was only countered when peasants, in turn, rose up against the nobles. Additionally, an uprising by democratic forces against Prussia occurred in Greater Poland.
Next the middle classes began to agitate. Working class objectives tended to fall in line with those of the middle class. Although Karl Marx and Friedrich Engels had written at the request of the Communist League in London (an organization consisting principally of German workers) The Communist Manifesto (published in German in London on February 21, 1848), once they began agitating in Germany following the March insurrection in Berlin, their demands were considerably reduced. ...
The middle and working classes thus shared a desire for reform, and agreed on many of the specific aims. Their participations in the revolutions, however, differed. ...
さて、BBCでのインタビュアーはAndrew Whitehead. 彼自身、BBC記者の仕事をしながら歴史を研究しており、集めた史料などをサイトで紹介している。
http://www.andrewwhitehead.net/
こういうのを見ていたらいくら時間があっても足りないので先にいく。
BBCのインタビューで、ホブズボームはこう述べている。
"If there is to be a revolution, it should be a bit like this. At least in the first few days. People turning up in the streets, demonstrating for the right things."
But, he adds: "We know it won't last."
【大意】
「革命が起きるという場合には、こういうふうになるはずです。つまり、少なくとも最初の数日間は、人々が路上に出て、正しいことを要求してデモをする。しかし、それがずっと続くわけではありません」
そして、短期間で各地で「革命」が続発した「1848年」を連想する、と述べて:
"Two years after 1848, it looked as if it had all failed. In the long run, it hadn't failed. A good deal of liberal advances had been made. So it was an immediate failure but a longer term partial success - though no longer in the form of a revolution."
「1848年から2年後には、『革命』はすべて失敗したかのような様相でした。しかし結局のところは、失敗などしていなかった。かなり多くの点で、リベラルな進歩が達成されたのですから。つまり、そのときその場では失敗であっても、長い目で見れば部分部分の形で成功なのです。ただし、そのときにはもはや、革命という体裁ではなくなっているのですが」
そして、「アラブ」といっても国ごとに事情は異なり、同一の「革命」が起きているのではないと述べ:
"We are in the middle of a revolution - but it isn't the same revolution."
"What unites them is a common discontent and common mobilisable forces - a modernising middle class, particularly a young, student middle class, and of course technology which makes it today very much easier to mobilise protests."
「革命は現在進行中です。しかしそれは(各地で)同じ革命ではありません。各地を結び付けている共通点は、不満と、動かせる人員――モダンな考え方をするようになってきている中産階級、特に若い学生たちです。それから、もちろん、現代のテクノロジー。これのおかげで抗議行動が円滑にできるようになっています」
そして、「テクノロジー(通信技術)の利用」という点から話はOccupy運動へ……。
流れるようなこの話の展開、ラジオの音声ではBBCの記事以上だ。
なお、記事では最後の方に1979年イラン革命(最初は「リベラルの革命」だったものが、いつの間にか「イスラム主義者の革命」になってしまった)への言及が少しあるが、ラジオからは割愛されていたように思う(もう1度聞き返して確認するけど)。
そうして、ラジオでホブズボームのインタビューの部分が終わると、すぐにヴァーツラフ・ハヴェルの国葬直前のプラハから、記者とスタジオを結んでのやり取りが始まる。
1917年生まれで「共産主義」とともに生き、その終焉と折り合いをつけ、そのうえでより普遍的な「革命」を語ろうとする90代の歴史家の大河のような語りのあと、80年代の終わりに「共産主義」を終わらせた立役者のひとりの葬儀の話題……これがまた、ハヴェルだけあって、「元大統領の国葬」の話をしているとは思えない内容。プラハにいる記者はこんなことを言っていた。
「実際のところ、全ての人から満遍なく好かれたという人物ではありませんでした。それでも、本当に人気のある人でした」
「彼の戯曲は正直難解で意味がわかりませんが……」
BBCのスタジオも、ハヴェルには愛着のようなものがあるのだろう(西側世界としては当然だが)。故人はフランク・ザッパのファンだったということに言及し、そこから「葬儀ではどんな音楽が」という話題になる。プラハにいる記者は「葬儀では伝統的な音楽が使われる」と報告しつつ、「後日、別途、追悼コンサートが開催され、そこではザッパやヴェルヴェット・アンダーグラウンドや……」と語る。
20世紀、21世紀……トレント・レズナーが映画サントラの仕事について語るインタビューで、「因習的な、管弦楽による映画音楽」と、「ビートの効いたロック調の映画音楽」が対比されている時代。
さて、ホブズボームのインタビューをBBCで聞き終わって数時間、今日も今日とて金曜日、エジプトのカイロからは「デモ」の話が聞こえてきている。「白人」で女性であるジャーナリストは、軍政支持デモで暴力を受けたたき出されている。
※この記事は
2011年12月23日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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