kafranbel-aug2011.jpgシリア緊急募金、およびそのための情報源
UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)
WFP (国連・世界食糧計画)
MSF (国境なき医師団)
認定NPO法人 難民支援協会

……ほか、sskjzさん作成の「まとめ」も参照

お読みください:
「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2011年11月09日

オリンパスのニュースから、懐かしい言葉を思い出す。「プリンストン債」とか。

オリンパスの件についてちょこちょことメモしているが、少しでも一覧性を高めたいので、「オリンパス不正会計疑惑」というタグを作った。この「タグ」の画面が我ながら見づらいのだが(すみません。HTMLをいじるとレイアウトが崩れてしまうので……)、左のリンク先をクリックした画面で少しスクロール・ダウンしていただきたい。

はてブでは、下記で管理している。
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/Japan/business/

さて、8日の社長記者会見後、そもそもこの疑惑を「告発」した形になっているウッドフォード前CEOが朝日新聞の取材に対し、「高山修一社長が(会見で)『これまで知らなかった』と話していること」に愕然としている(ショックを受けた)のだと述べていた。この「ショックを受けた」というのは、額面どおりに受け取れば「この期に及んでまさかそんなふうにしらばっくれるとは」ということだろう。"「意外性はない not surprising」のだが「ショックである shocking」だ" という表現は、「よく言うよ(よくやるよ)と感心してしまう、唖然としてしまう」と日本語で表す感情にも近いと思う(「愕然とする」というよりは)。私のようなアホの使う日常語では「うはー」とか「くはー」とかいう感じかもしれない。

ウッドフォードさん自身、CV(→ウィキペディア日本語版でその内容が説明されている)によると、学校を出て就職したKeyMed Ltdという会社が、彼の入社の5年後にオリンパス傘下に入る(1986年……「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」の時代。このころ英国でも日本企業はすごかったんですよ……)という形でオリンパスに関わるようになって、今年で既に25年だ。ただ、1991年(バブル崩壊が始まったころ)にはKeyMed社の代表取締役社長となってからほぼずっと欧州拠点だったそうで、おそらく同じ頃に行われるようになっていたであろうオリンパス経営陣の不正(と言ってよいだろう。fraud)とは接点はなかったようだ。

この10月、ウッドフォードさんのあのFTのインタビューのあと、英語圏のメディアで記事を読み、Togetterなどでの「まとめ」を作りつつ、いろいろと「懐かしい」フレーズが頭をよぎった。「損失隠し」、「簿外債務」、「飛ばし (Tobashi scheme)」……別に金融畑ではない自分にとっても、こういう「時事用語」は「日常」だった。90年代半ばから後半にかけて、阪神大震災、地下鉄サリン事件、ベアリングス銀行破綻とリック・ニーソン、北海道拓殖銀行、山一證券……。

山一證券破綻の新聞報道記事のコラージュを使った本の表紙。2000年の岩波ブックレット。

4000091980粉飾決算 (岩波ブックレット)
森岡 孝二
岩波書店 2000-01-20

by G-Tools


そんなころ、けっこうあちこちで見た用語のひとつに、「プリンストン債」というのがある。電車の中の広告や、銀行のロビーや歯医者の待合室にあるような一般的な雑誌の広告や提灯記事などでよく見たという記憶がある。

これについて、たまたま、非常にわかりやすい説明文を2件見たので、以下に紹介しておきたい。

今回のオリンパスの不正会計疑惑で「まさか日本の企業がそんなことを!」的な驚きに打たれている人が、たぶん20代の方々の中にけっこう多いようなので、一般人の立場で「当時」を知る者として、「日本の企業のやり方」がいかに滅茶苦茶だったか、「グローバル・スタンダード」に合うようにする過程でそれが修正されたか(日本の国内で「このままではいけない」というのがあったので法整備・法改正がなされた、というより、「国際標準に合わない」、「時代の要請」ということでそれらがなされた)、といったことを、少しでも、メモ程度でも、伝えられたら(ウェブ検索で出てくるようにできれば)と思う。専門的な解説はできないけれども。

まず1件目。金融の専門家としてのキャリアを有する方(既に現役引退しておられるはず)が運営しているブログ、「闇株新聞」さんの記事。

2010.12.08 あの事件はどうなった その4「プリンストン債事件の闇」
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-42.html

