「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

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2006年09月12日

ロンドン公共交通、新線計画。

Picolinさんのところで「London Overground」計画を知る。

ソースはThis is Local Londonの記事路線図もある。

予定は2010年。2012年のオリンピックまでには整備するということで、実際、オリンピック開催が決まったときもこの路線の話は出てたような気がする。


This is Local Londonの記事の内容を箇条書きで。

- 新たに整備される路線は地上線で、名称は"London Overground"。

- 現在の地下鉄(Tube)と同じくらいの本数(8分に1本)を走らせる。駅も改築し、防犯カメラなども設置し、オイスター受け付けも開始する。
↑太字部分がポイント。路線自体はこれまでもずっとあったのだが、「ゾーン2なのに1時間に2〜3本」とかだった。駅も、何と言うかその、あんまり積極的に利用したいとは思えない感じで。(だから「鉄道を使うならバスの方が」ということにならざるを得ない)

- 20の区の71の駅を結ぶ。将来的には環状線とする第一歩である。

- 2007年11月から、現在NLR(the North London Railway)の4つの路線で運行開始となる。

- 2010年にELR(East London Railway)延伸が完成したら、それもLondon Overgroundに含まれる。

- NLRとELRをつなぐのは、DalstonとHighbury & Islingtonの間に新たに建設される路線。Dalstonには新ジャンクションを建設。これでロンドンの北と東が鉄道で結ばれる。

- 完成されれば、ロンドン南西部のRichmondから北部を経由して、南部のCroydonまでがつながる(路線の乗り換えが必要なくなる)。

- ケン・リヴィングストン市長のコメント:「何十年にもわたってロンドンの鉄道は無視され、十分に活用されてこなかった事例が多い。"London Overground"の運行が始まれば、待望のロンドン市内の鉄道の再生が始まることになる。」

というわけで、拙著では「住むなら鉄道沿線じゃなくて地下鉄沿線」というようなことを書いていますが、それも2010年まで、かな。。。

記事によると、これが可能になったのは、現在はSilverlink(<鉄道会社名)が運営しているNLRをTfLが買収する(2007年11月)ことを政府が決定したからだとのことで、ということは、料金体系もTubeのものが適用されることになってOystercard(じゃないとバカみたいに高いということ)になるわけだし、これはリヴィングストン市長(Travelcardを作ったときのロンドンの行政のトップ)のイニシアティヴかもしれない。ひょっとして、労働党を離党して市長に立候補したリヴィングストンが、労働党へ復党したこととかとも、無関係ではないかもしれない。

※上記、イメージしづらかったら、仮に東京で「小田急線をJRが買収、御茶ノ水から町田までJRで乗り換えなし」とかいう感じだと思っていただければだいたいOKかと。

また、East London Lineの第二期延伸(路線図で下半分、薄いオレンジ色で示されている部分。Peckhamのあたりは既に路線がある)が承認されれば、郊外部ロンドン環状鉄道ができる、とのこと。(東京で言えば武蔵野線に近いか。)

費用の点では、必要とされる費用の大半がすでに調達済み。路線の管理はTfLが行なうが、列車の運行は私営企業が行ない、現在4社(Govia, MTR Laing, National Express GroupとNedrail)が候補となっている。

これは実現するでしょう。ただし時期は、ずれ込む可能性もあると思うので(なぜならロンドンなので)、できる前からあんまりあてにしない方がよいかも。(家を買うんなら、不動産価格が上がる前に買っておくのが賢い、とかいうことになるだろうけれども。)

なお、この説明でいくと、East London Lineは私営化(民営化)されるということだよな・・・と思っていたら、記事末尾で労組の議長がその点にツッコミを入れている。「旧BR(国鉄)で失敗しているのに」ということで。

あと、このLondon Overground計画、昔から何度も浮上しては立ち消えになってきた「チェルシー・ハックニー線」とは違います。
http://en.wikipedia.org/wiki/Chelsea-Hackney_Line

あと、Crossrailってのもあるんだよな。
http://en.wikipedia.org/wiki/Crossrail

※この記事は

2006年09月12日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


posted by nofrills at 01:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | london basic info | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やはりnofrillsさんの読みと説明の方が分かりやすい(^^ゞ ありがとうございます。
(自分のところはメモ程度でいいか、という内容でしたから)

要するに、「Silverlinkの沿線がTfl預かりになって、少なくとも運賃系統と運行状況はTube (Underground)と同じそれになる」という理解でいいのかな、と・・・。

チェルシー・ハックニー線って、こちらにいてもとんと話を聞きませんね。
Posted by ぴこりん at 2006年09月12日 02:49
ぴこりんさん、ども。

> 要するに、「Silverlinkの沿線がTfl預かりになって、少なくとも運賃系統と運行状況はTube (Underground)と同じそれになる」

・・・だと思います。じゃあSilverlinkはどうなるんだというのがあるんですが、とてもそこまで調べる気にならない。(^^;

東京もたいがいややこしいと思うのですが、ロンドンの場合、私が最初に把握したのが「LT(当時London Transport)かBRか」できれいに分かれていたころのものなので、余計にややこしく感じるんですよね。(^^;

チェルシー・ハックニー線は、2000年に私がハックニーに滞在していたときにはすでに「伝説」でした。(話を聞いたご近所さん=大家さん、隣の人、近所の店の人などは誰も実現を期待していなかった。)どうなるのかね、あれは。
Posted by nofrills at 2006年09月12日 03:42

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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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