http://news.bbc.co.uk/1/hi/default.stm
記事:
PM gone within year, allies say
Last Updated: Wednesday, 6 September 2006, 08:19 GMT 09:19 UK
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/5318354.stm
The Sunが報じたという段階では、んー、マードック組だしぃ、またspinでしょー、と思ったのだが、the Daily Mirrorに花道を用意するとのメモがリークされたとのこと。さらに、ブレア腹心も意味深長な発言をしている。
よって軽くメモ。
まずはthe Daily Mirrorにリークされたメモの「花道」だけど、これがばかばかしいの何の。一体全体これはどこの将軍様ですか。
Appearances on Blue Peter and Songs of Praise are mooted. A tour of the most striking buildings constructed during the Blair era is planned. According to the memo, visits to schools and hospitals will be stepped up.
アメリカのブッシュ大統領(のスピーチライター)は、ビンラディンをヒトラーやレーニンに喩えたそうだけど、ブルー・ピーターに出るとかSongs of Praiseに出るとか、ブレア政権下で建設された名建築物を回るとか、本気だとしたら、ヒトラーやレーニンに喩えられるべきはブレアじゃないか。
学校訪問に病院訪問? 王族の公務かっての。
これが民主主義国? ははは、あなたのジョークはおもしろいですねって感じだ。
日本でも「支持率1ケタ」の森首相の花道が沖縄サミットだったりとかしていたけれど、ただでさえ自己陶酔しているブレアの花道が自己陶酔ツアーだなんて、冗談の質が悪すぎて腐臭がする。
ガーディアンのニューズブログに引用されているブロガーが「これが偽物であることを祈る」と書いているが、同感。まったく同感。
ちなみにメモがリークされたミラーの記事はこちら。(別のページにはTHE BLAIR SWITCH PROJECTという記事があるらしい。笑)
"As TB enters his final phase he needs to be focusing way beyond the finishing line, not looking at it.
"He needs to go with the crowds wanting more. He should be the star who won't even play that last encore. In moving towards the end he must focus on the future."
うげげげ、気持ち悪い。
Guido blogのコメント欄で「最後はウェンブリーアリーナで式典か? クラスター爆弾で死んだファルージャの人たちを踊りで表現しますってか?」とあるのを読んで、余計に気分悪くなった。
ま、ブラウン筋からのリーク(労働党内はブレア派とブラウン派で内戦状態)というコメントも多いんですが。
ともあれ。
リークの件は別として、今回「出口プラン」について本気だと感じたのは、ガーディアンのニューズブログにも書いてあるけれど、ブレアライト(ブレアの側近)の中のブレアライトが「退く日を明らかに」と求めるようになってきているから。
ITVの記事が読みやすいので:
http://www.itv.com/news/c84524791f830df9606db7edf24a1b3d.html
Some of Tony Blair's most loyal supporters have now written to him urging him to quit as Prime Minister.
Two letters calling for him to go were said to be circulating around MPs at Westminster. It is believed only one has so far been sent to the Prime Minister. A third letter with 49 signatures is urging him to stay.
...
The letters urging him to go were said to have been circulated by two normally loyal backbenchers - Erdington, Birmingham, MP Sion Simon and Rhondda Labour MP Chris Bryant.
Tonight the arch-Blairite and Environment Secretary David Miliband said it was "reasonable" to suppose the PM sees himself staying in 10 Downing Street for about one more year.
His comments sparked instant speculation in Westminster that he had been authorised to speak out to clear the air over Mr Blair's plans and stave off backbench rebels.
つまり、労働党議員の間でブレア辞任を求める連判状みたいなのが回っていて、しかもそれが「いつものrebel」からではなくブレアライトの議員からのものであり、またブレア腹心のデイヴィッド・ミリバンドが、あと1年でブレアが辞めると考えるのは「理にかなっている」と発言、発言主が発言主、ついにブレアから公表する気になったかという観測がウエストミンスターに広がった、とのこと。
ただBBCでは、もう1人のブレア腹心のヒラリー・ベンがちょっと別のことを言っている:
http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk_politics/5318354.stm
International Development Secretary Hilary Benn told the BBC it was time to forget about the speculation.
"We should trust the prime minister in what he has said, that he will do the right thing by the party, that he will, in due course, announce a date," he said.
つまり、推測・憶測を広めるのではなく、首相自身の発言を待つべき、と。これまたびみょーな発言だなぁ。。。ヒラリー・ベンは1ヶ月ほど前にrebelに加わって(そのときにアラン・ミルバーンとかも一緒だったんだっけ?)、その後は特にこの人関連の記事とか読んでないのでわかんないけど。
しかし何でこんなにがんばっちゃってるのかね、ブレアは、と思ったら、
http://politics.guardian.co.uk/labourleadership/story/0,,1865980,00.html
に
A resignation on May 31 next year would mean Mr Blair had been PM for ten years and 30 days - still short of Mrs Thatcher's 11 years at the helm.
とあるので、ああそうだ、最長在任記録更新だ、と思った次第。
また、このガーディアン記事は、来年5月末というとスコットランドの議会の選挙と重なるので(ブレアはスコットランド出身、後継有力のブラウンはスコットランド人)、スコットランド筋からは「それは困る」との声が出ているということも伝えている。
"The thought that we are going to be running an election campaign for the Scottish parliament between April and May with this type of speculation running, accompanied by a Frank Sinatra-type farewell tour, just will not wash."
ははは、「シナトラ調のさよならツアー」。まさにそれだ。
今頃東京の首相官邸が「あ"ーーーーっ! やられた!」と思っているかも。
あと雇用・年金大臣のJohn Huttonが「(辞任の日のことばかり考えるという)obsessionはよくない」という発言をしたらしいけど、これは明らかにspinだ。相手(あるいは周り)のやってることについて、あらかじめ否定的なレッテルを貼り付けてそれを前提として話す、という方法。例えば何でもかんでも最初っから「テロ」と呼んでおくとか、とりあえず「米帝」と呼んでおくみたいな方法。
どっからどこまでがspinなのか、わからんなー。
あと、撤退に向けて動き出すはずだったイラクの英軍、増派するらしいです。
Britain forced to send more troops to Iraq
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1865688,00.html
深読みすれば、今の「ブレア、来年5月末に党首を辞める」説は、イラク増派をカバーするためのspinということもありうる。アフガンの英軍がひどくやられているときでもあるし。
でも、メディア記事を見る限りは誰も言ってないようだけど(保守党とかは言ってるだろうな)、来年5月ということは、「シナトラみたいなさよならツアー」どころか、スエズ危機の二の舞になってる可能性があるんじゃなかろうか。
※この記事は
2006年09月06日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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