1990年代、企業(の担当者)がバブル崩壊のあおりをくって、または投資に失敗して巨額の損失を出し、それを埋め合わせようとして「イチかバチか」的なリスキーな勝負に出る、ということは、よくあった。そして、そのリスキーな勝負に失敗し、さらに深みにはまる、ということも、わりとよくあった。本業の業績とは関係なく、「投資」が原因で企業が潰れることなど、別に珍しくもなかった(以上、具体性を欠く記述ですみませんが、具体的には書けないことなので……)。今では信じられないかもしれないが、ヤクルト(あの乳酸菌飲料の)は1990年代後半にそういう深みにはまった企業のひとつだ。そのときに担当者(副社長)が手を出したのが「プリンストン債」だった。
 この事件の本質は、この元副社長が主導して「プリンストン債」なるものを使って損失隠し(飛ばし)をしていたことと、この「プリンストン債」なるものは全くの詐欺商品であったことと、最後にこの元副社長が5億円超のリベートを受け取っていたことなどです。この元副社長は特別背任で実刑判決が確定しています。

 まず、損失隠しについては、当時はバブルの後始末に追われている事業会社や金融機関が数多くあり、多くの損失隠し(飛ばし)のスキームが横行していました。そして、その大半が外資系の金融機関から持ちこまれ、彼らにボロ儲けをされただけでなく、さらなる損失を抱え込むケースが続出していました。

 さて「プリンストン債」とはどういうものだったのでしょうか?…略…

続きは「闇株新聞」さんで読んでいただきたいが、かいつまんで言えば、個人も企業も「財テク」(オリンパスについての報道記事の見出しにも出てきていたが、これも懐かしい言葉。「ハイ・テクノロジー」が「ハイテク」なら、「財務テクノロジー」と表現すれば「ザイテク」になる、ということで流行した)、つまり「投資」に浮かれていた時代、その分野の「天才」という触れ込みで経済メディアなどで大きく取り上げられたマーティン・アームストロングというアメリカ人と、彼の「ファンド」(というか、実態は個人事務所)と、高利回りでの「運用」の話。「運用」に回される資金を集めたのは、日本の企業(日興証券)出身者が代表をつとめる(外資で横文字の)証券会社……。

なお、ヤクルトのこの「資産運用(財テク)の失敗」による損失については、当時の経営陣を相手取った株主代表訴訟が起こされていたが、昨年12月に最高裁で判決が出ているとのこと(「運用責任者の元副社長のみの責任を認め、67億円の支払いを命じた」との由)。

私は(このニュースを気にしていなかったので)判決について気づいていなかったのだが、検索したら下記の記事がヒットした。
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120601000202.html

デリバティブ(金融派生商品)取引で巨額の損失を出したヤクルト本社(東京)の当時の経営陣が、約533億円の賠償を求められた株主代表訴訟で、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は6日までに、株主側の上告を退ける決定をした。熊谷直樹元副社長=旧商法の特別背任罪などで懲役7年、罰金6千万円が確定=だけに約67億円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。……


さて、2件目の記事は、橘玲さんのWebマガジンだ。こちらは「闇株新聞」さんに比べ、ずっとボリュームのある記事だが、とにかく読みやすい。

実践『マネーロンダリング』講座 第12回 世の中はリベートで動いている
http://webmagazine.gentosha.co.jp/backnumber/vol58_20021015/money-laundering/money-laundering.html
 90年代半ばあたりから、マーティン・アームストロングという人懐っこい笑顔の“天才”アナリスト兼ファンドマネージャーが日本の経済メディアに頻繁に顔を出すようになった。

 アームストロングは米プリンストン経済研究所(といっても、自分で設立した個人研究所)の所長であり、紀元前1700年のメソポタミア文明に遡る相場データを分析し、スーパーコンピュータを駆使してはるか未来の株式・債券・為替・商品市場まで完璧に予測したと豪語して、バブル崩壊で自信を失った大手金融機関のトレーダー、ディーラーや、多額の損失を抱えた個人投資家の間でカリスマ的な人気を博した。……

