「なぜ、イスラム教徒は、イスラム過激派のテロを非難しないのか」という問いは、なぜ「差別」なのか。(2014年12月)

「陰謀論」と、「陰謀」について。そして人が死傷させられていることへのシニシズムについて。(2014年11月)

◆知らない人に気軽に話しかけることのできる場で、知らない人から話しかけられたときに応答することをやめました。また、知らない人から話しかけられているかもしれない場所をチェックすることもやめました。あなたの主張は、私を巻き込まずに、あなたがやってください。

【お知らせ】本ブログは、はてなブックマークの「ブ コメ一覧」とやらについては、こういう経緯で非表示にしています。(こういうエントリをアップしてあってもなお「ブ コメ非表示」についてうるさいので、ちょい目立つようにしておきますが、当方のことは「揉め事」に巻き込まないでください。また、言うまでもないことですが、当方がブ コメ一覧を非表示に設定することは、あなたの言論の自由をおかすものではありません。)

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2005年08月06日

イスラエルの分離壁と「表現者」。

Banksyがまたやった!今度はイスラエルの分離壁に!

Art prankster sprays Israeli wall
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4748063.stm

記事の画像は中途半端にトリミングされているのですが,「作品」の画像はぜひ,フルサイズでどうぞ。

あ,ギャラリーがChannel Fourにありました。。。ガーディアンにもありました

あと,Channel Fourのニューズレポート(3分くらいのもの)がウェブで試聴可能。(私が見たときにはバッファリングで寸断されましたが。)全部で9作品を描いたそうです。制作光景を撮影した部分もあります。

実際,「そのうちに例の壁に描くかも(笑)」とか思ってたんですが,まさか本当にやるとは。

Independentの解説記事が,BBCやガーディアン掲載のPA記事よりしっかり解説している。しかも本人のコメントつきだ。
http://news.independent.co.uk/uk/this_britain/article304042.ece
※数日で閲覧が有料になります。
His critics may have long dismissed him as an irresponsible prankster, scarcely one step up from school dropouts carving slogans on park benches. But the British graffiti artist Banksy ... may finally convince the doubters that he, and his imposing stencilled images, are more than just a joke.

This week he risked the bullets of the Israeli security services to stencil nine paintings on to the Palestinian side of Israel's separation wall. They included pictures of children digging a hole, breaking through the wall, and another of a ladder apparently going up the wall and over to the other side. For an artist who built his reputation by spraying large images, among them policemen with smiley faces and masked rioters lobbing bunches of flowers, it is arguably his most political statement to date.

For Steve Lazarides, the manager of www.picturesonwalls.com, which sells Banksy's original work and screenprints and publishes his books, the Palestinian venture was a political statement totally in keeping with previous work.

"He's one of the few artists around who actually has something to say in his art. Most of his work is highly political," Mr Lazarides said yesterday. It works on lots of levels and there's humour in it, but at least 90 per cent is a commentary on society. It is way beyond a joke and has far more resonance than most of the work considered 'proper' art."

...

Certainly there is a fierce political protest in the new work, even if it is leavened with typical irreverence. In rare words of explanation, the artist told The Independent: "If you like dancing you go on holiday to Ibiza, if you like walls you go to Palestine."

Speaking through his publicist, Jo Brooks, he went on: "The segregation wall is a disgrace. On the Israeli side it's all manicured lawns and SUVs, on the other side it's just dust and men looking for work. The possibility I find exciting is you could turn the world's most invasive and degrading structure into the world's longest gallery of free speech and bad art. And I like to think I can help with that bit."

He added: "Besides, I love Palestine - all of the giant walls, the dirt and the falafel stalls remind you of Glastonbury."

...


「壁がどかんとあって泥があってファラフェル(食べ物)の屋台があって,グラストンベリーっぽい」ってのは……。(^^;)

■トラバ先(いずれも前の記事にトラバくださったところ):
aRt de ECO [アール・デ・エコ]さんのBanksy記事
StrathclydeさんのBanksy記事

■トラバいただいた
P-navi infoさん――英国「アート・テロリスト」隔離壁で一仕事

BBC Newsによると、イスラエル軍から威嚇発砲されて、何回かは銃を向けられたりしたらしいが、それでも9つもの作品を壁の上(パレスチナ側)に描きあげた( "Art prankster sprays Israeli wall" より)。

……

興味深いのは作品の写真の横に、パレスチナの老人とのこんな会話をサイトで出しているところ。

|  老人:壁をペイントして、美しくしているな。
|  バンクシー:ありがとう。
|  老人:わしらはこの壁を憎んでいるから、美しくしてもらいたくないんじゃ。家にお帰り。


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転記前URL:
http://ch.kitaguni.tv/u/917/todays_news_from_uk/0000250871.html

転記前コメント&トラバ:
Strathclyde
トラバありがとうございます。
Banksyのnewsをこういう形で教えていただけて大変感謝です!

投稿者:
ゲスト
at 2005 年 08 月 08 日 23:14:23

>Strathclydeさん
コメントありがとうございます。
トラバくださったP-navi infoさんにも詳しく書かれているのでぜひ。

P-navi infoさんの記事に地元のおじいさんが「あんた,壁を美しいものにしているね」と製作中のBanksyに語りかけた,というくだりがありますが,これはBanksyによってどう表現されることになるんだろう……と思っています。

ベルリンの壁は,壁の取り壊し作業が始まった直後に描かれたグラフィティの部分がギャラリーとして保存されているそうです。また,ベルリンの壁のグラフィティの一部がロンドンのImperial War Museumの庭に展示されているそうです。

あと,壁ギャラリーと言えばデリー(ロンドンデリー)@北アイルランドも有名ですが。。。

投稿者:
nofrills
at 2005 年 08 月 09 日 17:01:29

トラックバック from P-navi info
世界じゅうのグラフィティ・アーティストを誘っているかのような……。
2005 年 08 月 07 日 16:20:03

トラックバック from ど風呂グ
ぼくの大好きなドキュメンタリー映画『プロミス』、 今年のGWに見に行った270分の映画『ルート181』に続き、 パレスチナ問題を扱った映画を観てきました。 “パレスチナ子どものキャンペーン”というNPO団体が主催した上映会『アルナの子どもたち』。 ユダヤ人の..
2005 年 11 月 21 日 21:35:53


※当ブログでの関連記事は、↓のタグ「Banksy」で一覧できます。

※この記事は

2005年08月06日

にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。


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【2003年に翻訳した文章】The Nuclear Love Affair 核との火遊び
2003年8月14日、John Pilger|ジョン・ピルジャー

私が初めて広島を訪れたのは,原爆投下の22年後のことだった。街はすっかり再建され,ガラス張りの建築物や環状道路が作られていたが,爪痕を見つけることは難しくはなかった。爆弾が炸裂した地点から1マイルも離れていない河原では,泥の中に掘っ立て小屋が建てられ,生気のない人の影がごみの山をあさっていた。現在,こんな日本の姿を想像できる人はほとんどいないだろう。

彼らは生き残った人々だった。ほとんどが病気で貧しく職もなく,社会から追放されていた。「原子病」の恐怖はとても大きかったので,人々は名前を変え,多くは住居を変えた。病人たちは混雑した国立病院で治療を受けた。米国人が作って経営する近代的な原爆病院が松の木に囲まれ市街地を見下ろす場所にあったが,そこではわずかな患者を「研究」目的で受け入れるだけだった。

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▼当ブログで参照・言及するなどした書籍・映画などから▼