 そこでアームストロングは、日本での人気を利用してひと儲けしようと企み、自分が運営するファンドを企業や機関投資家に売りつけることを画策する。それが「プリンストン債」だ。

 プリンストン債はアームストロングをファンドマネージャーとする一種のヘッジファンドだが、なぜ債券(Bond)という名を冠したかというと、ほとんどの日本の企業や年金は内規によってヘッジファンドに投資することができないからだ。ところがこの障害は、金融商品の名前の最後に「債券」と付ければそれで解決する。人を馬鹿にしたような話だが、事実である。……

苦笑するしかないほど、「残念」な日本の私。

橘さんの記事は、このみょうちきりんな「債券」をヤクルトが「買った」経緯を、運用担当者の副社長(国税局からの天下り)に対する税務署の態度が甘すぎないかといった指摘をはさみつつ、説明している。そして次のように、この「債券」のことを説明する。
 バブル期、どの企業も証券会社や信託銀行に余った資金を預け、これを原資に株式投資に血道をあげた。これが特金(特定金銭信託)やファントラ(ファンド・トラスト)と呼ばれたものだ。

 ところがバブル崩壊後の株価の暴落で、たとえば100億円の特金が70億円になったしまったという企業が続出した。資産を時価で評価すれば30億円の投資損失を計上しなくてはならないが、そんなことをすれば自分たちの責任が問われる。そのためどの企業も、こうした損失を飛ばすのに躍起になった。

 そんなところにプリンストン債が、非常にシンプルな解決方法を携えて現れた。時価70億円の不良資産を、額面100億円のプリンストン債と交換してくれるのである。これで企業は、損失を表沙汰にしなくてもすむ。プリンストン債などという誰も見たことのない金融商品の時価評価など、どんな監査法人でもできるはずがないからだ。証書に100億円と書いてあれば、それを信じるしかない。……

 プリンストン債に投資した企業や機関投資家は100社にものぼり、その総額は1200億円を越えると推定されている。 99年9月にプリンストン債の破綻が明らかになると、これらの会社は、刑事事件になったヤクルトを除き、どこも「自分たちは被害者だ」と声を揃えて主張した。日本から送金された投資資金の大半が運用に回されず、既存の投資家への返金やアームストロング個人の蓄財に使われていたからだ。

こういうのが、頭の片隅にでもひっかかっていれば、今回のオリンパスの件で「日本であんなことが起きるなんて、と驚く」ということはないと思う。

ただ、「まさか今さら!」、「墓場からゾンビ!」という驚きは、たぶん非常に多くの人々によって共有されただろう。私は個人的には「またか」と思ったが、それは「慣れ」と「呆れた気持ち」と、「いつになったらこういう話が終わるんだ」という嘆息がないまぜになったようなものだった。(「またか」と思った時点で、それ以上つっこんで考えようとしていないのだが。)

なお、この「プリンストン債」の中の人ことアームストロング氏は、この3月に刑期を終えて出所したという。9月28日付でBloombergが記事にしている(日本語):

プリンストン債事件アームストロング氏、ブログで景気予測−刑期終え
更新日時: 2011/09/28 14:54 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=a8Nd6.jJVC6I
マーティン・アームストロング氏は独学のエコノミストだ。米ペンシルベニア州フィラデルフィア市役所の向かいにあるほとんど何もないオフィスで、インターネットを利用して支持者を増やし始めている。同氏は、1999年のプリンストン債事件で日本の投資家に7億ドル(現在のレートで約540億円)の被害を及ぼした詐欺罪と1500万ドルの資産を規制当局に届け出ず隠した罪で11年間服役した。……

  アームストロング氏は3月に釈放されて以降、初めてインタビューに応じ「97年に私が書いた事は全て現実になっている」と指摘。ウェブサイトでは99年の自身の起訴について「日本での事業に関連したばかげた事実無根の容疑」に基づくものだと主張している。


このアームストロングさん、ウィキペディアにも項目が立っている(ただし現時点で「クオリティ低すぎ」と「中立性に疑問」のタグがつけられている)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Martin_A._Armstrong

で、ご本人、WordPressでこういうサイトもやってて、さらにTwitterまで(リンクはしないので、興味がおありの方は @StrongEconomics を手動で打ち込んでください)――といっても、一瞬で飽きたか、使い方(フィードの飛ばし方)がわからないかのどちらかかもしれないが、10月に2日間だけ使ってみて終わり、という雰囲気。ブルームバーグのインタビューであんだけ言ってるわりには、「ギリシャの次は〜」という話もしてないし、ユーロのことはもう興味ないのかな。

あと、Wordpressのほうに文章アップされてるっぽいのだが、ことごとくPDFだったり。コピペされたくないのかな。



なお、オリンパスに関しては、実はこの「プリンストン債」以上なような気配はある。例えば下記の件(ウォール・ストリート・ジャーナル):

オリンパス、ノーベル経済学者の取締役抱えていた―買収決定時
2011年 11月 3日 14:20 JST
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_336333/?tid=olympus
 オリンパスは2005年、問題となっている4件の買収の直前に、初の社外取締役を投入して取締役会による監督を強化することを決めていた。ノーベル経済学者のロバート・マンデル氏もその1人だ。

 同社取締役会がこれらの買収を承認したのは、マンデル氏その他2人の社外取締役(医師、元通産省官僚)の任期中だった。

ちょっと日本語が「直訳」調なのでざっくりリライトすると、「2005年、オリンパスは初めて、社外取締役を投入した。その任についたのは、ノーベル経済学者のロバート・マンデル氏と、(日本人の)医師と元通産省官僚。取締役会による監督を強化することがその目的だった。しかしその直後、つまり取締役の任期中に、同社は問題となっている4件の買収を行った」――という感じになるか。

この記事の下の方から:
 マンデル氏がオリンパスの社外取締役だったのは05年6月〜08年6月。任期当初は、通産省出身の豊島格(とおる)氏も社外取締役だった。

 07年には、豊島氏に代わり病院院長で内視鏡検査が専門の藤田力也氏が社外取締役に就任した。

 この指名のため、オリンパスは07年の届け出を修正する必要があった。内視鏡生産はオリンパスの事業に大きな位置を占めており、同社は藤田氏が率いる内視鏡財団に寄付をしたことがあった。修正版では、藤田氏は寄付から個人的な恩恵を受けていないとしている。

 6月に取締役を辞任した藤田氏はコメントを控えた。豊島氏は09年に亡くなっている。

この「マンデル氏」が、例の「ケイマン諸島の会社」(つまり「アクシーズ Axes」)とどのような関係にあったかは、記事参照。うはぁ、ですが。

そして「闇株新聞」さんの最新の記事(コメント欄によると、NHKで紹介されたそうで):

2011.11.09 オリンパスの闇・第4幕
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-294.html
 まず、オリンパスが1990年代から「損失先送り」を繰り返し、今般の国内3社の買収(直後に大半を償却)とジャイラス買収に関して支払った巨額報酬によって実質的に最終処理したことは明らかなのですが、要は「誰を」犯人にするつもりなのかと言うことです。

 本日、森副社長を解任し、山田常任監査役も辞任したようなのですが、菊川氏の処遇は不明です。菊川氏も社長辞任後もオリンパスの最高権力者のはずで、高山社長も菊川氏の指名です。

 「いやな感じ」の第1は、責任をすべて森・山田両氏にかぶせ、菊川氏は監督責任を問われるだけのような気がすることです。

 大げさでなく、森・山田両氏の身柄の安全を確保すべきです。(ライブドア事件でも野口氏が変死しているのです)。

 「いやな感じ」の第2は、確かに巨額資金が過去の投資損失の先送りなどに利用されていたことは事実で、またそのスキームも報道されつつあるものでほぼ間違いなく、オリンパスの社外で深くかかわっていた人物についても報道の通りです。

 しかし、大きく抜けおちているのは、「過去の投資損失」とはなんだったのか、つまり本当に投資損失だけだったのか、もっと言うと闇に吸い込まれていく仕組みがなかったのか、などが全く注目されていないことです。こちらのほうがはるかに重要な問題なのです。……

「ジェイクさん案件」になってるのはこの点ですが、NYT、FT、ロイター、ブルームバーグ、WSJなどはここで「よくある粉飾決算」で手打ち、ということにさせないためにまた報道をステップアップさせるのではないかなあという気が。

となると、また記事ラッシュに…… (^^;)

※この記事は

2011年11月09日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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